減築で再生した終の棲家
代々大切に手入れしてきた贅沢なお庭を持つ敷地に、ご両親が建てた築35年超になる2世帯住宅で暮らされていたO様。家の老朽化よりも気になっていたのは、せっかくのお庭に面する日当たりの良い場所に使用頻度の低い和室や応接間が位置する古い間取りでした。
【お客様の声】
子供達もそれぞれひとり立ちしたタイミングでしたので、森川さんには減築とあわせてこれから一生住まえるリフォームの提案をお願いしましたところ、理想の家を実現いただき家族一同大満足で感謝しています。想定外の事でしたが、リビング(和室)の庭に面したカウンタースペースは、在宅勤務の際に大活躍しています。ありがとうございました。
来客や法事等で使用する目的で作られたスペースによって、日当たりも景観もない北側で日常生活を送るという不合理を、減築によって生活者中心の家として再生させることはO様の長年の夢でもありました。
リビングは元々和室にあった立派な書院と床の間を活用し、琉球風畳を敷いた和モダンな空間に。お庭に面する特等席に設けたワークスペースはお持ちの椅子に合わせてカウンター高さを設定し、さらにそのカウンターに合わせて窓を計画しました。カウンターから壁の立ち上がりゼロで仕上げた窓から見えるお庭は絵画のようです。
普段からお料理やお菓子作りを楽しむご主人様も使用されるキッチンはお庭を眺めたり、ダイニングにいるご家族と会話を楽しめるペニンシュラ型を採用。高さが調整できる大容量の本棚は座ったままでも手を伸ばせるキッチンカウンターに設けました。アイアンで無骨な風合いの吊り棚にはご主人様がコレクションしているお酒が並べられています。
元々のお住まいに使われていた上質な素材と調和するよう、床材は無垢材の挽き板、ワークスペースは銘木無垢カウンターを使用しています。壁材は白いクロスを使用せずお部屋に合わせてセレクト。様々な色味を使用していますが、まとまり感のある新しすぎない落ち着ける空間となりました。
他にも洗濯動線を考えユーティリティスペースから直接出入りできるウッドデッキを新設したり、わんちゃんのためにペットドアや滑りづらい長尺シートを水まわりに選定したりと間取りから素材に至るまで妥協なしでとことんこだわり尽くした住まいが完成しました。
大変にご家族の絆が強いO様。「家族が集う」を大前提に計画を進めさせて頂きました。長期間の住みながら工事で、ご家族の皆様にとってはご負担だったかと思いますが、工事の進捗を楽しみに見守ってくださり、現場スタッフもその思いに応えようと一体感を持って工事を進めることが出来ました。完成後に関係者を呼んで頂き、ご主人様お手製のピザを生まれ変わった空間で頂けたことは素敵な思い出となっております。