2025年「性能義務化」元年を振り返る――価値ある住まいを実現したリノベーション5選

2025年4月の「改正建築物省エネ法」施行により、日本の住まいは「性能」が厳格に問われる時代へと突入しました。阪急阪神不動産のリフォーム・リノベーションでは、この大きな転換期において、単なる設備の刷新に留まらない「資産価値の維持」と「暮らしの質の向上」を両立させた住まいづくりを追求してまいりました。
先日開催された「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025」の授賞式においても、業界全体が「持続可能性(建物の性能向上)」と「個の幸福(住む人の満足度)」をいかに高い次元で両立させるかというテーマに真摯に向き合っていることが示されました。今回は、2025年の潮流を象徴する5つの事例とともに、これからの住まいのあり方を総括します。
眺望を主役に、引き算の設計で叶えたシンプルかつ美しい住まい
リノベーション事例:“extraordinary space”

大阪市にて、タワーマンションの高層階にある100㎡超えの住まいを、“extraordinary space”(非日常な空間)をテーマにリノベーションした事例です。シンプルかつ美しい、無駄のない完成度の高い空間を目指して今回のプロジェクトが動き出しました。
デザイナーのこだわり:大きな窓から見える「空の蒼、鮮やかな夜景」といった眺望の色彩がより美しく映えるよう、あえて装飾を抑える「引き算の設計」を徹底しました。空間全体をグレージュを軸にしたニュアンスカラーでまとめることで、落ち着きのある雰囲気を演出しています。100㎡を超えるゆとりある広さを活かし、贅沢な2LDKの間取りへと再構成。眺望という最大の特徴を日常に取り込み、シンプルながらも質の高さを感じさせる空間を形作りました。
朝が似合うホテルライクな空間。細部までこだわりを宿したヴィンテージマンション・リノベーション
リノベーション事例:“Good Morning”

神戸市東灘区にて、お子様の高校進学を機に、温め続けてこられた住まいへのイメージを形にされたリノベーション事例です。閑静さと利便性を兼ね備えた街のヴィンテージマンションを購入され、「ホテルな朝食・朝が似合う」をテーマにした今回のプロジェクトが始まりました。
デザイナーのこだわり: 「ホテルライク」というテーマに基づき、玄関から広がるカーペットの床や、廊下の飾り棚、見切り材など、細部のディテールまで徹底してこだわりました。 間取り面では、寝室・ウォークスルークローゼット・SIC(シューズインクローゼット)・玄関を繋ぐ「回遊動線」を構築。また、あえて玄関横の洋室を斜めに設計することで、エントランスに「末広がりの奥行き」を持たせ、ホテルのようにゆったりと出迎えられる空間を演出しました。 素材選びでは、オークとアイボリーを基調に、真鍮の取っ手や間接照明、モルタル調の土間を組み合わせることで、単調にならないようバランスを計算。キッチン造作家具の天板には、SDGsの観点からリサイクル衣料ボード「PANECO」を採用するなど、素材と機能性の両立を追求しています。
質感の調和と、家族の気配を感じる開放的なLDK
リノベーション事例:こだわり素材のシームレス住空間

豊中市にて、LDKに隣接する和室の使いづらさを解消し、理想の住まいを形にされたリノベーション事例です。メーカーショールームを回るなど検討を進めていたものの、なかなか具体的なプランが固まらずにいた折、阪急阪神不動産との出会いによって「停滞していた住まいづくり」が解決へと動き出しました。「お子様に目が行き届くLDKにしたい」という切実な想いに寄り添い、眺望の魅力を活かした開放感あふれる住まいを実現しています。
デザイナーのこだわり:壁の仕切りにより使いづらかった和室を撤去し、リビングの一部としてデスクが置けるワークスペースとしました。これにより、お子様の宿題や遊びを見守りながら家事ができる一体的なLDKが完成。キッチンは田中工藝でフルオーダーし、ドイツ製ガゲナウの食洗機や米国デルタ社の水栓など、厳選した設備を導入しました。背面収納まで効率的な収納スペースを入念に設計し、機能美を追求しています。 デザイン面では、空間全体をグレージュを中心としたニュアンスカラーでトータルコーディネート。マンション特有の梁の凹凸を解消するため、下り天井と間接照明を組み合わせた天井設計を提案し、ラインを通すことですっきりとした広がりを生み出しています。
Rのデザインウォールと回遊動線がつなぐ、お気に入りに囲まれた暮らし
リノベーション事例:インテリアが映える北欧リノベーション

尼崎市にて、ご友人のリノベーションをきっかけに、物件探しからお手伝いした事例です。「阪急阪神さんで中古物件探しから相談に乗ってもらった」というご友人の実体験からご縁をいただき、住まいづくりが始まりました。当初は職場近くを検討されていましたが、出張や外出の多いライフスタイルを考慮し、多方面へアクセスの良い物件との出会いがプロジェクトの起点となりました。
デザイナーのこだわり:お気に入りの家具を置くために広げたLDKを中心に、お持ちの家具のテイストに合うよう空間を構成しました。キッチンや洗面化粧台は、使い勝手にも配慮したオーダーメイドで製作。玄関ホールの正面には、空間が上品でやわらかい印象になるよう「Rのデザインウォール」を提案しました。また、在宅ワークを想定した書斎は、デスクと本棚を一体化させ、多くの書籍をまとめて収納できる設計としています。ワイドスパンの形状を活かし、寝室・洗面・浴室が玄関ホールへつながる「回遊型の間取り」をプランニングすることで、日々の利便性を高めています。
多彩なマテリアルと光・風が通り抜ける住まい
リノベーション事例:素材を愉しむ×繋がる空間

神戸市東灘区にて、お子様たちの成長に伴い、それぞれの個室を作りたいという想いから始まったリノベーション事例です。以前、OURHOMEのEmiさんがプロデュースした物件を見学し、気に入ってくださっていたことが縁となり、今回の住まいづくりが始まりました。
デザイナーのこだわり:新たに作ったお子様たちの個室は、風や光が入るように扉は引き違いにして室内窓を設ける工夫をしています。また、お仕事柄多くの書籍を所有されているため、大容量の本棚とワークスペースを計画。本棚はあえて雑多に見せてインテリアの一部としました。 デザイン面では、キッチンのステンレス天板やタイルの壁、コンクリート仕上げの壁面など、マテリアルにこだわってビンテージ感を出しつつ、天然木目の豊かな素材感のある住まいを実現。内窓を全窓に設置することで、エアコン1台で室内全体が涼しくなり、ご近所の小学校のチャイムの音はほとんど聞こえなくなり、断熱・遮音性能が向上しました。
2026年、さらなる理想の住まいづくりへ
2025年、日本の住宅市場は「省エネ基準適合義務化」という大きな転換期を迎え、住まいに求められるハードルは一段と高まりました。大阪・関西万博でも示された「持続可能性」への意識は、日々の暮らしにも浸透し、内窓の設置や断熱改修といった「建物の基本性能」のアップデートは、もはや資産価値を維持するための必須条件となりました。

こうした性能向上へのニーズが鮮明になる一方で、それと同じくらい大切にされたのが、住む人の感性を映し出す「自分らしさ」の表現です。在宅ワークの定着による完全個室の確保や、自然素材・タイルといった質感へのこだわり。物件固有の制約さえもデザインの力で「唯一無二の魅力」へと変え、今のライフスタイルに最適化していく――。そんな「確かな性能」と「個人のアイデンティティ」が融合した住まいこそが、2025年のリノベーションの正解であった、と感じています。
阪急阪神不動産のリフォーム・リノベーションは、2026年も確かな技術力を背景に、時事やトレンドを鋭く捉え、お客様が10年、20年先も「この家を選んで良かった」と愛し続けられる住まいを共につくり上げてまいります。









