9月になりましたね!今年度も折り返し地点にはいりました。
2022年度になって、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の制度が変まりましたね。
以前から本ブログでも『中古リノベのローン控除事情』についてご紹介しておりましたが、新制度になってからの変更点のうち、特に重要な『控除率』と『築年数要件』を中心にご紹介させていただきます。
『中古を買ってリノベーション』をご検討中のみなさまに参考にしていただければ幸いです。
制度変更のきっかけ『逆ざや』とは?
今回の制度改定の目玉は控除率の改定です。
残念ながら、以前は『年末時点のローン借入残高の1%』が控除されたのが『0.7%』に見直されてしまいました。
今年度に家探しを始めた方からすると、実質制度の恩恵が減ってしまう改定なので、『なぜ?』と思われるかもしれませんが、業界内では、以前から控除率が見直されそうな雰囲気はありました汗
その背景として、長らく低金利が続いており、住宅ローンの借入金利が実質1%を下回ることが当たり前になっている実情がありました。
実際の支払い金利より、還付する割合の方が大きくなる、いわゆる『逆ざや問題』ですね。
ただ、相変わらず低金利は続いており、新制度の控除率0.7%より低い金利で借入しているケースは継続中なので、国も制度受益者と一般納税者のバランスと取ったという感じもいたしますね。
中古住宅の要件『みなし新耐震』とは
中古住宅でローン控除を受ける際に、もうひとつ大きな変更がありました。
それは築年数に関する部分です。
旧制度では、下記が築年数に関する要件でした。
・築20年以下の戸建(木造or鉄骨造/非耐火建築物)
・築25年以下のマンション(鉄筋コンクリート造/耐火建築物)
ただ例外的に、上記を超える築年数の中古住宅でも下記のどちらかを満たせばローン控除を利用できるといった、
ある種2段構えの制度要件になっておりました。
【築20年(25年)を超える中古住宅の特例要件 】
A『耐震基準適合証明書』の取得
B『売買瑕疵保険』の加入
このA、Bの要件はどちらかを満たせばよいのですが、両要件とも『新耐震基準でないと実質取得するのが困難』というのが実情でした。
ですので、築古い物件がどんな物件でもクリアできた訳ではなく、実質的に『新耐震基準の中古物件であれば、AorBの要件をクリアして制度利用をできる』というかなりややこしい内容となっておりました汗
この点、新制度ではどうなったかというと、
新耐震が前提というのは同じなのですが、『新耐震かどうか』の判定方法については、よりシンプルな判定方法になりました!
本来、新耐震かどうかは、『いつ建築されかた』ではなく、『いつ建築確認(建築許可)を取得したか』で決まるので、確実に判定するには、役所まで建築確認書類の調査に行ったり、時間と労力がかかっておりました。
その点、新制度の要件基準はシンプルに『昭和57年1月1日以降に建築された住宅かどうか』です。
これは登記簿をみれば誰でも一目瞭然なので、購入前に簡単に判別することができますね!
つまり、実際に新耐震かどうかを調べる必要はなく、築建築年ベースで新耐震とみなしてくれる『みなし新耐震』制度が導入された格好になりますね。
下記に比較表(マンションの場合)を付けてつけておきますので参考にしてみてください。
旧耐震なのに制度上、新耐震とみなされる場合
旧制度ではローン控除の対象にならなかった旧耐震物件ですが、『みなし新耐震制度』の導入により、一部旧耐震でも制度利用ができる可能性が出てきました。
具体的には、登記簿上の建築年月日が、昭和57年(1982年)1月1日以降の旧耐震物件(建築確認の取得は昭和56年6月1日以前)です。
中古リノベで家探ししていると、結構これに該当する物件に出くわします。
今まではあきらめていたローン控除も、新制度では利用できる可能性がありますね。
(※新制度での申告は、2023年2月の確定申告からなので実際のケースはまだ未確認)
まとめ
・控除率は縮小で見直されたが、実情はまだ逆ざやが続いておりまだまだ十分恩恵はありそう。
・築年数に関する判定がしやすくなり、一般の方でも中古住宅のローン控除の可否を判断しやすくなった。
・みなし新耐震制度の導入で、実際は旧耐震だが制度利用できる可能性がある。
(※新制度での申告は、2023年2月の確定申告からなので実際のケースはまだ未確認)
リノベーション工事に関するローン控除については、下記の過去記事をご紹介いたします。
ご興味あればこちらも是非ご覧ください!
★過去記事紹介
『実際どうなの!?中古リノベの住宅ローン控除 』