資産価値と暮らしを両立する「タワーマンションリノベーション」

都心の利便性と圧倒的な眺望を享受できるタワーマンション。資産価値の高さからも注目を集める住形態ですが、最近では中古タワーマンションを購入してリノベーションを行うケースや、ライフステージの変化に合わせて所有するタワーマンションのお住まいをフルリフォームしたいというご相談を非常に多くいただくようになりました。
しかし、タワーマンションには一般的なマンションとは異なる独自の構造や管理規約といった、リノベーションにあたっての「制約」が多く存在します。「この素晴らしい眺望や特別感を、室内の内装や空間デザインにまでこだわってもっと素敵にしたい」「素敵なお部屋をさらに使いやすいようにしたい」と思っても、いざプランニングする段階になって不安になる方や、壁にぶつかった方も多いのではないでしょうか。
今回は、私たちが現場で培ってきた、タワーマンション特有の制約を「魅力」へと鮮やかに変える設計の工夫についてお話ししたいと思います。
タワーマンションリノベーションならではの「悩み」と「可能性」

タワーマンションのリノベーションを検討される際、多くの方が直面するのが構造上の制限です。
「部屋の真ん中に太い柱があって、リビングを広く使えない」
「天井に大きな梁が通っていて、圧迫感がある」
「管理規約が厳しく、工事の自由度が低そう」
これらは一見デメリットのように思えますが、実はタワーマンションならではの「強固な構造」や「資産価値」の裏返しでもあります。制約をどう隠すかではなく、どう活かすかを考えることで、一般的なマンションにはない個性的な空間を作る「可能性」が広がります。
タワーマンションの制約をデザインに昇華
タワーマンションには、構造上どうしても動かせない「柱」や「配管(PS)」が存在します。これらを無理に隠そうとすると、かえって不自然な段差ができたり、部屋が狭くなったりすることがあります。
そこで私たちは、「動かせない構造体を、空間を緩やかに分かつ『ゾーニングの基点』として再定義する」というアプローチをとります。

例えば、リビングの真ん中に残る柱。これを単なる障害物と見なすのではなく、柱のラインに沿って床の素材を切り替えたり、柱と連動した造作家具を配置したりすることで、壁を立てずに「くつろぐ場」と「作業する場」を分ける基点へと転換させます。
また、天井の大きな梁にはあえてアクセントとなる素材を施し、間接照明を組み込むことで、空間の「奥行きを強調する意匠」へと昇華させます。構造上の制約を逆手に取り、平面図以上の立体感と広がりを生み出すのが、タワーマンションにおける設計の醍醐味です。
タワーマンションの「静寂」と「開放感」を最大化する照明・素材術

高層階の暮らしで最も大切な要素の一つが、窓の外に広がる眺望との調和です。
室内が明るすぎると、夜間に窓ガラスに光が反射してしまい、せっかくの夜景が見えにくくなってしまいます。そのため、天井のメイン照明は控えめにし、低い位置にスタンドライトや間接照明を配置する「低重心の照明計画」がおすすめです。
また、素材選びにおいても、都会的な景色と相性の良いタイルや石目調の素材と、肌に触れる部分に使う木の質感をバランスよく組み合わせます。タワーマンション特有の開放感を活かしつつ、心からリラックスできる「家としての温もり」をどう共存させるかが、設計の腕の見せ所です。
【事例紹介】構造の制約を逆手に取った、福島区のリノベーション事例

実際に私たちが担当した、大阪市福島区の事例をご紹介します。 こちらの物件は築15年ほどのタワーマンションですが、強固な構造を支えるために、住戸のほぼ真ん中に大きな柱が位置していました。一見すると、LDKの開放感を損なうデメリットのように感じられますが、私たちはこの柱を「空間の主軸」として設計に取り込みました。
(※写真でインターフォンを設置しているあたりがちょうど柱の位置です)
具体的には、柱のタイルの質感と調和するように、マットで重厚感のあるアイランドキッチンを隣接させて配置。柱そのものをLDKのデザインの一部として構成することで、柱は「空間を遮るもの」から、リビングとキッチンを緩やかに分かつ「意匠的なゾーニングの象徴」へと役割を変えました。
柱の存在を起点にレイアウトを組み立てることで、回遊性の高いスムーズな生活動線も実現しています。構造上の制約を逆手に取ることで、一般的なマンションでは得られない、タワーマンションならではの独創的な空間へと昇華させたリノベーション事例です。
将来の売却も視野に。資産価値を落とさないリノベの鉄則

リノベーションにおいて、自分の好みを反映させることは大切ですが、タワーマンションは「資産」としての側面も非常に重要です。将来的に売却や賃貸を検討される際、価値を落とさないためのポイントがいくつかあります。
【見えない部分(インフラ)の更新】
給排水管や電気設備など、基礎部分を最新の状態にアップデートしておくことは、将来の買い手にとって大きな安心材料になります。
【工事品質と近隣への配慮】
タワーマンションの工事は、搬入経路や工事車両の確保、騒音対策など、非常に繊細な管理が求められます。管理規約を遵守した確かな施工が、物件自体の評価を守ることにもつながります。
【パートナー選びの重要性】
万が一の際にも保証がしっかり受けられるよう、信頼できる施工会社を選ぶことが、結果としてお客様の大切な資産を守ることにつながります。
私たち阪急阪神不動産も、マンションの開発から管理、仲介まで住まいをトータルに見つめてきたグループの知見を活かし、長く住み継げるリノベーションをお手伝いしています。

タワーマンションのリノベーションは、建物のルールや構造を深く理解した上で、いかにそのお部屋だけの「特別感」を引き出せるかという、とてもクリエイティブな住まいづくりです。 制約を一つひとつアイデアへと変えながら、窓の外の美しい景色にふさわしい空間を形にしていくプロセスは、お客様と一緒に「新しい住まいの価値」を見つけていく、私たちにとっても最高に楽しい時間です。
「この眺望をもっと贅沢に楽しみたい」「より愛着の持てる上質な住空間にしたい」 そんな前向きなこだわりを、ぜひ私たちに聞かせてください。









