ぐるり街めぐり〈大阪・野田編〉
韓国料理 ハンサン
いろんな種類を少しずつ...、ゆっくりと味わう贅沢
迷路のように入り組んだ、福島の路地裏。住宅と個人店が混在する一角に佇むのは、大正時代の古民家を改装した『韓国料理 ハンサン』です。腕を振るうのはオーナーシェフの賓充利(ピン・チュンリ)さん。韓国出身の祖母と母がつくる家庭料理に親しみながら育ちました。この店では、祖母から受け継がれた家庭の味を原点に、阪神間の名店で20年にわたり培った経験を重ねた、やさしく滋味深い韓国料理を提供しています。店名の「ハンサン」は、韓国語で「たくさんのおかずが並んだ食卓」という意味。メニューは『おまかせ』コース11,000円のみ。まずは9皿の小鉢の前菜(上写真の小鉢)から始まり、色とりどりの料理が卓上を彩る様子は、現地さながらのにぎやかな食卓を思わせます。

『おまかせ』コースのみとした理由について、「単品であれば2~3品頼むとそれだけでお腹がいっぱいになってしまうので、いろいろな料理を少しずつ楽しんでいただきたいと考えました」と賓さん。9皿の小鉢前菜に加え、肉や魚料理、揚げ物、スープ、麺類、デザートなど約10品で構成するコースは、季節や仕入れによって内容が変わり、その組み立てには味の濃淡から温度の変化まで、細やかな気配りが行き届いています。とある日は、野菜を中心としたやさしい味わいから始まり、カルビチムやチゲといった力強い味わいへ。冬は冷えた身体を温めるハマグリのマッコリ蒸しから始まることもあれば、夏には涼を感じる料理の合間に身体を冷やしすぎないように温かな一皿を挟むことも。約2時間かけて、韓国料理の多彩な魅力をゆっくりと堪能できます。

"お客様ファースト"のおもてなしに、また訪れたくなる
来店2回目以降は、あらかじめ2~3日前に予約をすればリクエストもOK。希望のメニューを盛り込みながら、コース全体のバランスを整えていくそうです。「お客様が召し上がりたいものをお出しするのが料理人。その方が一番ご満足いただけるものを提供したいんです」と賓さん。さりげなくお客様の入店時の表情を見たり会話を交わしながら、食事の目的、好みなどを汲み取っていきます。食べるペースに合わせて料理を出すタイミングを調整するほか、具材を切る際もお客様ごとに大きさを配慮したり、豆腐チゲの辛さや味噌の加減を変えることもあるのだそう。

賓さんが目指したのは、レストランというよりも、自宅に客人を招くような温かなおもてなしができる店。古民家をリノベーションした店内は、どこか懐かしさが漂い、肩の力を抜いて過ごせます。中でもカウンター席は、賓さんとの会話を楽しみに訪れる人も多い特等席。目の前で料理が仕上がっていく様子を眺めながら、その日のおすすめや食材の話に耳を傾ける時間もいいものです。おいしい料理に加え、訪れる人を大切な客人として迎え入れてくれるおもてなしの数々に、つい時間を忘れて長居してしまいます。

【この街が好き/STAFF VOICE】

子どもの頃の楽しい記憶と重なる街並みに惹かれました
JR福島駅前の賑わいから少し離れたこのエリアは、静かで、昔ながらの街並みが残っています。この街を歩いていた時、子どもの頃の記憶がよみがえってきたんです。祖父母の家が鶴橋のコリアタウンの近くにあったのですが、家の前で子どもたちがキャッチボールをしたり、ワンちゃんがのんびり散歩していたり。お盆や正月には親戚が集まり、わいわい食事をするのが楽しみでした。その頃ののどかな風景や空気感にどこか似ている感じがして、この場所でお店をしたいと思ったんです。
オーナーシェフ 賓充利さん

●韓国料理 ハンサン
営業時間/17:00~23:00
定休日/不定休
電話/050-8888-4648
大阪市福島区福島2-7-6
https://www.instagram.com/korean_kitchen_hansang/
◇記載しています営業データ・商品・価格等は2026年8月3日時点の情報です。
◇時期によってはメニュー内容や商品・価格が変更になっている場合があります。
◇表示価格はすべて税込です。



