不動産の売却を検討し始めたとき、最初に気になるのが「自分の不動産はいくらで売れるのか」という点ではないでしょうか。不動産の査定には「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定(実査定)」の2種類があり、価格を算出する方式も「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3つに分かれます。
なお、不動産会社が提示する「価格査定書(意見書)」はあくまで市場での売却予想価格を示すものであり、不動産鑑定士が独占業務として作成する公的な「鑑定評価書」や「調査報告書(簡易鑑定)」とは性質が異なります。
こうした前提や査定ごとの違いを正しく理解しておくと、結果の見方や不動産会社への相談がスムーズになります。
この記事では、不動産の査定方法の種類から算出方式の仕組み、査定価格・売り出し価格・成約価格の違い、そして査定を受ける前に押さえておきたいポイントまで、順を追って解説します。
不動産査定の方法は大きく分けて2種類

不動産会社が行う査定の方法は、「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定(実査定)」の2種類に大別されます。いずれも不動産会社が無料で行うサービスであり、売却を検討する段階に応じて使い分けるのが一般的です。
なお、宅地建物取引業法(宅建業法)第34条の2第2項では、宅地建物取引業者が価格について意見を述べるときはその根拠を明らかにしなければならないと定められています。査定価格を受け取った際は、その算出根拠の説明を求めることができます。
本章では、以下の内容を解説します。
- 簡易査定(机上査定)
- 訪問査定(実査定)
簡易査定(机上査定)
簡易査定(机上査定)は、物件の所在地・面積・築年数等のデータと周辺の取引事例をもとに、現地を調査訪問せずに査定価格を算出する方法です。不動産会社が無料で行い、結果は翌日から3日程度で得られるのが一般的とされています。
簡易査定で参照されるデータは、物件の所在地や面積、築年数のほか、路線価や公示価格、周辺物件の過去の取引事例等が中心となります。不動産会社に訪問して直接依頼する場合は最短1時間程度で結果が出ることもあるでしょう。
一方、現地を調査訪問しないため、眺望・日当たり・内装の状態・隣地との距離等、物件固有の条件は考慮されません。「まだ売却するか決めていないが、おおよその金額を知りたい」という段階に適した方法です。
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査定だけを依頼することに不安を感じる方は、以下の記事を参考にしてください。 >> 不動産査定だけしたい!強引な営業なしで相場を知る方法を紹介 |
訪問査定(実査定)
訪問査定(実査定)は、不動産会社の担当者が実際に物件を訪問し、室内の状態や周辺環境等を目視で確認したうえで査定価格を算出する方法です。簡易査定よりも精度の高い結果を得ることができ、売却を具体的に検討する段階で依頼するのが一般的とされています。
現地調査で確認される主な項目は以下のとおりです。
- 周辺環境・前面道路の状況:交通量や接道状況、周辺施設等の確認
- 室内の保守状態・外壁の劣化具合:建物の経年劣化や修繕の必要性の判断
- リフォーム履歴:過去の改修内容や時期の確認
- 眺望・日当たり:階数や方角による住環境の評価
- 個別条件:引き渡し時期の指定等買主の購入判断に影響する内容を確認
現地調査は30分から1時間程度で、役所や法務局に訪問して行う法規制・インフラ状況の調査も含めると、査定結果が出るまでに1週間程度かかることが一般的です。
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不動産査定で用いられる3つの算出方式

不動産の価格を算出する方式は、国土交通省が定める不動産鑑定評価基準において「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3つに大別されています。
取引事例比較法
取引事例比較法は、対象物件と似た条件の物件が過去にいくらで売買されたかを調べ、立地や築年数等の違いを補正して価格(比準価格)を算出する手法です。不動産鑑定評価基準では「市場性」に着目した手法に位置づけられ、マンションや土地の査定で多く用いられています。
具体的な手順としては、まず近隣地域や同一需給圏内の類似地域から取引事例を収集し、次に以下の4つの補正・比較を行います。
- 事情補正:売り急ぎや買い進み等の特殊事情を排除する
- 時点修正:取引時点から現在までの市場変動を補正する
- 地域要因の比較:最寄り駅までの距離や周辺施設等の地域差を調整する
- 個別的要因の比較:面積・形状・方角・築年数・高低差等の物件固有の差を調整する
補正・比較を経て算出された価格が「比準価格」です。同じマンション内や近隣エリアで取引事例が豊富に存在する場合に精度を発揮しやすい手法と考えられます。
原価法
原価法は、対象の建物を「今、同じものを新たに建てたらいくらかかるか」(再調達原価)を求め、そこから築年数等に応じた劣化分(減価修正)を差し引いて価格(積算価格)を算出する手法です。不動産鑑定評価基準では「どのくらい建築コスト(費用)がかかるか」という観点に着目した手法に位置づけられ、一戸建ての建物部分の査定で多く用いられています。
計算式は以下のとおりです。
積算価格 = 再調達原価 − 減価修正額
再調達原価とは、評価対象の建物を現時点で新たに建築した場合にかかる費用の総額のことで、延床面積と1㎡あたりの建築単価を掛け合わせて算出するのが基本です。建築単価は国土交通省の建築着工統計等を参考に設定されます。
減価修正で考慮される要因は以下の3つです。
- 物理的要因:建物の経年劣化による価値の低下
- 機能的要因:設備の旧式化による価値の低下
- 経済的要因:周辺環境の変化による価値の低下
たとえば、大規模修繕を実施済みであれば物理的要因の減価が抑えられ、積算価格が上昇する場合もあります。
参考:国土交通省「建築動態統計調査」
収益還元法
収益還元法は、対象不動産が将来生み出すと見込まれる家賃収入等の収益に着目し、その収益力から不動産の価格(収益価格)を逆算する手法です。不動産鑑定評価基準では「収益性」に着目した手法に位置づけられ、賃貸マンション・オフィスビル等の投資用物件の査定で多く用いられています。
収益還元法には「直接還元法」と「DCF法」の2種類があります。
直接還元法
1年間の純収益を還元利回り(不動産の収益力を価格に換算するための割合)で割って不動産価格を算出する方法です。
計算式は「不動産価格 = 1年間の純収益 ÷ 還元利回り」となり、還元利回りが低いほど不動産価格は高く評価されます。安定した収益を生み出している物件に適した簡便な手法です。
DCF法(Discounted Cash Flow法)
保有期間中に得られる家賃収入等の純収益と、期間満了後の売却予想価格を、それぞれ現在の価値に割り戻して合算する方法です。将来の収支変動を反映することができるため、直接還元法よりも精密な手法とされています。
賃料が段階的に変動するケースや修繕費が大きく変動するケース等で有効に機能します。
参考:国土交通省「不動産鑑定評価基準」
【物件タイプ別】不動産査定に使われる算出方式の違い

物件のタイプによって、査定で主に用いられる算出方式は異なります。マンション・一戸建て・土地のそれぞれで、どの手法がどのように使われるのかを確認しておきましょう。
マンションの場合
マンション(区分所有建物)の査定では、取引事例比較法が主に用いられます。マンションは同じ建物内に複数の住戸が存在し、近隣の類似マンションを含めると取引事例が集まりやすいためです。
比較の際は、築年数・専有面積・階数・方角・管理状態等が主な評価項目となります。同一マンション内の別の住戸が直近に売買されていれば、有力な参考データになります。管理費・修繕積立金等の負担額や修繕計画の内容も、マンション固有の比較要素として加味される場合があります。
一戸建ての場合
一戸建ての査定では、土地部分に取引事例比較法、建物部分に原価法を組み合わせるのが一般的です。土地と建物を別々に評価するのは、それぞれ価格の形成メカニズムが異なるためです。
土地部分は近隣の取引事例をもとに取引事例比較法で評価し、建物部分は再調達原価から築年数に応じた減価修正を行う原価法で評価します。中古の一戸建ては一件ごとに土地の広さ・形状・建物の仕様が異なるため、マンションに比べると個別性が強く、査定の難度が高くなる傾向にあります。
土地の場合
土地(更地)の査定では、取引事例比較法が基本的に用いられます。建物が存在しないため原価法の適用は原則として困難であり、近隣の取引事例を収集して事情補正・時点修正・地域要因・個別的要因の比較を行い、比準価格を求める流れが中心です。
公示地価(毎年1月1日時点)や都道府県地価調査(毎年7月1日時点)、路線価等の公的指標も参考値として活用されます。整形地か不整形地か、接道状況はどうか等、土地固有の個別的要因が価格に影響を与える点も押さえておくとよいでしょう。
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公示地価・路線価等の公的な土地価格の仕組みを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 >> 土地の価格はどう決まる?4つの価格の違いをわかりやすく解説! |
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アパートやテナントビルといった「収益物件」の査定においては、将来生み出される利益をベースにした独自の専門的な算出方式(収益還元法など)が用いられるため、より高度なノウハウが求められます。『阪急阪神の仲介』では、居住用のマンション・一戸建て・土地はもちろん、専門知識が必要な収益物件まで、幅広い物件タイプに対応した無料査定を実施しています。ご所有の不動産に最適な手法を用いて正確な査定を行い、売却から引き渡しまでワンストップでサポートする体制を整えておりますので、査定をご検討中の方はお気軽にご相談ください。 |
不動産査定と不動産鑑定の違い

不動産査定は不動産会社が無料で行う営業サービスであるのに対し、不動産鑑定は「不動産の鑑定評価に関する法律」(昭和38年法律第152号)に基づいて国家資格者である不動産鑑定士が行う有料の評価です。両者は名前が似ているものの、法的な位置づけや効力がまったく異なります。
以下の表は、不動産査定と不動産鑑定の比較をまとめたものです。
| 項目 | 不動産査定 | 不動産鑑定 |
| 実施者 | 不動産会社 | 不動産鑑定士 |
| 費用 | 無料 | 20万円〜50万円程度(2026年5月時点) |
| 法的効力 | なし | あり(裁判・税務申告等で有効) |
| 根拠法令 | 宅建業法第34条の2第2項 | 不動産の鑑定評価に関する法律 |
| 主な用途 | 売却活動価格の検討 | 相続・離婚・裁判・法人間取引等 |
※価格は時期・地域・物件条件により変動します。
不動産鑑定は、同法第36条により不動産鑑定士の独占業務と定められており、鑑定結果は「不動産鑑定評価書」として交付されます。この評価書は裁判や税務申告等で法的効力を持つ点が、不動産会社の査定との最も大きな違いです。
不動産鑑定が必要となる主な場面は以下のとおりです。
- 相続・贈与の税額算定:正確な不動産評価額に基づく税額の計算
- 離婚時の財産分与:共有財産としての不動産価値の客観的な確定
不動産に関わる訴訟:法的証拠としての評価書の提出 - 法人間取引・M&A:適正な取引価格の算定根拠の確保
- 融資の担保評価:金融機関等への担保価値の証明
一般的な売却を目的とするのであれば、不動産会社が行う無料の査定で足りるケースがほとんどでしょう。「法的効力のある評価書が必要かどうか」が、査定と鑑定のどちらを選ぶべきかの判断基準となります。
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不動産鑑定の費用相場や無料査定との使い分けについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。 >> 不動産鑑定に必要な費用はいくら?不動産無料査定との違いも解説 |
不動産査定の方法に関する3つの価格の違い

不動産の売却過程では「査定価格」「売り出し価格」「成約価格」の3つの価格が登場し、それぞれ意味や決定者が異なります。3つの違いを理解しておくと、資金計画を立てる際に混乱を避けることができるでしょう。
査定価格
査定価格とは、不動産会社がインターネット等通常の営業活動を行い、概ね3ヶ月程度で売れるであろう価格の目安です。あくまで「これくらいの金額で売れるだろう」という予想であり、成約を約束するものではありません。
査定価格は、物件の立地・面積・築年数・高低差等のデータや、周辺の取引事例、市場動向等をもとに不動産会社が算出します。査定価格は算出に用いる取引事例や補正方法によって結果が変わることもあるため、算出の根拠を確認しておくことが大切です。
売り出し価格
売り出し価格とは、売主が不動産を市場に出す際に設定する販売価格です。不動産の広告に掲載される金額であり、査定価格を参考にしつつ、売主の希望額や住宅ローン残債等の事情を考慮して決定されます。
査定価格と売り出し価格は必ずしも一致しません。「少し高めに設定して交渉の余地を持たせたい」と考える売主もいれば、早期売却を優先して査定価格どおりに設定する売主もいます。ただし、相場から大きく離れた売り出し価格は買い手がつきにくくなるため、査定価格とのバランスが求められます。
成約価格
成約価格とは、売買が最終的に成立した実際の取引価格です。売買契約書に記載される金額であり、買主との価格交渉の結果として、売り出し価格から値引きが行われて成約に至ることも少なくないでしょう。
査定価格を成約価格とした計画を立ててしまうと、実際の成約時に想定を下回り資金計画に支障が出るおそれがあります。査定価格と成約価格には乖離が生じることを前提に、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。
不動産査定を受ける前に知っておくべきポイント

不動産の査定を受ける前にいくつかの準備をしておくと、査定の精度が高まり、結果の判断もスムーズになります。ここでは、査定前に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
査定に必要な書類を事前に揃える
査定の精度を高めるためには、物件に関する書類をできる範囲で事前に揃えておくことが望ましいです。
机上査定で参考になる主な書類は以下のとおりです。
- 登記事項証明書(登記簿謄本):物件の権利関係や面積等の基本情報
- 測量図・公図:土地の形状や境界の確認資料
- 建物の図面:間取りや構造の確認資料
訪問査定の段階では、上記に加えて以下の書類が必要になるケースが一般的です。
- 登記識別情報(登記済権利証):所有権の証明
- 固定資産税・都市計画税納税通知書等:税額や評価額の確認
- 身分証明書等:本人確認のための書類
マンションの場合は管理規約や管理費・修繕積立金等の金額がわかる書類も追加で求められることがあります。
リフォーム履歴がわかる書類があれば査定のプラス材料になる場合もあるでしょう。すべての書類が揃っていなくても査定自体は依頼できるため、まずは手元にある書類から準備を進めてみてください。
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売却に必要な書類の全体像を把握しておきたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。 >> 不動産売却の必要書類一覧|タイミング別・物件別チェックリスト付き |
自分でも相場を調べておく
査定を依頼する前に、自分でも周辺の相場を調べておくと、査定額の妥当性を判断する材料になります。無料で利用することができる公的な情報サイトが複数公開されているため、活用を検討してみてください。
国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」では、不動産取引価格情報・地価公示・都道府県地価調査を無料で閲覧することができます。会員登録も不要です。
レインズマーケットインフォメーションは、国土交通大臣が指定する不動産流通機構が一般消費者向けに公開している不動産取引情報の検索サイトです。実際の成約価格(個人が特定されない形に加工)を地域・間取り・築年数等の条件で絞り込んで調べることができます。
査定額の根拠を確認する
査定額を提示された際は、その算出根拠を不動産会社に確認しましょう。宅地建物取引業法(宅建業法)第34条の2第2項では、宅地建物取引業者が価額について意見を述べるときはその根拠を明らかにしなければならないと規定されています。
根拠としては、公益財団法人不動産流通推進センターが提供する価格査定マニュアルや、近隣の取引事例等が用いられるのが一般的です。「どの事例を参考にしたのか」「補正はどのように行ったのか」を確認することで、査定額の妥当性を自分自身で判断しやすくなるでしょう。
査定額を見て「本当にこの価格で売れるのか」と不安になるのは自然な反応です。遠慮せず、算出過程を丁寧に説明してもらうことをおすすめします。
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査定書の具体的な読み解き方やチェックポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。 >> 不動産査定書の見方を徹底解説!チェックすべき5つのポイントとは? |
査定額が高いほど有利とは限らない
査定額が高ければ有利というわけではなく、相場から大きく乖離した売り出し価格を設定すると売却活動が長期化するリスクがあります。
相場よりも高い売り出し価格では買い手がつきにくく、値下げを繰り返すことで「売れ残り物件」という印象を与えてしまうおそれがあります。最終的に相場を下回る成約価格となることもあるため、注意が必要です。概ね3か月以内に成約できる価格設定を意識することが、スムーズな売却活動のひとつの目安です。
査定額の根拠を確認し、周辺の相場とも照らし合わせたうえで、現実的な売り出し価格を設定することが売却成功への第一歩となります。
不動産の査定やご売却をお考えなら『阪急阪神の仲介』

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不動産の査定方法に関するよくある質問

不動産の査定方法について、よく寄せられるご質問をまとめました。記事で解説した内容の要点を、Q&A形式で確認することができます。
不動産査定の方法は何種類ありますか?
不動産会社が行う査定の方法は、簡易査定(机上査定)と訪問査定(実査定)の2種類です。価格を算出する方式としては、取引事例比較法・原価法・収益還元法の3つがあり、物件タイプや査定の目的に応じて使い分けられています。
簡易査定と訪問査定のどちらを先に受けるべきですか?
一般的には、まず簡易査定(机上査定)で大まかな相場感をつかみ、その後に訪問査定を依頼する流れがスムーズです。簡易査定は翌日から3日程度で結果が出るため、初期段階の情報収集に適しています。
すでに売却の意思が固まっている場合は、訪問査定から始める方法もあるでしょう。
取引事例比較法はどのような物件に使われますか?
取引事例比較法は、マンション(区分所有建物)や土地(更地)の査定で多く用いられます。同じマンション内や近隣エリアの取引事例が豊富に存在する場合に、精度を発揮しやすい手法です。
原価法はどのような物件に使われますか?
原価法は、一戸建ての建物部分の査定で多く用いられます。建物を新たに建てた場合の費用(再調達原価)から、築年数に応じた劣化分(減価修正)を差し引いて積算価格を算出する手法です。一戸建ての査定では、土地部分に取引事例比較法を併用するのが一般的とされています。
収益還元法の直接還元法とDCF法は何が違いますか?
直接還元法は1年間の純収益を還元利回りで割って算出する簡便な方法で、DCF法は複数期間の収益と売却予想価格を現在価値に割り戻して合算するより精密な方法です。直接還元法は安定収益前提の物件に適し、DCF法は賃料変動や修繕費の変動が見込まれる物件で有効に機能します。
不動産査定にかかる費用はいくらですか?
不動産会社が行う査定(簡易査定・訪問査定ともに)は基本的に無料です。一方、不動産鑑定士による不動産鑑定は有料で、一般住宅の場合20万円から50万円程度が相場とされています(2026年6月時点)。売却目的であれば、不動産会社の無料査定で足りるケースがほとんどでしょう。
※価格は時期・地域・物件条件により変動します。
不動産鑑定が必要になるのはどのような場面ですか?
不動産鑑定が必要となるのは、第三者や公的機関に不動産の正しい価値を提示する必要がある場面です。具体的には、相続・贈与の税額算定、離婚時の財産分与、不動産に関わる訴訟、法人間取引・M&A、融資の担保評価等が挙げられます。
査定価格と成約価格に差が出ることはありますか?
査定価格と成約価格に差が出ることは一般的です。査定価格はインターネット等通常の営業活動を行い概ね3か月程度で売れるであろう価格の目安であり、成約を約束するものではありません。査定価格を成約価格とした計画を立てるのではなく、乖離の可能性を考慮した余裕のある資金計画を立てることが大切です。
査定前に掃除やリフォームは必要ですか?
訪問査定前の大規模な掃除やリフォームは基本的に不要です。不動産会社の担当者は物件の構造や状態を確認するのが目的であり、日常的な整理整頓がされていれば問題ないでしょう。リフォーム費用をかけても、その分が査定額にすべて上乗せされるとは限りません。
査定額に納得できないときはどうすればよいですか?
査定額に納得できない場合は、まず査定価格の算出根拠について不動産会社に説明を求めましょう。宅地建物取引業法(宅建業法)第34条の2第2項では、宅地建物取引業者が価額について意見を述べるときはその根拠を明らかにしなければならないと定められています。
自分でも不動産情報ライブラリやレインズマーケットインフォメーション等で相場を調べておくと、判断材料が増えるでしょう。
AI査定やシミュレーション査定の精度はどの程度ですか?
AI査定は過去の売出しデータをAIが分析して価格を算出する手法で、都市部のマンションでは精度が向上している一方、一戸建てや地方の物件では精度が下がる傾向にあります。
物件固有の個別条件(内装の状態・リフォーム履歴・日当たり等)はAIの分析に反映されにくいため、参考情報として活用し、訪問査定と併用するのが望ましいでしょう。
価格査定マニュアルとは何ですか?
価格査定マニュアルは、公益財団法人不動産流通推進センターが提供する査定用のシステムです。戸建住宅・住宅地・マンションの査定に使用される実践的なツールで、物件情報を入力すると査定額が算出されます。
宅地建物取引業法(宅建業法)で求められる「価格意見の根拠」を合理的に示す手法として開発されました。年間利用料は3,630円(税込)、継続利用料は2,530円(税込)です(2026年5月時点)。
参考:公益財団法人不動産流通推進センター「価格査定マニュアル」
まとめ
不動産の査定方法は簡易査定(机上査定)と訪問査定(実査定)の2種類があり、価格を算出する方式も取引事例比較法・原価法・収益還元法の3つに分かれています。マンションには取引事例比較法、一戸建ての建物部分には原価法、投資用物件には収益還元法と、物件タイプに応じた使い分けがされているのが現状です。
査定価格はあくまで「概ね3か月程度で売れるであろう価格の目安」であり、売り出し価格や成約価格とは異なる点も押さえておきましょう。査定を受ける前に自分で相場を調べ、算出根拠の説明を求めることで、より納得のいく売却判断につなげることができます。
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『阪急阪神の仲介』では、100年以上にわたるまちづくりの実績と地域密着の情報ネットワークを活かし、査定から引き渡しまでワンストップでサポートしています。不動産の査定やご売却をご検討中の方は、まずは無料査定でお気軽にご相談ください。 |




