マンションの売却を検討する際、税金がいくらかかるのかは多くの方が気になるポイントです。結論からいえば、売却で利益(譲渡所得)が出なければ譲渡所得税は課されません。利益が出た場合でも、居住用財産の3,000万円特別控除を活用することができれば、譲渡所得税をゼロに抑えられるケースもあるのが実情です。ただし、売買契約時の印紙税や、抵当権抹消などに伴う登録免許税といった税金は別途かかりますのでご注意ください。
本記事では、マンションの売却で発生する税金の種類や計算方法、活用することができる控除・特例、確定申告の手続きまでを体系的に解説します。具体的なシミュレーションも交えながら、税金の全体像を把握していただける内容となっています。
※本記事は2026年6月時点の税制に基づいて記載しています。税制は毎年改正される可能性がありますので、最新の情報は税理士・税務署等に必ずご確認ください。
マンション売却の税金はいくらかかるのか

マンションの売却にかかる税金は、売却益の有無によって大きく変わります。利益が出なければ譲渡所得税は発生せず、3,000万円特別控除を使うことができれば税負担がゼロになるケースもあります。
利益が出なければ譲渡所得税は発生しない
マンションの売却で譲渡所得(売却益)が出なければ、譲渡所得税は発生しません。譲渡所得とは、不動産等の資産を売却したときに得られる利益のことで、売却価額から購入にかかった費用(取得費)と売却にかかった費用(譲渡費)を差し引いて計算します。この金額がプラスであれば税金が発生し、マイナスであれば課税されません。
譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費)− 特別控除額
取得費とは、不動産を購入したときにかかった費用の合計のことです。購入代金のほか、購入時の仲介手数料、登録免許税、不動産取得税、印紙税等も含まれます。建物については経年による価値の減少分(減価償却費)を差し引いて計算しなければなりません。
譲渡費とは、不動産を売るために直接かかった費用のことです。売却時の仲介手数料や売買契約書の印紙代、立退料、建物の取壊し費用等が該当します。固定資産税等や修繕費等の維持管理にかかった費用は譲渡費に含めることはできません。
譲渡所得がプラスになった場合の税率は、所有期間によって異なります。
| 区分 | 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
参考:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」
参考:国税庁「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」
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不動産の売却で税金がかかる仕組みや税負担を軽減する方法については、以下の記事もあわせて参考にしてください。 >> 不動産売却のメリット10選|税負担の軽減から現金化まで初心者向けに解説 |
3,000万円特別控除で税額がゼロになるケース
居住用財産であれば、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除することができる特例があります。マイホームとして住んでいたマンションの売却益が3,000万円以下の場合、同特例を適用することができれば税額がゼロになります。
3,000万円特別控除を適用するには確定申告が必要です。控除を適用した結果、税額がゼロになる場合であっても、確定申告をしなければ特例は受けられません。「税額がゼロだから申告は不要」と考えてしまいがちですが、申告しないと控除が適用されない点に注意してください。
参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
売却価格2,000万円・4,000万円の税額シミュレーション
RC造(鉄筋コンクリート造)のマンションを前提に、売却価格2,000万円と4,000万円の2パターンで税額を試算します。シミュレーションの共通条件は以下のとおりです。
- 購入価格:3,000万円(うち建物価格2,000万円・土地価格1,000万円)
- 所有期間:15年(長期譲渡所得に該当)
- 譲渡費:売却価格の4%と仮定
- RC造の償却率:0.015
- 減価償却費 = 建物購入価額 × 0.9 × 0.015 × 経過年数
- = 2,000万円 × 0.9 × 0.015 × 15年 = 405万円
- 取得費 = 購入価格 − 減価償却費 = 3,000万円 − 405万円 = 2,595万円
| 項目 | 売却価格2,000万円 | 売却価格4,000万円 |
| 譲渡価額 | 2,000万円 | 4,000万円 |
| 取得費 | 2,595万円 | 2,595万円 |
| 譲渡費 | 80万円 | 160万円 |
| 譲渡所得(控除前) | −675万円 | 1,245万円 |
| 3,000万円特別控除適用後 | -- | 0円以下 |
| 税額(控除なし) | 0円(譲渡損失) | 約253万円 |
| 税額(控除適用後) | -- | 0円 |
売却価格2,000万円のケースでは譲渡所得がマイナスとなるため、そもそも譲渡所得税は発生しません。一方、売却価格4,000万円のケースでは譲渡所得が約1,245万円となり、控除を適用しない場合は長期譲渡所得の税率20.315%をかけて約253万円の税負担が生じます。3,000万円特別控除が適用できれば、1,245万円の譲渡所得は全額控除されるため税額はゼロです。
参考:国税庁「No.3261 建物の取得費の計算」
※税金の計算は個々の状況により異なり、法改正により変更される場合があります。詳細は税務署または税理士等に必ずご確認ください。
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シミュレーション結果はあくまで一般的な条件による試算であり、実際の税額はお持ちのマンションの取得費や所有期間等によって変わります。ご自身のケースでどの程度の税負担が見込まれるのか、事前に把握しておきたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。『阪急阪神の仲介』では、査定から引き渡しまでワンストップでサポートしており、諸費用を含めた資金計画のご相談にも対応しています(税金の詳細は税務署または税理士等にご確認ください)。まずは無料査定で、お持ちのマンションの売却見込み額を確認してみてください。 |
マンション売却でかかる税金の種類と計算方法

マンションの売却では、印紙税・登録免許税・譲渡所得税の3種類の税金が発生する可能性があります。このうち印紙税と登録免許税は売却益の有無にかかわらず発生する一方、譲渡所得税は利益が出た場合にのみ課される点が大きな違いです。
印紙税
印紙税とは、売買契約書や領収書等、法律で定められた文書を作成する際に課される税金です。不動産売買契約書の場合、契約金額に応じた収入印紙を貼付して納めます。2027年3月31日までは軽減措置が適用されており、本則税率よりも税負担が軽減されます。
主な契約金額帯ごとの印紙税額は以下のとおりです。
| 契約金額 | 本則税率 | 軽減税率(2027年3月31日まで) |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
なお、電子契約で締結した場合は印紙税が発生しません。電子契約を利用することができれば印紙税が発生しないので費用を節約することができます。ただし、電子契約の利用には売主・買主双方の合意が必要となる点にご留意ください。
参考:国税庁「印不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
登録免許税
マンション売却時の登録免許税は、住宅ローンの抵当権を抹消するための登記にかかる税金です。税額は抵当権の件数にかかわらず「不動産1個につき1,000円」で計算されるため、抹消する抵当権が2件あっても不動産が1個であれば1,000円となります。
マンションは「専有部分の建物1個+敷地となる土地」で構成されますが、敷地が複数の筆にまたがっている場合は、その筆数分が課税対象となります。たとえば建物1個・土地1筆なら2,000円ですが、土地が複数筆の場合はそれ以上となるため、登記事項証明書等で敷地の筆数を確認しておくと安心です。
※登記手続きの詳細は、法務局または司法書士等に必ずご確認ください。
参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
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売却時に必要な諸費用の全体像については、以下の記事もあわせて参考にしてください。 >> 不動産売却時の仲介手数料|計算方法と最新の法改正を完全網羅 |
譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)
譲渡所得税は不動産の売却益に対して課される税金で、分離課税として給与所得等とは別に税額を計算する仕組みです。分離課税とは、給与や事業収入等の所得とは分けて、別の税率で税額を計算する課税方式のことを指します。不動産の譲渡所得は分離課税の対象であり、給与所得の税率とは異なる税率が適用されます。
前述のとおり、所有期間5年超の長期譲渡所得は合計20.315%、5年以下の短期譲渡所得は合計39.63%の税率が適用されます。
復興特別所得税(東日本大震災の復興財源を確保するために設けられた税金で、所得税額の2.1%が上乗せされる形で納付するもの)は、令和8年度税制改正により課税期間が令和29年(2047年)まで延長されました。なお、令和9年(2027年)1月以降は復興特別所得税の税率が1.1%に引き下げられ、新たに防衛特別所得税(税率1.0%)が課されるため、付加税の合計税率(2.1%)は当面変わりません。
参考:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」
参考:国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」
※税金の計算は個々の状況により異なり、法改正により変更される場合があります。詳細は税務署または税理士等に必ずご確認ください。
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『阪急阪神の仲介』では、100年以上にわたるまちづくりの実績と沿線に根ざした独自の情報ネットワークを活かし、売却価格の査定だけでなく、諸費用を踏まえた資金計画のご相談も承っています(税金の詳細は税務署または税理士等にご確認ください)。売却に関する疑問やご不安がありましたら、お気軽にご相談ください。 |
マンション売却の譲渡所得を計算する手順

譲渡所得を正しく算出する際は、以下の手順を踏みます。
- 取得費の算出
- 譲渡費の集計
- 譲渡所得の算出
- 税率の適用
各ステップの計算方法を順に確認していきましょう。
取得費の算出と減価償却の計算
取得費は、購入代金や購入時の諸費用の合計から建物の減価償却費を差し引いて算出します。減価償却とは、建物等の資産が年月の経過とともに価値が減少していくことを、会計・税務上の計算に反映する仕組みのことです。マンションの売却時には、購入時の建物価格から減価償却費を差し引く必要があります。
取得費に含められる主な項目は以下のとおりです。
- 購入代金
- 購入時の仲介手数料
- 登録免許税、不動産取得税、印紙税
- 設備費、改良費等
RC造(鉄筋コンクリート造)・SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の居住用マンションの場合、減価償却費の計算式は次のようになります。
減価償却費 = 建物購入価額 × 0.9 × 0.015 × 経過年数
経過年数は6ヶ月以上を1年に切り上げ、6ヶ月未満は切り捨てて計算してください。例えば、土地購入価格を除いた建物購入価格2,500万円・経過年数20年の場合、減価償却費は2,500万円 × 0.9 × 0.015 × 20年 = 675万円です。取得費は土地代を含む購入価格の合計から675万円を差し引いた金額となります。
参考:国税庁「No.3252 取得費となるもの」
参考:国税庁「No.3261 建物の取得費の計算」
譲渡費に含められるもの
譲渡費とは、不動産を売るために直接かかった費用のことです。
| 区分 | 主な項目 |
| 譲渡費に含まれるもの | ・売却のための仲介手数料等・売買契約書の印紙代、立退料、建物の取壊し費用等 |
| 譲渡費に含まれないもの | ・修繕費等・固定資産税等の維持管理費用等・抵当権抹消費用等 |
参考:国税庁「No.3255 譲渡費用となるもの」
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仲介手数料の計算方法や確定申告時の取り扱いについては、以下の記事で詳しく解説しています。 >> 不動産売却時の仲介手数料|計算方法と最新の法改正を完全網羅 |
所有期間による税率の違い
所有期間が5年を超えるかどうかで税率は約2倍の差が生じます。
| 区分 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
| 長期譲渡所得(5年超) | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
| 短期譲渡所得(5年以下) | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
ここで注意が必要なのは、所有期間の判定基準です。所有期間は「売却した年の1月1日時点」で判定されるため、実際の所有期間とは異なる場合があります。
例えば、2020年4月に購入したマンションを2026年6月に売却するケースを考えてみましょう。実際の所有期間は6年2ヶ月ですが、2026年1月1日時点では所有期間は5年8ヶ月となり、「5年を超える」ため長期譲渡所得に該当します。仮に2025年6月に売却した場合は、2025年1月1日時点の所有期間が4年8ヶ月となり、短期譲渡所得が適用される点に気をつけてください。
参考:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」
取得費が不明な場合の概算取得費
取得費が分からない場合は、売却価額の5%を概算取得費とすることができます。概算取得費とは、不動産の購入価格が不明な場合等に使える簡易的な取得費の計算方法で、売却価額の5%を取得費とみなして譲渡所得を計算する仕組みです。相続で取得した物件等で購入時の書類が残っていないケースに活用できます。
例えば、3,000万円で売却した場合、概算取得費は150万円(3,000万円 × 5%)です。実際の取得費が譲渡価額の5%より少ない場合も、概算取得費を選択することができます。
ただし、概算取得費を使うと取得費が極端に少なくなるため、譲渡所得が大きく計算されてしまう点には留意が必要です。購入時の売買契約書やローン契約書等が手元にないか、改めて確認してみることをおすすめします。
参考:国税庁「No.3258 取得費が分からないとき」
※税金の計算は個々の状況により異なり、法改正により変更される場合があります。詳細は税務署または税理士等に必ずご確認ください。
マンション売却の税金を軽減できる控除・特例

マンションの売却で活用することができる主な控除・特例は4つあります。それぞれ適用要件や税効果が異なり、併用できる組み合わせとできない組み合わせがあるため、ご自身のケースに合った特例を選ぶことが大切です。
居住用財産の3,000万円特別控除
自ら居住していたマンションであれば、所有期間を問わず譲渡所得から最高3,000万円まで控除することができます。
主な適用要件は以下の通りです。
- 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること
- 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 売った年の前年・前々年に同特例やマイホームの買換え特例等の適用を受けていないこと
- 売主と買主が親子・夫婦等の特別関係者でないこと
- 入居のみを目的とした場合や一時的な居住の用に供した家屋は対象外
確定申告の際には、譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)の提出が必要です。住民票の住所と売却不動産の所在地が異なる場合は、戸籍の附票の写し等も求められます。
同特例は住宅ローン控除との併用ができません。住み替えで新居の住宅ローン控除を受ける予定がある方は、3,000万円特別控除と住宅ローン控除のどちらが有利になるかを比較のうえ、判断してください。
参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
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住宅ローン控除の仕組みや確定申告の手続きについては、以下の記事もあわせて参考にしてください。 >> 不動産購入後の確定申告はいつから?必要な書類や手続きの流れを解説 |
10年超所有の軽減税率の特例
所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合、課税長期譲渡所得6,000万円以下の部分に14.21%(所得税10%+住民税4%+復興特別所得税0.21%)の軽減税率が適用されます。6,000万円超の部分は通常の長期譲渡所得税率20.315%で計算します。
同特例は3,000万円特別控除と併用することができます。例えば、譲渡所得が4,000万円の場合、まず3,000万円特別控除を適用して課税対象を1,000万円に減らし、その1,000万円に対して軽減税率14.21%を適用することで、税額は約142万円に抑えられます。
適用要件としては、家屋と敷地の所有期間がともに売却した年の1月1日時点で10年を超えていることが求められます。確定申告書に譲渡所得の内訳書と売却不動産の登記事項証明書等を添付して提出してください。
参考:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」
特定居住用財産の買換え特例
住み替えで新たにマイホームを購入する場合、一定の要件のもと譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができます。同制度は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡が適用期限です。令和8年度税制改正(令和7年12月閣議決定、令和8年3月成立)により、一部要件の見直しを行ったうえで適用期限が2年延長されました。
注意すべき点として、同制度は「非課税」ではなく「課税の繰延べ」です。将来、買い換えた物件を売却する際に、繰り延べていた分の税金が発生します。
主な適用要件は以下の通りですが、適用にはこれらを含む全ての要件を満たす必要がございます。
- 居住期間が10年以上、かつ所有期間が売却した年の1月1日時点で10年超
- 売却価額が1億円以下
- 買い換え先の床面積が50㎡以上、土地面積500㎡以下
同特例は3,000万円特別控除や10年超軽減税率との併用ができません。どの特例を適用するかは、税額のシミュレーションを行ったうえで判断しましょう。
参考:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」
譲渡損失の損益通算および繰越控除
マイホームの売却で損失が出た場合、一定の要件のもと給与所得等の他の所得と損益通算し、控除しきれない分は翌年以後3年間にわたって繰り越して控除することができます。
- 損益通算とは:ある所得で生じた損失を他の種類の所得と相殺して税額を減らす仕組みのこと
- 繰越控除:損益通算をしても控除しきれなかった損失を翌年以降に持ち越して控除する仕組みのこと
同特例には2つのパターンがあります。
1つ目は、マイホームを買い換えた場合の特例です。旧居宅の所有期間が5年超で、新居宅に10年以上の住宅ローンがあること等が要件です。住宅ローン控除との併用も可能となっています。
2つ目は、住宅ローンが残っているマイホームを売却して損失が生じた場合の特例です。買い換えを行わなくても適用することができます。損益通算の限度額は「住宅ローン残高から売却価額を差し引いた金額」で、合計所得金額が3,000万円超の年は繰越控除を受けることができません。
いずれの特例も令和9年(2027年)12月31日までの譲渡が適用期限です(令和8年度税制改正(令和7年12月閣議決定、令和8年3月成立)により2年延長)。
参考:国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」
参考:国税庁「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」
※税金の計算は個々の状況により異なり、法改正により変更される場合があります。詳細は税務署または税理士等に必ずご確認ください。
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特例の選択は、併用可否や住宅ローン控除との兼ね合い等を総合的に判断する必要があり、どの組み合わせがご自身にとって有利になるのか迷われる方もいらっしゃいます。『阪急阪神の仲介』は、売却だけでなく住み替え先の購入までワンストップで対応しているため、住み替えに伴う資金計画のご相談も承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。 |
マンション売却の確定申告の流れと必要書類

確定申告は、マンションの売却で利益が出た場合はもちろん、各種特例を活用する場合にも欠かせない手続きです。
本章では、以下の内容を解説します。
- 確定申告が必要なケース
- 申告期間と手続きの流れ
- 特例適用時の追加書類
確定申告が必要なケース
マンションの売却で確定申告が必要なのは、以下の3パターンです。
- 譲渡所得が発生した場合:売却益がプラスとなり、税額の納付が必要
- 特例を適用する場合:税額がゼロになる場合でも申告しなければ特例は不適用
- 譲渡損失の損益通算・繰越控除を受ける場合:還付を受けるために申告が必要
3,000万円特別控除を適用して税額がゼロになったケースでも、確定申告を行わなければ特例は適用されません。「売却益が控除額以下だから申告不要だろう」と思い込んでしまうと、結果的に特例を受けられず課税される可能性があります。
確定申告をしなかった場合、無申告加算税(税務調査後に発覚した場合、納付すべき税額のうち50万円以下の部分は15%、50万円超300万円以下の部分は20%、300万円超の部分は30%)や延滞税が課されることがあります。税務調査前に自主的に期限後申告した場合は5%に軽減されます。申告期限を過ぎてしまった場合でも、速やかに自主申告を行えばペナルティの軽減が可能です。
申告期間と手続きの流れ
申告期間はマンションを売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。確定申告の主な提出書類は以下のとおりですが、予め申請される税務署にご確認ください。
| 書類名 | 概要 |
| 確定申告書・第三表(分離課税用) | 譲渡所得を申告するための書式 |
| 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書) | 取得費・譲渡費・譲渡所得の計算明細 |
| 売買契約書の写し | 売却時の契約内容を証明 |
| 取得時の売買契約書の写し | 取得費を証明(手元にある場合) |
| 仲介手数料の領収書等 | 譲渡費を証明 |
e-Tax(電子申告)を利用すれば、自宅のパソコンやスマートフォンから申告書の作成・提出を行うことが可能です。国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、画面の案内に沿って金額を入力することで自動計算されるため、初めての方でも作成しやすい仕組みになっています。
なお、譲渡日は原則として引渡日ですが、売買契約の効力発生日(契約締結日)を選択して申告することも可能です。この選択により所有期間の判定が変わる場合があるため、慎重に検討しましょう。
参考:国税庁「No.3102 譲渡所得の申告期限」
参考:国税庁「確定申告書等作成コーナー」
特例適用時の追加書類
各特例を適用する場合は、基本書類に加えて特例ごとの追加書類が必要です。主な追加書類は以下の通りですが、予め申請される税務署にご確認ください。
- 3,000万円特別控除:譲渡所得の内訳書、戸籍の附票の写し(住民票と売却不動産の所在地が異なる場合)
- 10年超所有の軽減税率:上記に加えて、売却不動産の登記事項証明書
- 買換え特例:買い換えた不動産の登記事項証明書、売買契約書の写し等
- 譲渡損失の損益通算・繰越控除:住宅ローンの残高証明書、新居の登記事項証明書等(買換え時)
書類の準備には時間がかかるケースもあるため、売却が成立した段階で早めに必要書類を確認しておくと安心です。
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売却から確定申告までに必要な書類の全体像は、以下の記事で一覧としてまとめています。 >> 不動産売却の必要書類一覧|タイミング別・物件別チェックリスト付き |
※税金の計算は個々の状況により異なり、法改正により変更される場合があります。詳細は税務署または税理士等に必ずご確認ください。
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マンションの売却にあたっては、税金の計算や確定申告の手続き等、専門的な知識が求められる場面が数多くあります。不安を抱えたまま進めるのではなく、信頼できるパートナーに相談しながら一つひとつ解消していくことが、スムーズなご売却につながります。
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マンション売却の税金に関するよくある質問

マンションの売却と税金について、よく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
マンション売却で税金がかからないのはどのような場合ですか?
譲渡所得がマイナス(売却損)の場合や、3,000万円特別控除の適用により譲渡所得がゼロ以下になる場合は、譲渡所得税は発生しません。ただし、印紙税や登録免許税は譲渡所得の有無にかかわらず発生します。特例を適用する場合は確定申告が必要です。
マンション売却の税金はいくらくらいになりますか?
税額は物件の取得費・所有期間・特例の適用状況によって異なります。本記事のシミュレーションでは、売却価格4,000万円のケースで控除適用前は約253万円、3,000万円特別控除を適用すれば税額ゼロという結果でした。
3,000万円特別控除はどのような条件で使えますか?
自ら居住していたマイホームの売却であること、住まなくなってから3年後の12月31日までに売却すること、前年・前々年に同特例を使っていないこと等が主な要件です。所有期間は問いません。なお、これら以外にもいくつかの要件が定められているため、実際に適用を受ける際は、必ず国税庁のホームページや税務署などで詳細な条件を確認してください。
マンション売却の税金はいつ払うのですか?
売買契約時に印紙税、引き渡し時に登録免許税、翌年の確定申告時に譲渡所得税を納付します。住民税は確定申告後の翌年度6月以降に課税されます。
確定申告をしないとどうなりますか?
無申告加算税(税務調査後に発覚した場合、納付すべき税額のうち50万円以下の部分は15%、50万円超300万円以下の部分は20%、300万円超の部分は30%)や延滞税が課される可能性があります。税務調査前に自主的に期限後申告した場合は5%に軽減されます。特例を適用して税額がゼロになるケースでも、申告をしなければ特例が適用されません。
売却損が出た場合でも確定申告は必要ですか?
売却損が出て特例を使わない場合は、原則として確定申告は不要です。ただし、譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例を使って還付を受ける場合は確定申告が必要となります。
所有期間5年以下と5年超で税金はどのくらい変わりますか?
短期譲渡所得(5年以下)は合計39.63%、長期譲渡所得(5年超)は合計20.315%で、約2倍の差があります。課税譲渡所得が1,000万円の場合、短期なら約396万円、長期なら約203万円で約193万円の差が生じます。
取得費が分からない場合の税金はどう計算しますか?
売却価額の5%を概算取得費として使用することができます。たとえば3,000万円で売却した場合は150万円が概算取得費です。概算取得費では譲渡所得が大きく計算されるため、可能な限り実際の取得費を確認しましょう。
相続したマンションの売却で使える特例はありますか?
相続税を支払った方は「取得費加算の特例」を活用することができます。相続開始日の翌日から申告期限の翌日以後3年以内に売却すれば、相続税の一部を取得費に加算して譲渡所得を減らせます。相続したマンションが居住用財産に該当する場合は、3,000万円特別控除の適用も検討してください。
2,000万円で購入したマンションを売却した場合の税金はいくらですか?
税額は売却価格・所有期間・建物構造・減価償却等の条件により異なります。本記事のシミュレーション(購入価格3,000万円、所有期間15年のRC造)では、売却価格2,000万円の場合は譲渡損失となり税額ゼロ、売却価格4,000万円の場合は3,000万円特別控除適用で税額ゼロでした。ご自身のケースについては、税理士・税務署等にご相談ください。
3,000万円特別控除と10年超所有の軽減税率は併用できますか?
併用することができます。3,000万円を控除した後の課税譲渡所得に対して、6,000万円以下の部分に14.21%の軽減税率を適用する形です。ただし、買換え特例との併用はできません。
住み替えの場合に使える特例はありますか?
住み替えでは「特定居住用財産の買換え特例」や「譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例」を活用することができます。利益が出た場合は買換え特例で課税を繰り延べ、損失が出た場合は損益通算で他の所得と相殺することが可能です。ご自身の状況に合った特例を選択してください。
まとめ
マンションの売却にかかる税金は、譲渡所得の有無や特例の活用によって大きく変わります。本記事のポイントを振り返ります。
- 譲渡所得がゼロ以下であれば、譲渡所得税は発生しない
- 居住用財産の3,000万円特別控除を活用することができれば、税額がゼロになるケースも多い
- 印紙税・登録免許税は売却益の有無にかかわらず発生する
- 所有期間5年超の長期譲渡所得(20.315%)と5年以下の短期譲渡所得(39.63%)で約2倍の差がある
- 特例を適用して税額がゼロになる場合でも確定申告は必須
税制は毎年改正される可能性があるため、最新の情報は税務署または税理士等に必ずご確認ください。
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