リノベーションとは?基本的な意味を解説
•新たな価値を加えるための大規模な改修
•ライフスタイルに合わせて住まいを再構築する
リフォームとの違いは?目的と規模で徹底比較
•目的の違い:「プラスαの価値」を生むリノベーション
•工事規模の違い:間取り変更も可能な大規模工事
•費用と工期の違い:どちらが高い?長い?
知っておきたいリノベーションの3つのメリット
•メリット1:自由な設計で理想の空間を実現できる
•メリット2:新築より費用を抑えて好立地を選べる
•メリット3:物件の資産価値を向上させられる
リノベーションのデメリットと注意点
•デメリット1:工事費用が高額になりやすい
•デメリット2:完成・入居までに時間がかかる
•デメリット3:建物の構造による制約がある
リノベーションの種類と費用相場
•フルリノベーション(スケルトン)の費用感
•部分リノベーションの費用感
リノベーションの一般的な流れを4ステップで解説
•手順1:情報収集とイメージの具体化
•手順2:物件探しと会社選び
•手順3:設計プランの作成と契約
•手順4:工事開始から引き渡しまで
【事例紹介】リノベーションで実現した理想の住まい
まとめ:リノベーションで後悔しないために
理想の住まいを考え始めたとき、「リノベーション」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。しかし、リフォームと何が違うのか、具体的にどのようなメリットがあるのか、はっきりと分からない方も多いかもしれません。この記事では、「リノベーションとは何か」という基本的な知識から費用や流れ、注意点まで、専門家の視点で分かりやすく解説します。あなたにとって最適な住まい選びの第一歩として、ぜひお役立てください。
リノベーションとは?基本的な意味を解説
リノベーションとは、単に古くなったものを新しくするだけではありません。住む人のライフスタイルに合わせて、既存の建物に改修工事を行うことで、新しい価値を加えることを指します。
新たな価値を加えるための大規模な改修
リノベーションの最大の特徴は、既存の建物が持つ性能を向上させ、現代の生活水準に合った、より快適な住まいに作り変える点にあります。例えば、間取りを大きく変更して開放的なリビングを作ったり、断熱材を追加して省エネ性能を高めたり、耐震補強を行って安全性を向上させたりすることが含まれます。これは、マイナスの状態をゼロに戻すというより、ゼロ以上、プラスαの価値を生み出す考え方です。
ライフスタイルに合わせて住まいを再構築する
リノベーションは、「暮らしに家を合わせる」という発想で行われます。家族構成の変化、働き方の多様化、趣味やこだわりなど、住む人の価値観を反映させた住空間を設計できるのが魅力です。新築物件では実現が難しいような、自分だけのオリジナリティあふれる住まいを、中古物件をベースに作り上げることが可能になります。しかしながら、戸建の場合は耐震性能に影響を及ぼすようなことは避けなければなりません。マンションであれば、管理規約に記載された制限を遵守しなければなりませんし、事前に管理組合の承諾を得る必要があります。
リフォームとの違いは?目的と規模で徹底比較
リノベーションとよく似た言葉に「リフォーム」があります。どちらも住まいに手を入れる工事ですが、その目的や規模には明確な違いが存在します。違いを理解することで、ご自身の希望に合った選択がしやすくなります。
目的の違い:「プラスαの価値」を生むリノベーション
リフォームの主な目的は「原状回復」です。つまり老朽化したり、汚れたり、壊れたりした部分を修繕し、新築に近い状態に戻すことを指します。例えば、壁紙の張り替えや、古いキッチン設備の交換などがこれにあたります。一方、リノベーションの目的は、前述の通り「新たな価値の創造」です。既存の間取りや仕様にとらわれず、住む人の暮らしに合わせて機能を向上させます。
工事規模の違い:間取り変更も可能な大規模工事
目的が異なるため、工事の規模も大きく変わります。リフォームは、部分的な修繕や設備の交換が中心となるため、比較的小規模な工事となります。それに対してリノベーションは、間取りの変更を伴う壁の撤去や設置、水道管や電気配線の移動、構造躯体の補強など、建物の骨格に関わるような大規模な工事が必要となります。
費用と工期の違い:どちらが高い?長い?
一般的に、リノベーションはリフォームに比べて工事の規模が大きくなるため、費用は高額になり、工期も長くなる傾向があります。どちらを選ぶかは、ご自身の目的と予算、そしてどれくらいの時間をかけられるかを総合的に判断することが重要です。

知っておきたいリノベーションの3つのメリット

リノベーションには、新築やリフォームにはない独自の魅力があります。ここでは、代表的な3つのメリットをご紹介します。
メリット1:自由な設計で理想の空間を実現できる
リノベーション最大のメリットは、設計の自由度の高さです。間取り、内装デザイン、素材、設備などを自分の好みやライフスタイルに合わせて一から選ぶことができます。「リビングを広くしたい」「在宅ワーク用の書斎が欲しい」「キッチンはアイランド型にしたい」といった、こだわりを形にすることが可能です。
メリット2:新築より費用を抑えて好立地を選べる
都心部や駅近などの人気エリアでは、新築物件は非常に高額です。しかし、リノベーションを前提に中古物件を探すことで、物件の選択肢が大きく広がり、希望のエリアに、新築を購入するよりも総額を抑えて住まいを持つことが可能になります。その場合、あらかじめ不動産会社にしっかりとリノベーションを行うことを伝えておきましょう。
メリット3:物件の資産価値を向上させられる
築年数が経過した物件でも、リノベーションによってデザイン性や機能性が向上し、新築同様、に生まれ変わらせることができます。断熱性の向上など、建物の性能を高める改修を行えば、将来的に売却や賃貸に出す際にも有利に働く可能性があります。
リノベーションのデメリットと注意点
魅力の多いリノベーションですが、計画を進める上で知っておくべきデメリットや注意点も存在します。事前に把握し、対策を考えることが成功の鍵です。
デメリット1:工事費用が高額になりやすい
間取り変更など大規模な工事を伴うため、部分的なリフォームに比べて費用は高額になる傾向があります。特に、見えない部分である配管や構造体の劣化が激しい場合は、追加工事で想定外の費用が発生する可能性もあります。資金計画は余裕を持って立てることが大切です。
デメリット2:完成・入居までに時間がかかる
物件探しから、設計プランの打ち合わせ、実際の工事まで、リノベーションは入居までに多くの時間を要します。一般的に、物件購入後、設計に2〜3ヶ月、工事に2〜3ヶ月程度かかるため、全体のスケジュールをしっかり把握し、仮住まいの費用なども考慮しておく必要があります。
デメリット3:建物の構造による制約がある
マンションの場合、建物を支える構造壁は撤去できない、窓の交換はできない、配管位置の変更等ができないなど、管理規約によっては工事内容に制限がある場合があります。工事前に管理組合に対して工事内容を申請し、承認を得なければならないためその期間をあらかじめ想定する必要があります。また、戸建ての場合でも、建物の構造によっては希望の間取りが実現できないこともあります。物件を契約する前に、どこまで工事が可能か、専門家に確認することが不可欠です。
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リノベーションの種類と費用相場
リノベーションは、工事の範囲によって大きく二つに分けられます。それぞれの費用相場を把握し、予算計画の参考にしましょう。
フルリノベーション(スケルトン)の費用感
フルリノベーションとは、建物の内装をすべて解体して、骨組み(スケルトン)の状態にしてから全面的に改修する工事です。間取りを根本から変えることができ、配管や配線も一新できるため、最も自由度の高い方法です。費用相場は、マンションの場合で1平方メートルあたり15万円〜25万円程度、総額では800万円〜1,500万円以上になることも珍しくありません。
部分リノベーションの費用感
部分リノベーションは、リビングやキッチン、水まわりなど、特定の範囲に限定して改修する工事です。間取りの変更は伴わない、あるいは小規模な範囲に留まります。費用は工事内容によって大きく異なりますが、例えばキッチンと浴室、洗面所、トイレの水まわり4点をまとめて改修する場合、200万円〜500万円程度が目安となります。

※上記の費用はあくまで目安であり、使用する建材や設備のグレードによって変動します。
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リノベーションの一般的な流れを4ステップで解説

リノベーションを成功させるためには、全体の流れを把握しておくことが重要です。ここでは、基本的な4つのステップに分けて解説します。
手順1:情報収集とイメージの具体化
まずは、インターネットや雑誌などで様々な事例を見て、どのような住まいにしたいのか、家族でイメージを共有することから始めます。好きなデザインのテイスト、現在の住まいの不満点、新しい家で実現したいことなどを書き出してみると、要望が整理しやすくなります。
手順2:物件探しと会社選び
リノベーションのパートナーとなる会社(設計事務所、工務店、リノベーション会社など)を探し始めます。同時に、リノベーションに適した中古物件探しも進めます。物件探しからサポートしてくれる会社もあるため、早めに相談するのがおすすめです。
手順3:設計プランの作成と契約
購入する中古物件が決まったら、どのくらいの金額をリノベーションの費用として使えるのか、工事期間として何カ月程度確保できるのかを確認しておきましょう。そのうえで具体的な設計プランの打ち合わせに入ります。間取りや内装、設備などを詳細に決めていき、最終的な見積もりを確認します。プランと金額、工事期間に納得したら、工事請負契約を締結します。
手順4:工事開始から引き渡しまで
物件引き渡し後、いよいよ工事が始まります。工事期間中は、定期的に現場を訪れて進捗を確認できると安心です。工事が完了したら、設計通りに仕上がっているか最終チェック(完了検査)を行い、問題がなければ引き渡しとなります。
【関連記事】中古住宅・マンション購入から、リノベーションする流れと段取り|すまいのスタディ|阪急阪神すまいのコンシェル
【事例紹介】リノベーションで実現した理想の住まい
豊中市のM様ご夫婦は、新築マンション購入を検討していましたが、モデルルーム巡りで自分たちに合う物件と出会えず、中古物件のリノベーションという選択をされました。ペット飼育可能なマンションを探し、高台の眺望と心地よい風を決め手に物件を購入。リビング上部には猫が一周できるキャットウォークを設置し、肉球に負担のかからない素材を採用しています。将来は子供部屋としても使える書斎スペースを設けるなど、ライフスタイルの変化を見据えたプランニングを行いました。物件探しの段階から「この物件ならこんなリノベーションが可能」と具体的なアイデアを提案し、ご夫婦と愛猫が快適に暮らせる住まいが完成しました。
【関連記事】【事例紹介】猫と暮らせる理想の住まいを中古マンション×リノベーションで実現|すまいのスタディ|阪急阪神すまいのコンシェル
まとめ:リノベーションで後悔しないために
リノベーションは、自分たちの理想の暮らしを形にできる、非常に魅力的な住まいづくりの手法です。リフォームとの違いを正しく理解した上で計画を進めることが、イメージしたライフスタイルを実現する重要なポイントとなります。この記事が、あなたの理想の住まいづくりへの一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。






