すまいのスタディ

2019.12.26

失敗を防ごう!中古住宅のリノベーション時に知っておくべきポイント

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中古住宅を自分流にカスタマイズするリノベーション。イメージ通りにいけば最高の住まいになりますが、ポイントを知らないと、思わぬところで失敗してしまうことがあるかもしれません。リノベーション費用は決して安くはないですから失敗は避けたいものですよね。そこでこの記事では、リノベーションで失敗を防ぐために知っておくべきポイントを3つ紹介します。リノベーションを成功させるために、どうぞ参考にしてください。

失敗を防ぐためのポイント1:設計編

「広々とした空間で暮らしたい」「自分の書斎や子ども部屋を作りたい」など、リノベーションの目的は、ライフスタイルに合わせて様々です。しかし、現在のライフスタイルだけを考慮して設計してしまうと、先々になって使い勝手が悪く「失敗した」ということになりかねません。できるだけ長く快適に住めるように、将来のことも見据えて設計をすることが大切です。

たとえば、子どもが独立した後、子ども部屋はどう活用するか......ライフスタイルの変化に合わせてリフォームできる柔軟性のある設計にしておくと、将来の住みやすさも確保できます。もしも「いずれは売ったり貸したりするつもり」と考えているのなら、個人的な好みを重視するよりも、一般的な人気の、使い勝手のよい設計にしておいたほうがよいでしょう。売りたくても売れない、貸したくても借り手がないというのでは、自分の人生プランも変わってしまいますよね。

◎リノベーション会社選び

どなたであっても設計に失敗したくはないでしょう。そのために重要なのは、依頼主の要望やライフステージを考慮した上で、リノベーションの提案や設計をしてくれる会社、設計士を選ぶことです。手始めに、ウェブサイトを見たり資料を取り寄せたりして、会社の理念や実績を確認してみましょう。クオリティやイメージも把握することができます。

失敗を防ぐポイント2:リノベーション予算

「頭金は用意できるから大丈夫」「月々このくらいのローン返済ならなんとかなる」と、今の家計状況だけを見て予算を組むと、失敗につながる確率が高くなってしまいます。毎月の収入と支出をしっかり把握して資金計画を立てましょう。また、予算を組むときには、先々のことも考える必要があります。子どもがいる場合は学費もかかりますし、習い事をするとなると、その費用もかかります。老後の資金も確保しておかなければ自分たちが生活できなくなってしまいますし、思わぬ医療費がかかることもあるでしょう。結局、ローンが払えなくなってしまい、物件を手放さなければならなくなった......ということも現実に起こり得るのです。

◎ファイナンシャルプランナーに相談する

資金について不安な場合は、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのもいいかもしれません。ファイナンシャルプランナーは、金融・保険・不動産・年金・税制・相続といった6つの分野の知識を持った、個人資産の専門家です。様々なローンや複雑な税制、現在の貯蓄額、収入や家族構成、子どもの成長や老後のことも考慮して、無理のない資金計画を提案してくれます。

失敗を防ぐポイント3:購入する物件

一戸建てでもマンションでも、建物を維持するためのメンテナンスは欠かせません。購入時には、希望通りのリノベーションができるかどうかに合わせて、長く住める家かどうかという視点でも物件選びをしましょう。

しかし、見た目だけではわかりにくく、リノベーションできない部分が潜んでいる可能性もあります。そのような分かりづらい点を見つけるために、次の2点の確認を忘れないようにしましょう。

◎物件状況確認書および建物修繕履歴を確認する

 「物件状況確認書」は、物件について売主が把握していることを記した書面で、修理や修繕などの履歴も記されています。書面で明らかにしておけば、無用のトラブルを避けることができます。

用意が可能であれば「建物修繕履歴(過去の修繕・リフォーム履歴・保全計画)」も見せてもらったほうがよいでしょう。リフォーム計画だけでなく、建物を長期にわたって維持していくために参考になる資料です。戸建の場合、建築時の図面等(確認申請書類・リフォーム工事の際の書類含む)もあるとよいでしょう。マンションと違い管理組合保管がないため、書類を保管されていない売主も多いのですが、図面等があればリノベーション計画が立てやすくスムーズになります。

◎希望通りのリノベーションができるか確認する

建物の種類や構造などにより、確認するポイントが変わってきます。

法令順守(建築基準法・消防法など)はもちろんのこと、マンションであれば「管理規約」の順守、戸建でいうなら建築協定・地区計画などは大前提です。そのため、リノベーションに際して、どのような規制がかかるのか確認が必要です。

そのほかのポイントとして、戸建とマンションに分けたチェック項目をご紹介しますので、参考にしてみてください。

◎マンションの場合

・間仕切り壁が耐力壁等ではないか

耐力壁等、構造上撤去できない壁である場合、希望の間取り変更ができない可能性があります。また、管理規約上解体が禁止されている場合もあるので注意が必要です。

・エアコンが設置できるか

マンションによっては各部屋にエアコン設置ができないケースがあります。プランニングの際に設計士に空調計画を併せて相談される方が良いでしょう。

・水廻りの配置変更は可能か

物理的に可能なだけでなく、マンションの管理規約による制約の有無も確認する必要があります。

・設備機器の設置可否

ユニットバスの追い焚き機能やIHクッキングヒーターの設置可否など、設備機器の利用状況もマンション全体の構造や規約によって左右されるので注意しましょう。

◎一戸建ての場合

・どのような工法の建物か知る

戸建については在来工法・2×4工法・プレハブ工法・型式認定による工法を含む木造工法、RC/ALCなどの工法もあり、工法や構造によっては間仕切り変更等の難易度が高いケースがあります。ただし、工法による良さもあるので、どのような工法の建物かを知り、その工法の良さを理解して購入を進めるのがよいでしょう。なお、そのままではリフォームが難しい場合でも、構造計算・確認申請業務を伴えばリフォーム可能なケースもあります。

・リノベーション計画に違法性がないかを確認する

リノベーションの計画内容によっては関係行政等への申請や届出が必要となる場合があります。その場合、工事内容・期間や費用にも影響を及ぼす可能性があります。現地調査を含めた下調べ、行政等との事前協議、申請業務、工事中と完了時の検査などの時間的な問題や、申請が通る工事内容・仕様にするために工事費用のアップになることも考えられます。

・都市計画等の確認

用途地域、防火・準防火地域等の都市計画を確認しておきましょう。前項目でも触れました「違法性」については用途地域等の都市計画により、制限される内容が変わるケースがあります。また建築物が違法建築物なのか既存不適格建築物なのかによっても計画が左右されるケースもありますので、専門家に確認、相談しておくと良いでしょう。

中古住宅をリノベーションするなら、現在だけでなく、将来のことも想定して計画を立てることが、失敗しないための重要なポイントです。リフォーム・リノベーション会社選びや物件選びに迷ったら、専門家にアドバイスをもらうこともひとつの方法です。

不動産に関するお悩みやお困りごとは、『阪急阪神不動産』にぜひご相談ください。

※2019年12月26日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。