ぐるり街めぐり〈大阪・野田編〉
ニブタ食堂
甘辛ダレがしみこんだトロトロの煮豚で、ごはんが進む
大阪メトロ玉川駅の6番出口を出てすぐ、ひときわ目を引く藍色のビル。その1階に店を構えるのが、煮豚料理専門店『ニブタ食堂』です。店先に掲げられたメニュー看板には、迫力満点の10種類もの煮豚定食が並び、思わず見入ってしまいます。同店のオーナーは「人々を感動させたい」と、漫画家のアシスタントやバーの運営などさまざまな仕事に携わってきた経歴の持ち主。16年にわたり割烹などの飲食店で腕を磨いてきた店長の細見大樹さんとの出会いをきっかけに、幼少期に精肉店で出合った煮豚の、ぷるぷるとした見た目に心をつかまれた体験を思い起こし、「今度は料理で!」と、このお店を立ち上げました。

自慢の煮豚は、その見た目からは想像できないほどやさしい味わい。「意外にあっさりしていてペロリと食べられる」と驚くお客さんも多く、週3回ものペースで訪れる常連客もいるのだとか。使用する豚肉は、脂のバランスまで吟味した国産豚。玉ねぎや果物をたっぷり使ってじっくり8時間煮込むことで、素材に含まれた酵素によって肉がやわらかくなり、旨みや甘みも煮汁に溶け込んでいきます。そこにキレのある和歌山県有田郡の湯浅醤油を合わせて、甘味を重たく感じさせない軽やかな味わいに。さらに、毎日20キロの豚を煮込みながら継ぎ足して育てる返しのタレが、深いコクを生み出しています。こうして出来上がった煮豚は、お箸を入れるだけでほろりと崩れるやわらかさ。一口、もう一口と、ごはんもどんどん進みます。

割烹仕込みの出汁が主役の一品で、さらに満足感が深まる
この店で煮豚と並ぶ人気の品が『豚吸いの出汁巻』です。大阪名物の肉吸いから着想を得た豚吸いに、卵3個を使った大ぶりの出汁巻を浮かべた一品。汁椀のフタを開けた瞬間、湯気とともに立ちのぼってくる出汁の香りに、つい顔がほころびます。ベースとなるのは、鰹と昆布にめざしを加えた自家製出汁。前日から昆布を仕込んで、じっくりと旨みを引き出した贅沢な一椀です。口に運ぶと、出汁を含んだ卵がやわらかくほどけ、やさしい風味が口に広がります。

店内は、厨房に面したカウンター席のみ。目の前では、煮豚や煮豚カツを豪快に盛り付ける調理風景が繰り広げられ、料理への期待を膨らませながら待つ時間も楽しめます。どのメニューもボリュームがあるため、2人以上で訪れた際には好きな定食や丼を注文し、『豚吸いの出汁巻』はシェアして楽しむ人も多いのだそう。また、お弁当メニューのほか、煮豚のみ量り売り(1g=5円)でテイクアウトが可能です。手間も時間もかかる煮豚だからこそ、「普段の食卓に並ぶ"ちょっと特別なおかず"として、喜んでもらえたら嬉しい」と店長。しっかり食べて活力をつけたい時にぴったりです。

【この街が好き/STAFF VOICE】

下町らしさを残しながら、若い世代の新しい活気も感じます
もともと私が抱いていた野田のイメージは、落ち着きがあって、ほどよい賑わいがある街でした。実際にお店を営業してみて感じたのは、若い世代の方々が多いこと。マンションや新築の建物も増えていて、街全体がより明るく、活気にあふれてきた気がしています。スーパーや100円ショップ、商店街、それに飲食店も充実していて、生活に必要なものがひと通り揃う、とても便利な街ですね。
店長 細見大樹さん

●ニブタ食堂
営業時間/11:30~15:00(L.O.14:30)、17:00~21:00(L.O.20:30)
定休日/不定休
電話/070-1735-4756
大阪市福島区野田3-6-20 野田山真ビル1F
https://www.instagram.com/nibutasyokudo/
※休業日や営業時間等については、インスタグラムをご確認ください。
◇記載しています営業データ・商品・価格等は2026年6月29日時点の情報です。
◇時期によってはメニュー内容や商品・価格が変更になっている場合があります。
◇表示価格はすべて税込です。



