阪急阪神と暮らす街

2025.06.20

《兵庫・神戸三宮》

非日常の空間で特別なひとときを過ごす、老舗ベーカリー&カフェ

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ぐるり街めぐり〈兵庫・神戸三宮編〉
フロインドリーブ

教会を改装した荘厳な空間で、自家製サンドウィッチをいただく

駅前の喧騒から外れた住宅街の中にこつ然と姿を現すのは教会...? ではなく、ゴシック様式の"元教会"。ここは神戸のパンの老舗『フロインドリーブ』です。ドイツ人の初代フロインドリーブさんは1924(大正13)年、日本人の妻と2人で中山手通1丁目にパン屋を開店。以来、神戸の街の発展や苦難の歴史とともに歩んできたこのベーカリーは、2024年に100周年を迎えました。「本格的なドイツパンを日本に広めた初代夫妻の歩みは、NHK朝ドラ『風見鶏』のモデルにもなりました」と、店長の松尾美穂さん。

パンやパイなどが並ぶ1階ショップ
入口すぐ右手にある1階ショップ。この教会建物は1929(昭和4)年に建築家W.M.ヴォーリズの設計によって建てられたもの。3代目が結婚式を挙げた思い出深い教会だったという、微笑ましいエピソードも。

『フロインドリーブ』が現在地に移転したのは1999(平成11)年のことです。1995年の阪神・淡路大震災で甚大な被害を受け、奮起しての営業再開を経て、旧神戸ユニオン教会跡地に店舗・工場を集約。1階はショップ、2階はカフェとして改装されました。一番上の写真のように、2階のカフェは礼拝堂の面影を生かしたレトロモダンな空間。10mを超える高い天井が圧巻です。真っ白い壁に白黒チェッカーの床、シャンデリア、木製のテーブルや椅子など、厳かな非日常な雰囲気のなか、特別感のあるランチやティータイムが楽しめます。

人気メニュー、クラブハウスサンドウィッチ
写真はサンドウィッチメニューのなかでも人気が高い『クラブハウスサンドウィッチ』1,980円。自家製ローストチキン、ベーコン、ゆで玉子などをサンド。別添えのマヨネーズは自家製。サンドウィッチに合う『スープとドリンクのセット』1,100円も一緒にどうぞ。サンドウィッチはテイクアウトも可能(時期によっては休止の場合も。要予約) 。

パン好き神戸っ子も大満足。受け継がれるドイツ仕込みのおいしさ

『フロインドリーブ』のパンはすべて、隣接する工場内の煉瓦窯で毎朝焼き上げられます。ハードタイプが主流のドイツパンは、きめ細かく弾力に富み、身がぎっしり。「材料を厳選して昔ながらの製法を守り、お米のように毎日食べたくなる、飽きのこない味を目指しています」と松尾さん。焼きたてパンのモーニングメニュー目当てに、朝10時の開店前から行列ができることも珍しくありません。ランチタイムのサンドウィッチは『B.L.T』など定番のほか、平日限定・日替わりのランチセットやグランドメニューの『オリジナルローストビーフサンドウィッチ』もおすすめ。食パンは表面を軽くトーストして提供され、具材との相性も抜群です。

フロインドリーブを代表する角食や山食
1階ショーケースに並ぶ食パン。トーストにもサンドウィッチにもマッチする『ソフト大サンド』(1/2)648円は、カフェのメニューでも多く使用(写真上段左から2番目)。弾力のあるモチモチ食感でミミまでおいしい『ハード大サンド』(1/2)712円(写真上段右から2番目)や、全粒粉入りの『ソフトグラハムトースト』(1/2)518円(写真上段左から3番目)が人気だそう。

1階ショップのショーケースや棚には、パン、パイ、コンフィチュール、ギフト用の焼菓子などが並べられています。「初代から受け継いだパンに加え、2代目はパイやクッキーにも力を注ぎました」。その情熱は3代目、そして現4代目へと継承。食感や味わいが異なる各種食パン、フルーツやナッツを加えてサクッと焼き上げたパイ、デニッシュ+パイ生地でしっとりしたプルンダーなど、あれもこれも大人買いしたくなります。角食と山食、ハード、ソフト、グラハム入り...地元の常連さんはしっかりお好みの"マイ食パン"があるようで、買い求める食パンに戸惑いがありません。けれども、通うたびにその日の気分で「今日はどれにしよう」と迷うのも楽しいですよね。

アップルパイやマロンパイ、大ミミが皿に並ぶ
(写真手前から時計回りに)サクッとした軽い食感の『アップルパイ』『マロンパイ』各427円。ドイツで縁起がよいとされる豚の耳をモチーフにしたパイ『大ミミ』1枚427円。芳醇なバターの香りと、表面を香ばしくキャラメリゼされた"ミミ"は、大中小サイズがあり、クッキーなど焼菓子の詰め合わせも多種。

【この街が好き/STAFF VOICE】

フロインドリーブ 店長 松尾美穂さん

卒業研究は観光都市・神戸。六甲山や布引ハーブ園でリフレッシュ!

私は大学で観光学を学び、卒業研究テーマが"神戸"でした。明石で生まれ育ち、現在は北摂に住んでいますので、海と山の両方が間近にある神戸で働けてうれしいです。六甲山は夜景やアスレチック、季節のイベントなども楽しめるので、私にとって神戸はお気に入りの街。花や植物が好きで『神戸布引ハーブ園』へもよく行きますね。『神戸三宮駅』からロープウェイの『ハーブ園山麓駅』まで歩いて20分強の坂道も慣れたものです(笑)。
フロインドリーブ 店長 松尾美穂さん


フロインドリーブ外観

●フロインドリーブ
営業時間/1階ショップ10:00~18:00、2階カフェ10:00~17:00(16:30 L.O.)
定休日/水曜 ※祝日の場合、翌木曜休
電話/078-231-6051
神戸市中央区生田町4-6-15
http://h-freundlieb.com/wp1
https://www.instagram.com/ghb.freundlieb/
※休業日等についてはインスタグラムをご確認、もしくはお問い合わせください。

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