阪急阪神ホールディングスグループの住宅開発は、
家族全員が楽しめることを目指した沿線価値づくり。
阪急阪神ホールディングスグループの歩みは、阪神電気鉄道が、1905年に日本最初の都市間を広軌高速で運行される電車の営業運転を大阪(出入橋)から神戸(三宮)間で開始したことから始まります。
最初の住宅事業として1909年、西宮停留所前で32戸の借家を造り、割安な家賃で住めることで好評を博しました。また住宅事業を進めるだけではなく、郊外での生活を勧める「郊外生活」(1914年)を出版。趣味の園芸を通して郊外生活を楽しむライフスタイルを提案し、郊外生活のPR活動も行っていきます。
1907年、小林一三翁が設立した箕面有馬電気軌道(現 阪急電鉄)が、大阪梅田と郊外を結ぶ鉄道の開発を始め、1910年に梅田~宝塚間、石橋~箕面間が開通しました。この時一三翁は、住環境が悪化した都会で暮らす人々に、「田園趣味に富める楽しき郊外生活」と豊かな自然の中での新生活を勧めています。それが池田駅の近くで開発された「池田室町住宅」です。鉄道の敷設と住宅開発を同時に行う日本初の街づくりであり、また、住宅ローンを考案し、サラリーマンが月賦で買える分譲住宅の始まりでもあります。「池田室町住宅」では娯楽部の建設や住民が運営する購買組合の設立など、ユニークな特徴も持ち合わせた住宅開発でした。


鉄道の開業、池田室町住宅の開発と同じ年、箕面に日本で3番目となる動物園「箕面動物園」を開園し、ライオンやトラ、ゾウなどが飼育されました。当時、民間の動物園としては日本最大級の規模を誇り、訪れる人の心を躍らせる竜宮城のような形をした入場門など、多くの特徴をもつ動物園としてにぎわいました。その後、箕面の自然を保護していくため1916年に閉鎖されましたが、多くの人々に楽しい思い出を残しました。
一方、宝塚では1911年に武庫川の左岸において大理石造りのモダンな大浴場を中心に家族で遊べる娯楽施設を集めた「宝塚新温泉」が営業を開始。日本初の室内プールをはじめ、さまざまなレジャー施設を集めた「宝塚新温泉パラダイス」が造られました。
しかし、室内プールには暖房も温水設備も無かったため夏でも寒く、また当時は男女共泳が禁止だったために人気がでず、閉鎖となりました。小林一三翁は屋内プールの施設を改造して、プールと見物席を客席に、脱衣所にあった場所を舞台とし、華やかな歌や踊りを披露する「宝塚少女歌劇」が始められ、それが今の宝塚歌劇につながっています。他にも宝塚新温泉では、婚礼博覧会(ブライダルフェア)など、女性も楽しめる催しが開かれ、男性向けのエンタテインメントが多かった中で、女性や子供も楽しめるような開発が進められました。


1922年、阪神電気鉄道は現在の甲子園エリアの廃川敷を兵庫県から譲り受け、野球場や遊園地等のスポーツ・レジャー施設の開設、大規模な住宅地の開発に着手しました。野球場はアメリカのニューヨーク・ジャイアンツの設計図を入手し、アメリカの野球場をモデルに約6万人を収容する日本最大級のものを目指して建設。1924年に竣工したこの野球場はのちに甲子園球場と命名され、中等学校(高校)野球の隆盛とともに全国に名を広めました。1928年に分譲開始した住宅地は、戦前の阪神間における民間住宅地開発として商業的にも成功。「阪神パーク」には、動物園のほか、当時「世界一ノ大水槽」を擁する阪神水族館も開設されました。
1929年には、阪神急行電鉄(現 阪急電鉄)が毎日、多くの人が行きかう梅田駅に百貨店をつくり、そのままお客様として利用してもらうことを考え、日本初のターミナルデパートとなる阪急百貨店が創業しました。


1986年には、宝塚に約188haの広さの計画地に豊かな自然環境を活かした緑住都市を形成することを目指した「阪急宝塚山手台」の大規模開発がスタート。
2006年10月、阪急ホールディングスと阪神電気鉄道が経営統合し、阪急阪神ホールディングスが発足。鉄道事業をベースに住宅や商業施設などの開発から阪神タイガースや宝塚歌劇などのエンタテインメントの提供に至るまで、多岐にわたる分野において、それまでになかったサービスを次々と提供することにより、阪急・阪神沿線をはじめ良質な「街づくり」に貢献し続けています。
その開発の数だけ、たくさんの人が住み、多くのお店が営まれています。そして、新しく住む人とこれまで住んできた人々との交流から文化が受け継がれて、街が育てられていきます。
2025年、阪急阪神不動産の住まいブランド「ジオ」は、35周年を迎えました。
割安な家賃とすることで模範となることを目指した「西宮停留所前の借家」やサラリーマンが買える住宅をという想いから造られた「池田室町住宅」から始まった阪急阪神ホールディングスグループの住まいが、ひとつのブランドとして形づくられて35年。
これからも当社は、住まいを、街を造り、育てていきます。