リノベーション費用がいくら必要なのか不安な方へ。この記事では、マンション・戸建ての費用相場を平米数や工事内容別に詳しく解説します。さらに、費用の内訳から予算内で理想の住まいを実現するためのコツ、利用できる補助金制度まで、必要な情報を網羅的にご紹介します。
リノベーション費用の総額相場はいくら?
•【早見表】マンションの広さ別リノベーション費用相場
•【早見表】戸建ての広さ別リノベーション費用相場
•フルリノベーションと部分リノベーションの費用感の違い
リノベーション費用の詳しい内訳
•設計料・デザイン料
•工事費(仮設・解体・木工・内装・設備など)
•諸経費(現場管理費・消費税など)
【工事箇所別】部分リノベーションの費用相場
•キッチンリフォームの費用
•浴室・ユニットバスリフォームの費用
•トイレリフォームの費用
•洗面所リフォームの費用
•リビング・内装リフォームの費用
•間取り変更にかかる費用
リノベーション費用を左右する5つのポイント
•物件の広さと形状
•内装材や設備のグレード
•間取り変更の規模
•物件の現在の状態(築年数や劣化状況)
•戸建ての場合は外装工事の有無
リノベーション費用を賢く抑える6つのコツ
•既存の間取りを活かしたプランを検討する
•設備や建材のグレードにメリハリをつける
•複数の工事をまとめて依頼する
•ワンストップリノベーション会社を選ぶ
•国や自治体の補助金・助成金制度を活用する
•住宅ローン控除(減税制度)を確認する
失敗しないリノベーション会社の選び方
•施工実績が豊富でデザインの好みが合うか
•見積もりの内容が詳細で分かりやすいか
•担当者との相性が良く、相談しやすいか
まとめ
「理想の住まいを実現したいけれど、リノベーション費用が一体いくら必要なのか見当もつかない...」そんな不安をお持ちではないでしょうか。リノベーションは、物件の状態や工事内容によって費用が大きく変動するため、計画を立てるのが難しいと感じる方も少なくありません。この記事では、リノベーションに必要な費用の相場から詳しい内訳、予算内で理想を叶えるためのコツまで、分かりやすく解説します。資金計画の第一歩として、ぜひお役立てください。
リノベーション費用の総額相場はいくら?
リノベーションを検討する際、まず気になるのが「総額でいくら必要か?」という点です。費用は物件の種類(マンションか戸建てか)や広さ、工事の規模によって大きく異なります。ここでは、フルリノベーション(内装や設備を全面的に刷新する工事)を想定した費用相場を解説します。
【早見表】マンションの広さ別リノベーション費用相場
マンションのリフォーム費用は、住宅リフォーム推進協議会が行った2023年度実態調査によると、1平米あたり約4万円が実際の相場です。これを基に、専有面積別の費用相場を以下の表にまとめました。

上記はあくまで目安であり、高グレードな材料や大幅な間取り変更を伴うリノベーションでは1平米あたり約15万円~約20万円になる場合もあります。特にキッチン、浴室や洗面といった水まわり設備の移動には追加の配管工事費がかかるため、高額になる傾向があります。
参考:住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査結果報告書
【早見表】戸建ての広さ別リノベーション費用相場

戸建ての場合、マンションと異なり外壁や屋根、耐震補強といった建物構造部分の工事も対象となるため、費用相場は1平米あたり約10万円~約22万円と幅が広くなります。

戸建ては、内装工事に加えて、外壁塗装や屋根の葺き替え、耐震補強、断熱工事などが必要になるケースが多く、その分費用が上乗せされます。物件の劣化状況を事前にしっかり確認することが重要です。
フルリノベーションと部分リノベーションの費用感の違い
リノベーションは、家全体を刷新する「フルリノベーション」と、LDKを拡張してサンルームを造るなどより快適な空間に改修する「部分リノベーション」に大別されます。
フルリノベーションが数百万円から1,000万円以上かかるのに対し、部分リノベーションは数十万円から対応可能なケースもあります。まずはどこをどのように変えたいのか、優先順位を整理することが、適切な予算計画に繋がります。
リノベーション費用の詳しい内訳
リノベーション費用の見積書を見ると、様々な項目が並んでいて複雑に感じるかもしれません。費用は大きく分けて「設計料」「工事費」「諸経費」の3つで構成されています。それぞれの内容を理解することで、費用の妥当性を判断しやすくなります。
設計料・デザイン料
設計料・デザイン料は、リノベーションのプランニングや設計図面の作成、デザイン提案に対して支払う費用です。工事費の約10%~約15%程度が目安とされていますが、依頼する設計事務所やリノベーション会社によって算出方法は異なります。デザイン性の高い空間を依頼する場合や、複雑な設計を要する場合は費用が高くなる傾向があります。
工事費(仮設・解体・木工・内装・設備など)
工事費はリノベーション費用の大部分を占める項目で、以下のような専門工事の合計費用です。

これらの工事費は、使用する材料のグレードや工事の範囲によって大きく変動します。
諸経費(現場管理費・消費税など)
諸経費には、工事全体を管理・監督するための現場管理費や、リノベーション会社の一般管理費、書類申請費用などが含まれます。消費税は諸経費に含まれるのではなく、工事費全体(直接工事費+諸経費)に対して別途課税されます。これらの管理費は工事費の約5%~約15%程度が一般的で、規模により約5%~約25%の範囲で変動します。見積書では「諸経費一式」とまとめられていることもありますので、内訳を確認することをおすすめします。
【工事箇所別】部分リノベーションの費用相場
家全体ではなく、気になる部分だけをリノベーションしたい場合の費用相場をご紹介します。予算に合わせて、どこから手をつけるか検討する際の参考にしてください。
キッチンの部分リノベーション費用
キッチンの部分リノベーション費用は、約50万円~約150万円が標準的な価格帯です。システムキッチンのグレードや、壁付けから対面式へのレイアウト変更などによって大きく費用が変わります。レイアウト変更に伴う配管位置の変更や電気工事は約20万円程度で、キッチン本体の費用やその他の改修工事などを含めると総費用が100万円以上になるケースもあります。
【関連記事】リフォーム前に知っておきたい!キッチンの種類と特徴|すまいのスタディ|阪急阪神すまいのコンシェル
浴室・ユニットバスの部分リノベーション費用
浴室の部分リノベーション費用は、約50万円~約150万円が標準的な価格帯です。最新のユニットバスは保温性や清掃性に優れたものが多く、満足度の高いリフォーム箇所の一つです。在来工法(タイル貼りなど)の浴室からユニットバスへ交換する場合は、解体や土台工事が必要になるため費用が高くなる傾向があります。
トイレの部分リノベーション費用
トイレの部分リノベーション費用は、約15万円~約50万円が標準的な目安です。便器本体の機能(タンクレストイレ、温水洗浄機能など)によって価格が変動します。壁紙や床材の張り替えを同時に行うことで、空間全体の印象を大きく変えることができます。
洗面所の部分リノベーション費用
洗面化粧台の部分リノベーション費用は、約15万円~約50万円が標準的な相場です。洗面台のサイズや収納力、デザインによって費用が変わります。内装や空間を利用した収納棚の造作も合わせて行うと、より使いやすく快適な空間になります。
リビング・内装の部分リノベーション費用
リビング・内装の部分リノベーション費用は、工事内容によって大きく異なります。例えば、6畳の部屋の壁紙(クロス)を張り替える場合は約5万円前後から可能です。同じ6畳の部屋のフローリングを張り替える場合は、約10万円以上が目安となります。

間取り変更にかかる費用
間取り変更は、壁を撤去したり新設したりする工事で、1箇所あたり約10万円~約60万円が目安です。ただし、建物の構造を支える重要な壁(耐力壁)は撤去できない場合があります。また、壁の撤去に伴い、電気配線の移設や床・壁の補修が必要になるため、追加費用が必要になることを念頭に置いておきましょう。
リノベーション費用を左右する5つのポイント

同じ広さの物件でも、リノベーション費用に差が生まれるのはなぜでしょうか。費用を大きく左右する5つのポイントを理解し、予算計画に役立てましょう。
物件の広さと形状
基本的に、施工面積が広くなるほど、使用する資材の量や作業量が増えるため費用は高くなります。また、正方形に近い間取りよりも、凹凸の多い複雑な形状の物件の方が、工事の手間が増えコストが上がる傾向にあります。
内装材や設備のグレード
費用に大きく影響するのが、内装材や設備のグレードです。例えば、床材を一般的な複合フローリングにするか、質感の高い無垢材にするか、キッチンを標準グレードにするか、海外製のハイグレードなものにするかで、数十万円から数百万円の差が出ます。こだわりたい部分と、コストを抑える部分のメリハリをつけることが重要です。
間取り変更の規模
壁の撤去や新設、特にキッチンや浴室など水まわりの位置を大きく移動させるような間取り変更は、解体費用や配管・配線工事が追加で発生するため、費用が高額になります。既存の間取りを活かすことで、コストを抑えることが可能です。
物件の現在の状態(築年数や劣化状況)
中古物件を購入してリノベーションする場合、その物件の築年数や劣化状況が費用に大きく影響します。築年数が古い物件では、壁や床の下地が傷んでいたり、給排水管や電気配線が老朽化していて交換が必要になったりするケースがあります。目に見えない部分の補修・改修費用が想定以上にかかる可能性があるため、事前の現地調査が非常に重要です。
戸建ての場合は外装工事の有無
戸建てのリノベーションでは、内装に加えて外壁の塗装や張り替え、屋根の防水工事や葺き替えが必要になる場合があります。これらの外装工事は、足場の設置が必要になるなど大がかりな工事となるため、それぞれ100万円以上の追加費用が必要となることもあります。
リノベーション費用を賢く抑える6つのコツ
予算内で満足のいくリノベーションを実現するためには、費用を賢く抑える工夫が必要です。ここでは、すぐに実践できる6つのコツをご紹介します。
既存の間取りを活かしたプランを検討する
前述の通り、大規模な間取り変更、特に水まわりの移動は費用が高額になる大きな要因です。既存の間取りや配管の位置を活かしたプランを考えることで、解体費用や設備工事費を削減できます。
設備や建材のグレードにメリハリをつける
すべての設備や建材をハイグレードなもので揃えるのではなく、こだわりたい部分とそうでない部分を明確に分けましょう。例えば、「キッチンは憧れのメーカーのものを採用するけれど、あまり使わない部屋の壁紙は標準的なものにする」といったように、予算配分にメリハリをつけることが賢いコストダウンの秘訣です。
複数の工事をまとめて依頼する
将来的にもリフォームを考えている箇所がある場合、一度にまとめてリノベーション依頼することでトータルの費用を抑えられる可能性があります。工事が複数回に分かれると、その都度、現場の準備や人件費などの諸経費が発生してしまいます。工事をまとめて行うことで、これらの費用を抑えることができます。
ワンストップリノベーション会社を選ぶ
中古物件の購入とリノベーションを同時に検討している場合は、「ワンストップリノベーション」サービスを提供している会社を選ぶのがおすすめです。物件探しから設計、施工までを一貫して行ってくれるため、窓口が一つでスムーズに進むだけでなく、不動産仲介手数料や設計料が割安になる場合があります。また、リノベーションに適した物件探しのノウハウも豊富です。
国や自治体の補助金・助成金制度を活用する
リノベーションの内容によっては、国や自治体が実施している補助金・助成金制度を利用できる場合があります。特に、耐震補強、断熱改修、バリアフリー化といった省エネ性や安全性を高める工事が対象となることが多いです。申請期間や条件が定められているため、お住まいの自治体のホームページなどで最新情報を早めに確認しましょう。
参考:住宅:住宅リフォームの支援制度※令和7年6月2日時点-国土交通省
住宅ローン控除(減税制度)を確認する
一定の要件を満たすマンションや戸建て住宅でリノベーション工事を行った場合、所得税が控除される「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」を利用できる可能性があります。こちらも一定の要件を満たす省エネ改修やバリアフリー改修などが対象となりやすく、年末のローン残高に応じて税金が戻ってくる制度です。資金計画を立てる上で大きなメリットとなるため、自治体や税務署のホームページなどで事前に確認しておきましょう。
【関連記事】新築とここが違う!中古リノベーションで気になるお金のこと|すまいのスタディ|阪急阪神すまいのコンシェル
失敗しないリノベーション会社の選び方
リノベーションの成功は、パートナーとなる会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。数多くの会社の中から、信頼できる一社を見つけるためのポイントをご紹介します。
【関連記事】失敗を防ごう!中古住宅のリノベーション時に知っておくべきポイント|すまいのスタディ|阪急阪神すまいのコンシェル
施工実績が豊富でデザインの好みが合うか
まずは、会社のホームページなどで過去の施工事例を確認しましょう。リノベーションの実績が豊富であることはもちろん、そのデザインが自分の好みや理想とするイメージと合っているかが重要です。自分たちが実現したい空間のイメージに近い事例を多く手がけている会社であれば、話もスムーズに進みやすいでしょう。
見積もりの内容が詳細で分かりやすいか
複数の会社から相見積もりを取ることをおすすめします。その際、単に総額の安さだけで判断するのではなく、見積書の内容をしっかり比較検討しましょう。「一式」といった曖昧な表記が多用されておらず、どのような工事にどれくらいの費用が必要なのか、詳細で分かりやすく記載されている会社は信頼できます。不明な点があれば、納得できるまで説明を求めましょう。
担当者との相性が良く、相談しやすいか
リノベーションは、計画から完成まで数ヶ月にわたる長い付き合いになります。そのため、担当者との相性は非常に重要です。こちらの要望を親身になって聞いてくれるか、専門的な内容を分かりやすく説明してくれるか、そして何でも気軽に相談できる雰囲気があるか、といった点を見極めましょう。初回の相談や打ち合わせの際の対応が、一つの判断材料になります。
まとめ
リノベーション費用は、物件の種類や広さ、工事内容によって大きく変動しますが、相場観を掴み、費用を左右するポイントを理解することで、現実的な資金計画を立てることが可能になります。また、マンションでリノベーションを行う際には、あらかじめリノベーション内容を管理組合に申請し、管理組合の許可を得てからの工事開始となるため、ある程度の期間が必要となります。管理規約などでリノベーション内容に制限が設けられている場合もありますので、注意が必要です。費用を抑えるコツや補助金制度なども賢く活用しながら、信頼できるパートナーを見つけ、理想の住まいづくりを実現してください。






