すまいのスタディ

2024.04.22

住まいの保険。わが家はどこまで守れていますか?

[画像]

不動産を購入する際には、住まいそのもののほかに住宅ローンや保険など、さまざまな契約・手続きがあります。特に、保険の加入時は補償内容の比較や精査をじっくりとしないまま、契約・手続きを進めてしまったというケースもあるようです。

今回は、火災やさまざまな自然災害などから住まいと暮らしを守る火災保険のお話です。
まさか!の火災、万が一の災害が起こったとき、必要十分な補償が受けられる内容になっているでしょうか。

これからお住まいを購入される方は、火災保険選びの参考にぜひご一読ください。既に不動産を所有している方は、加入済保険の補償内容を改めて確認してみてはいかがでしょうか。

火災による損害を補償する火災保険とは?

火災により建物や家財などが損害を受けた際、その補償をするのが火災保険です。火災だけでなく、台風や水害など自然災害による損害も補償されます。
補償対象は建物と家財の2つに分けられることがポイントで、保険会社のプランでも"建物のみを補償"、"家財のみを補償"、"建物+家財を補償"と分かれています。
3つのプランの概要をおさらいしておきましょう。

【建物のみ保障】

「建物」とは、被保険者が所有する住居にのみ使用される建物が補償の対象。
マンションでは専有部分のみが補償対象となり、共用部分にあたるバルコニーや共用廊下は通常範囲に含まれません。一方、戸建は建物本体以外に、門や塀、生垣、物置、車庫なども補償の対象となります。

【家財のみ補償】

「家財」とは、被保険者と同じ住まいに暮らす家族全員の所有物が補償の対象。
一例を挙げれば、家具や家電製品、貴金属、宝飾品、自転車などのほか、パソコンや衣類といった家庭用品も含まれます。
注意しておきたいのが、火災保険にある「明記物件」という考え方。一般例として、1つまたは1組の価額が30万円を超える高価な宝飾品や美術品などは、あらかじめ申込書に申告しておかないと補償の対象に含まれない場合があるのです。所有家財も財産ですよね。高価な所有物がある場合は必ず明記しておきましょう。

【建物+家財を補償】

「建物」・「家財」両方の損害に備えられるこちらのプランは、選択肢として一般的ではないでしょうか。
「建物」と「家財」を別々に契約するケースには、補償内容や保険期間を分けたい、あるいは「明記物件」を考慮して補償内容を定期的に見直したいといった場合が考えられます。

"火災"以外に補償されるのはどんな場合?

自然災害では、台風や水害、落雷、大雪や雹(ひょう)などによる建物や家財の損害も補償を受けられ、これらの災害復旧のために発生した費用なども含まれることが多いといいます。ほかに、ガス漏れによる爆発、配水管のトラブルや水漏れ、強盗・窃盗によって建物が壊されたり、家財が盗まれた場合なども補償の対象となります。
補償内容は保険会社やプランによって異なり、その範囲が広いプランは保険料も高くなりがちなためよく比べて検討することが必要です。

見落としがちな特約(オプションプラン)

火災保険には、いわゆる特約といわれるオプションプランがあります。より手厚い補償や、近隣など第三者への損害賠償へ備える目的として検討してみてもいいでしょう。代表的な特約例を2つ挙げておきます。

◎個人賠償責任特約

第三者に対して法律上の賠償責任を要するときにかかった費用を補償する特約です。
例えば、自転車で人にぶつかりけがをさせてしまったり、子どもがお店の商品を触っていて壊してしまったなど、日常生活における他者への損害賠償が発生した際に頼りになります。

◎類焼損害補償特約

火災や破裂・爆発事故による火災が近隣に燃え移ってしまったときに、類焼先の火災保険で損害をカバーしきれない場合、差額分を補償する特約です。近年は、キッチン家電の使用法を誤り、爆発や火災につながるケースもありますね。すぐに消火できず、類焼に至ることも日常で考えられないことではないのです。

特約の具体的な補償内容や対象範囲は、契約する保険会社やプランにより異なります。単独では加入しにくいものなので、セットプランにすると安心ですが、契約前に詳しい内容と保険料を確認した上で判断するようにしましょう。

"地震"だけは、火災保険で補償されない

世界有数の地震多発国・日本ならではともいえる地震保険。地震による被害に備える保険ですが、こちらも単独で契約はできず火災保険とセットでの契約です。
一般の保険と異なり「地震保険に関する法律」に基づき補償に関する内容が決められていることが特徴です。保険金は政府と保険会社が共同で負担しており、公共性が高い保険だということを知っておきましょう。

知っておきたい、火災保険料と保険期間のいま!

頻発する地震や台風、豪雨などによる自然災害。これらの影響により、近年、火災保険料は値上がり傾向にあります。
火災保険の保険料は、将来の災害発生の確率や予想される保険金の支払額などをもとに算出されています。想定よりも自然災害の頻度が高ければ保険会社の収支は悪化し補償の提供を続けることが難しくなるのです。
2022年10月、各保険会社の保険期間は最長10年から5年に短縮されました。保険料とは、長期契約になるほど割安になるよう設定されています。10年間の契約期間中の補償内容が変わらないとして、10年契約と5年契約2回であれば、後者の保険料総額の方が高くなりますね。
保険料の値上げは契約期間が終了し、更新するときに適用されます。契約期間が最長5年と短くなって更新の機会が増えるということは、更新のたびに保険料の値上がりが発生する可能性もあるということです。

保険を見直すことの大切さ

保険料を安くしたい場合、月払や年払より最長契約期間一括払が割安です。転居など将来の予定に不安があっても、一括払いは途中解約時には未経過分の保険料が返ってくるので心配はいりません。

既に保険加入済の方は、契約更新の際に家財の補償内容や特約など必要がない補償を外すことで保険料を安くすることができます。契約更新時には補償内容だけでなく、保険会社そのものの見直しも一考です。

火災保険は保険申請の回数に制限がありません。損害が認められれば契約期間内なら何度でも申請できますし、一度申請したからといって保険料が上がるようなこともありません。補償内容を理解しておけば、日常生活での有事にも保険金が受け取れるかもしれないことを忘れずに。

まとめ

最後に、もしも加入している保険会社が破綻したら?
日本の保険会社は、外資系も含めてすべて、生命保険会社・損害保険会社別に設立された保険契約者保護機構の会員です。もしも、保険会社が破綻したとしても、保険契約者保護機構が契約者を保護するため、破綻後3か月間に発生した保険事故に対する保険金は全額支払われるよう補償されています。それ以降は、破綻保険会社の保険契約の移転などを受け入れる救済保険会社か、保険契約者保護機構が契約を引き継ぎます。この際、契約内容が変更されることもある点は理解しておきましょう。
かけていた保険が消えてしまうことはないので安心して保険の契約ができますね。

不動産に関するお悩みやお困りごとは、『阪急阪神不動産』にぜひご相談ください。

※2024年3月30日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。

関連記事

[画像]

#マネー

#買いたい

"住宅ローンのための保険"、団信で失敗しない基礎知識

関連記事については、リンク先のコンテンツが表示されないケースがございます。予めご了承ください。