すまいのスタディ

2018.03.28

不動産売却~引き渡しまでの流れ~

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家族構成やライフスタイルの変化、相続など、不動産を売却する理由はさまざま。ほとんどの方が初めて経験することなので不安点がたくさんあるかと思います。初めに「何から始めたらいいの?」と戸惑うことになるでしょう。

そこで、不安点を少しでも軽くするため、不動産売却をしようと決めたときから、引き渡しまでの流れを確認しておきましょう。

家を売るための流れ

「どんな流れで進めればいいか?」というおおまかな流れについて説明します。

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INDEX
① 査定をしてもらう
② 不動産会社が物件調査をする
③ 不動産会社と媒介契約を結ぶ
④ 売却活動をする
⑤ 買主と売買契約を結ぶ
⑥ 買主に引き渡しを行う
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(1)査定をしてもらう

まずは「どのくらいの額で売却できるか?」を知るために、「査定」をしてもらうことから始めます。査定には「机上査定」と「訪問査定」の2パターンがあります。

「机上査定」は不動産の立地や面積などの情報だけで査定ができ、インターネットや電話などで完結するので簡単です。

ただ、机上査定では、過去の売買事例を参考にした大まかな数字しか出ません。机上査定で分かるのは、単なる相場価格です。より具体的な査定をしてもらうには「訪問査定」が必要です。室内保守状況・陽当り・リフォーム履歴等、訪問査定でしかわからない点を確認することで、より詳細な査定価格がわかります。
査定額は不動産会社によって異なる場合があるので、複数社に訪問査定を依頼してみるといいでしょう。

(2)不動産会社が物件調査をする

法務局や市役所等で不動産会社が物件の調査を行います。

(3)不動産会社と媒介契約を結ぶ

何社かに訪問査定をしてもらい、媒介契約をする会社を選択します。

媒介契約には、何社も同時に依頼できる「一般媒介契約」や、1社のみに依頼する「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類の方法があります。媒介契約の種類によって、売り手の自由度や不動産会社の対応方法などそれぞれ特徴がありますので、自分に合った契約方法を検討するようにしましょう。

(4)売却活動をする

媒介契約を結んだ不動産会社が、広告などにより売却活動をします。初めは、自分の売却希望価格からスタートすることが多いですが、売れにくい場合には不動産会社と打ち合わせのうえ、価格を下げるなど調整していくことになるでしょう。

(5)買主と売買契約を結ぶ

買主が現れたら価格や引き渡し時期などの条件交渉をします。お互いに納得できたら、売買契約を結びます。不動産会社によって異なりますが、売買契約時に仲介手数料の一部を支払うこともあるので、しっかり確認することが大事です。

(6)買主に引き渡しを行う

引き渡し日には、買主からの代金の受領をもって抵当権の抹消や所有権移転手続きが行われます。売主の住宅ローンの残債がある場合には、事前に金融機関との連絡が必要です。買主側が住宅ローンを利用する場合も多いので、その場合には買主指定の金融機関が決済場所となります。

引き渡しの日には、権利証(登記識別情報通知書)や印鑑証明書など、さまざまな書類が必要になります。また、不動産会社への仲介手数料や司法書士への報酬など売主側の支払いもあります。当日慌てることがないように、不動産会社の担当者としっかり打ち合わせをしておきましょう。

※「仲介」と「買取」の違い

一般的には、買主との間に不動産会社に入ってもらう「仲介」で売却依頼をする方法を思い浮かべますよね。実は、それ以外の選択肢として「買取」で売却する方法もあります。これらは、まったく違う方法です。不動産会社から「買取」の方法を提案されるケースもあるので、違いについては知っておくようにしましょう。

仲介とは?

仲介は、売主と買主の間に不動産会社が介入する売却方法です。仲介で買主が見つかり、さらに売買契約が成立すれば不動産会社に「仲介手数料」という名の報酬を支払います。
計算方法は、「物件価格の3%+6万円」が上限となっています。(物件価格が400万円以上の場合)

仲介のメリットは、周辺相場や自分の希望に近い価格での売却ができるので買取と比較すると高く売れるということです。ただ、買主が見つかるまでの期間の予想がつかず売却が長期化することもあるので、時間的余裕がある人におすすめです。

買取とは?

買取は、不動産会社が直接買い取ってくれるので「買主を見つける」という作業がなくスムーズに進み、仲介手数料は不要です。「すぐに売りたい」というときには、不動産会社が提示する金額に納得できれば「売却→入金」とスピーディに不動産の現金化ができる方法です。

また、直接買取するので「ローン特約」はありません。買主が一般の人の場合で、住宅ローンを利用する場合には、売買契約にローン特約がつきます。この特約は、売買契約後に「ローンが通らなかったため不動産が購入できない」という事情が発生すれば、違約金なしで契約の解除が可能というもの。売主側にしてみれば、契約は白紙に戻り、さらには「売却活動の仕切り直し」となり、時間的な損失となります。買取なら、こういった心配もいらず、すぐに現金が手に入ります。

不動産会社の選び方

大切な不動産を売るのですから、「できるだけ高額で」そして「気持ちの良い売買」をしたいものですよね。それには、売却のパートナー選びが重要な「カギ」となります。

そこで、信頼できる不動産会社を選ぶためのチェックポイントをお伝えしたいと思います。

不動産会社が得意とする仕事内容をチェック!

ひとくくりに不動産会社と言っても賃貸物件の仲介を主に取り扱っている会社、売買を主に取り扱っている会社、大規模開発を中心業務としている会社、投資物件の扱いに慣れている会社など、得意とする分野が違うものです。

今売ろうとしている不動産が一戸建てなら「一戸建ての売却が得意」という会社に依頼するのが近道です。

それには会社の広告内容のチェックをすると良いでしょう。チラシやホームページの目立つ部分にその会社が力を入れている物件を紹介しているので、どんな物件を主に取り扱っているかの確認もできます。また、地域に強い不動産会社を選ぶことで「地元だからこそ」という強みで売却がスムーズに運ぶこともあります。

実際に会って第一印象をチェック!

訪問査定をしてもらうときに、売主側で不動産会社の担当者をチェックするようにしましょう。まずは、第一印象のチェックです。パッと見た瞬間に「誠実そうだ」「清潔感がある」というのは大事なポイントです。

また、次にチェックしたいのが分かりやすい説明をしてくれるかということです。訪問査定では、売主側は分からないことをいろいろと質問するものです。なかには、売主の話をほとんど聞かずに専門用語を並べて業務的に説明する人もいます。プロである不動産会社にとっては日常的な言葉であっても、初めての経験である売主側にすると分からないことだらけなのは当然のことです。売主側の気持ちに寄り添って耳をしっかり傾けてくれる誠実な担当者かどうかチェックしましょう。

まとめ

家を売る経験は一生に一度あるかないか...と言っても過言ではない一大イベントですよね。何も分からないままだと後悔することも多いでしょう。なんとなく流れで不動産売却をスタートさせるよりも、事前に流れが分かると安心です。

また、売却の成功にはパートナーとなる不動産会社選びも重要なポイントです。売却には時間と手間がかかります。分からない点を親身になってサポートしてくれる信頼できるパートナーを見つけ、不動産の売却を成功させましょう。

※2018年3月28日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。