ぐるり街めぐり〈京都・長岡天神_東向日_西向日編〉
Shop & Gallery 竹生園(ちくぶえん)
竹の個性を尊重する、職人の心と技に魅せられる
長岡天満宮や八条ヶ池に隣接し、竹林に囲まれ、静かに佇む和の空間。ここは、1970年の大阪万博開催時に建てられた旅館をリノベーションした『Shop & Gallery 竹生園』です。茶道具づくりで磨いた技を、日常の箸や器へと広げてきた高野竹工が、自社で育てた竹や京都の寺社の古材を用い、素材の個性を生かした製品を展示・販売しています。扉を開けると、全面ガラス貼りの店内から広がる凛とした竹林はまるで一幅の絵のよう。入口で思わず足を止めてしまうほどの美しさです。ものづくり体験や竹茶碗での茶道体験、展覧会など、季節ごとに趣向を凝らした催しも行われています。

店内に並ぶのは、物語のある特別な品々です。例えば、『日向箸(ひなたばし)』1,670円は、2018年の大型台風で竹林が荒れ、強い日差しが差し込むことで生まれた独特のシミを「日向紋」と名付け、個性として生かした一品。シミを、困難を生き抜いた竹の証として捉えるその感性に心が動かされます。一つとして同じ紋様はなく、自分だけの一膳に出合えるのも魅力でしょう。ほかにも、茅葺屋根の古民家で、囲炉裏の煙でいぶされた煤竹を使った貴重な楊枝など、ストーリーもさまざま。身近にありながら、竹製品に触れる機会が減ってきている今、竹の良さを見直すことのできる場所です。

歴史や伝統を身近に感じる暮らしを、その一品から
製品づくりの過程で残る竹の端材は、アクセサリーとして新たな命を吹き込んでいます。竹林の手入れに手間を惜しまず向き合い、竹の一節一節を慈しんでいるからこそ、無駄なく生かす愛情が芽生えるのでしょう。淡い色合いの白竹をカットして連なる泡を表した『竹ピアス-泡[ abuku ]-』7,260円や、竹の節を丸く抜き、一部に金箔・銀箔をあしらったブローチ『節ブローチ 木地×金箔・銀箔』4,400円など。身につけることで、竹の質感や職人の手仕事の美しさを日常の中でも感じられる、特別なアクセサリーです。

「実際にご来店いただき、品々の佇まいや手触り、質感まで感じてほしい」と話すのは、高野竹工の井澤葉子さん。社内には、竹を切り出す伐り子から、素材を形にする職人、仕上げを担う漆師や蒔絵師など、各工程の職人がそろいます。職人の知恵と技を結集した工芸品の中には、近隣にある妙喜庵や金閣寺、銀閣寺といった由緒ある寺院の古材を用いたものも。一つひとつ眺めるごとに、その背景にある歴史や文化まで見えてくるよう。家に迎えたらどんな日々になるだろうという想像を膨らませながら、お気に入りを見つけるのも楽しい過ごし方です。

【この街が好き/STAFF VOICE】

街の中に歴史を感じられる場所が多く、知的好奇心が刺激されます
この周辺は、八条宮家の智仁親王が細川幽斎から『古今和歌集』の奥義を授かった『古今伝授の間』が長らく存在していたことでも知られています。さらに、明智光秀の娘・珠(ガラシャ)が細川忠興と暮らした勝龍寺城にちなんだ『長岡京ガラシャ祭り』が毎年11月に開催されるなど、歴史や文化の名残を街のあちらこちらで感じられます。「知りたい」「学びたい」という好奇心が自然と湧き上がる、伝統と物語に満ちた街ですよ。
高野竹工株式会社 企画営業部 部長 井澤葉子さん

●Shop & Gallery 竹生園
営業時間/10:00~17:00(11~2月は16:30まで)
定休日/火曜・水曜・木曜
電話/075-925-5673
京都府長岡京市天神2丁目15-15 錦水亭竹生園内
https://www.takano-bamboo.jp/shop/chikubuen.php
https://www.instagram.com/chikubuen/
◇記載しています営業データ・商品・価格等は2026年1月6日時点の情報です。
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