カラフルで食感も楽しい。"おいり"で飾ったクリームソーダ

西院の住宅街に佇む、小さなカフェ。この店の人気メニューは『おいりクリームソーダ』750円～。メロン、レモン、そして季節の限定メニュー（取材時は赤紫蘇）を加えて3種類あります。おいりとは、餅米でつくったあられの一種で、香川県の郷土菓子。香川好きの店主、上羽広一さん・智子さんご夫婦が現地のおいりソフトからアイデアを得て、メニューに取り入れたのだそうです。すると、バニラアイスクリームにちりばめられたカラフルな丸いおいりが愛らしく、「SNS映えする」と話題に。もちろん見た目だけでなく、おいりのさくさく感とアイスクリームのしっとり＆シャリシャリ感、ソーダのしゅわしゅわっとした爽快感が組み合わさって、大人気になりました。

さらに同店のもう一つの人気メニューが、ご夫婦のおすすめデザートのひとつ、『カスタードプリン』530円。ご主人の広一さんの「理想的なプリンを食べたい！」という夢をかなえるため、奥様の智子さんが何度も何度も試作を重ねては、味やかたさを調整し、ようやく完成にこぎつけた "こだわりの逸品"。食感はややかためのクラシックタイプで、コクがあってほんのり甘く、どこか懐かしい味わいです。材料は卵と牛乳、砂糖だけとシンプル。時間をかけて丁寧に作り上げた店主のお気に入りプリン、ぜひ一度味わってみてください。

写真2 — ケーキのように三角形にカットされ、上には生クリームとフルーツをトッピング、横にはアイスクリームが添えられた「NOTTA CAFE」のカスタードプリン。雑誌や書籍などで活躍されている人気イラストレーターのyamyamさんに描いてもらった猫の旗もキュート！

「好き」と「おいしいもの」。ご夫婦の想いが詰まったカフェ

古民家をリノベーションしたこのカフェには、白壁や窓など、そこかしこにイラストレーターyamyamさんの心なごむイラストが点在しています。そして、温かみのある木製のテーブルや棚、奥には木々の緑が美しい小さなお庭も。おしゃれな空間なのに、どこかほっとする居心地の良さがあるのは、この建物がかつて広一さんのお祖父さんが暮らしていたおうちだったからかもしれません。ゆったり、のんびり...とした時間が流れていきます。

写真3 — かわいい猫ちゃんの看板が目印。これもお店の雰囲気と上羽さん夫妻をイメージして、yamyamさんに描いてもらったそう。

写真4 — 外の様子が眺められるカウンター席。窓にはマグカップでコーヒーを飲むウサギのイラストが。ここに腰掛ければ、自分もイラストの一部になった気分に。

同店のメニューはどれも、店主ご夫婦の「こういうのが好き」「これを食べたい」という興味やアイデアから試作を重ねて完成したラインナップなのだそう。「ふたりともお酒が好きだからかな..."お酒に合いそう"とよく言われます」と智子さん。『パクチーキーマカレー』980円、『納豆と厚揚げのカレー』980円など、バリエ－ション豊富なカレーメニューや、『ガパオライス』980円、『チキンのフォー』980円といったアジアンメニューも人気です。

さらに、ふたりの好きな世界観はほかにも。ヴィンテージのセラミック製のお皿や作家さんが手作りした真鍮のカトラリーなどは、お店でも使用しているものなので、実際に使い心地を試した上で購入できます。

写真5 — 店内ではスパイスやコーヒードリップバッグなどの食品、マグカップやTシャツ、手ぬぐいといったオリジナルグッズも販売。料理を待つ間、雑貨を見てまわる楽しさも。

【この街が好き／STAFF VOICE】

都会と下町の中間くらいの、"ほどよい親しみやすさ"がいいんですよね

オープンして10年以上、ゆっくり、のんびりとしたペースで、お店を営んでいます。近くに複数の大学があるので、学生さんをはじめ、子どもから大人まで幅広い世代の、たくさんの人たちが行き交う街ですね。だけど大通りから少し離れると、穏やかでほどよい親しみやすさがあるんですよ。
NOTTA CAFE　オーナー　上羽広一さん・智子さん