すまいのスタディ

2021.02.04

バリアフリーリフォームは補助金が活用できる?

[画像]

不慮の事故や加齢など様々な理由により体の自由がきかなくなることがあります。そんな方々や、高齢者が無理なく生活できるように住まいを改修するバリアフリーリフォーム。「現状の生活をより快適に」「親や自分の高齢化により具体的にリフォームを考えている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。とはいえ、やはり気になるのは費用です。あまりにも高額では二の足を踏んでしまいますよね。実はバリアフリーリフォームには、補助金や税制優遇の制度があります。解説しますので、活用の参考にしてみてください。

バリアフリーリフォームで使える補助金等の種類

ひと口にリフォームといっても、耐震、省エネなどいくつかのカテゴリーがあり、それぞれに補助金等が設定されています。
バリアフリーリフォームの場合、目的としては、支援や介護が必要な方、あるいは高齢者が生活しやすくなるようにすることはもちろん、介護する側にとっての負担を軽減することも挙げられます。介護保険制度の要支援・要介護度の数字が高くなればなるほど、介護する側の負担は増していきますから、補助金等を利用してのリフォームは検討の価値ありです。
バリアフリーリフォームで受け取ることができる補助金には、次のふたつがあります。

介護保険からの補助金

介護保険は、加入者が保険金を納め、その費用で介護が必要な高齢者等を支える社会の仕組みです。訪問介護、デイサービスなど様々なサービスが用意されていますが、その中のひとつに「住宅改修」があり、決められた条件を満たせば補助金を受け取ることができます。

条件というのは、補助金を受けようとする人が「要支援」または「要介護1~5」の認定を受けていること、さらに本人が所有する「介護保険被保険者証」に記されている住所の居宅に対して、支給対象となるリフォーム工事をすることです。住宅改修費の支給対象となるのは、(1)手すりの取り付け(2)段差の解消(3)滑りの防止及び移動の円滑化のための床または通路面の材料の変更(4)引き戸等への扉の取り替え(5)洋式便器等への便器の取り替え(6)その他、前述の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

支給額は住宅改修費の9割程度とされています。ただし「支給限度基準額」が設けられており、20万円を超える改修を行った場合は、支給限度基準額の9割となる18万円が上限となります。

ただし、補助金を受け取るためには、工事をする前に、住宅改修の支給申請書類、住宅改修が必要な理由書、工事見積書、改修後の完成予定の図面などを提出することが必要です。先に工事をすませ、後から申請ということはできないので、気をつけてくださいね。

自治体からの補助金

住んでいる自治体でも、補助金や助成金の制度を設けています。介護保険の要介護・要支援の認定者、または障がい者手帳保有者を対象とした「住宅改造費助成事業」「高齢者住宅改造費の助成」「高齢者向け住宅改修の助成」など、制度の名称と詳細は自治体によって異なりますが、介護保険では対象とならない工事に補助が出ることもあるので、利用を検討してみましょう。各自治体に相談窓口が設けられていますから、詳細を確認してみてくださいね。

税金の優遇制度も利用が可能

バリアフリーリフォームを対象とした税の優遇措置には、所得税額の控除、固定資産税の減額措置、贈与税の非課税措置、登録免許税の特例措置、不動産取得税の特例措置などがあります。
所得税の控除は、自己資金で工事をした「投資型減税」と、住宅ローンを利用した「ローン型減税」および「住宅ローン減税」があり、確定申告をすることで一定金額の控除が受けられるというものです。固定資産税の減額は、市町村に申告をすれば受けることができます。登録免許税、不動産取得税の特例措置は、それぞれにかかる税金が減税されます。贈与税の非課税措置については、バリアフリーリフォーム資金の贈与について非課税枠があります。

補助金等の対象となるバリアフリーリフォーム工事

補助金等によって対象となる工事は異なりますが、次のような工事がバリアフリーリフォームに該当します。

移動しやすい住宅にする

足を上げにくくなる高齢者等にとって、段差は大敵。つまずくと、大けがにつながることもあります。そこで、敷居など部屋と部屋の段差をなくす「段差の解消」、高低差のある玄関などに「固定式スロープを設置」、移動を補助する「手すりの取り付け」を行うことで住戸内をスムーズに移動できるようになります。屋内の段差がなくなれば、車いす等の補助具での部屋の移動も楽になります。
浴室の床をかさ上げして脱衣所の床と高さを揃える、高すぎる浴槽をまたぎやすく低いものに交換する、急な階段の勾配を緩やかにしたり、段数を増やすなどの改良することも日々の生活をしやすくしてくれます。ただし、階段については建物や構造により工事ができないケースもあります。

通路等の拡幅

介助用の車椅子での移動を容易にするため、出入口や廊下の幅を広げる工事です。該当する工事としては、壁、柱、ドア、床材の撤去や取替え等の工事や、幅の拡幅と併せて行う、柱の面取りや、壁の断熱材の入れ替えなども含まれます。条件としては、工事後の通路や出入口の幅がおおむね750mm以上(浴室は600mm以上)の工事が対象になります。

トイレの改良工事

今の住まいのトイレが和式トイレであれば、洋式トイレに変更する工事に補助金の利用が可能です。すでに洋式トイレを利用している場合、まるごと新しいものに交換する場合は補助金の対象となりませんが、便座の位置を高くして、高齢者が使いやすくするための工事であれば補助金対象となることもあります。また、介助を用意にするためにトイレの床面積を増加させるための間取り変更も対象となります。

その他の改修

玄関の土間やホールに靴の着脱や移動がしやすいように移乗台や踏み台、手すりを設置する、階段、浴室やトイレに転倒防止のための手すりをつける、滑りにくい床材に変更する、力が弱くても開け閉めしやすいドアや引き戸を設置するなどの工事も、高齢者等が住みやすい家にするためとして、補助金支給の対象となります。

バリアフリーリフォームをするときには、お伝えした内容を参考にして、補助金等を上手に活用しましょう。「そうは言っても不安は残るし、やはり専門家に相談したい」という場合は、「阪急阪神不動産」の専門のアドバイザーへお任せください。関連サービスへのご案内が当該ページ下部にリンクがございますので、ぜひお気軽にご相談ください。

※2021年2月4日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。