すまいのスタディ

2025.05.26

コンセプトから始めるリノベーション&リフォーム

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リノベーション(以降、リノベ)やリフォームを行う上で、"コンセプト"を考えることはとても重要です。では、その"コンセプト"は、どう考えればいいのでしょうか。
"コンセプト"の一般的な意味は、物事やアイデアの基本的な考え方や概念、何かを表現するときに、土台となる目的や方向性を示すものです。
実現したい価値観や世界観の"軸"であり、判断に迷った際には立ち返って確認することで、目指すゴールに導いてくれるものだといえるでしょう。

リノベやリフォームの魅力は、自分たちの"理想の住まい"を描けること。そのための"コンセプト"づくりは、"自分たちの理想"とは何かを明確にする作業です。
今回は、リノベやリフォームの"コンセプト"をどう決めていけばいいのかを解説します。記事の後半では、理想の暮らしを実現した好事例をご紹介。ぜひ、参考にしてみてください。

コンセプトは、"プラン"より"暮らし"から考える

中古マンションを購入してリノベを考えている方は、エリアと広さと予算を決めて物件探しを優先していませんか。現在の住まいでリフォームを検討中の方は、3LDKを2LDKに、水回りは一新してと、プランを考えることから始めていませんか。
コンセプトを明確にしないまま物件を決めてしまうと、広げたい空間があっても構造壁で壊せない、水回りの位置を変えたくても動かせないという物件を選んでしまうケースも起こり得ます。プランの枠を先に決めてしまうと、その枠にとらわれたイメージで検討してしまうことも考えられます。
つまり、リノベやリフォームの魅力である、フレキシブルなはずの間取りの作り方を自ら制限してしまい、理想とする"暮らし"とギャップが生じることもあるのです。

"暮らし"とはどのように考えるのか

リノベやリフォームに求めるのは、自分たちの生活スタイルに合った、より快適な暮らしが実現できる"理想の住まい"です。コンセプトは、そのための第一歩。
コンセプトづくりは、家族それぞれの"暮らし"の棚卸しから始めます。一日の過ごし方、家にいるときに長くいる場所、リモートワークはあるか、趣味は何か、いまの住まいでお気に入りの場所や家具など。"暮らし"を知ることで、 "これからの暮らし"に大切な空間と、いまの住まいに感じている不満が明らかになってくるでしょう。
棚卸しをすると、家族それぞれの"暮らし"への想い、家族であっても異なる価値観や不満などが見えてきます。それらの情報を理由も含めて共有することで、 "大切にしたい住まいづくりの軸"が見えてきます。これが、コンセプトであり、リノベやリフォームの方向性と優先順位をつける際の指針となってくるのです。

コンセプトは迷いを解消し、リノベ&リフォームをスムーズにする

リノベやリフォームでは、間取り・プランをどう作るかだけでなく、設備や素材、色など数多の選択肢があります。予算には限りもあり、家族それぞれの理想を全て叶えることは難しい場合もあるでしょう。数多の選択肢を提示されると、目移りもしますが、コンセプトに立ち返って優先順位を判断すると迷いが解消されるはずです。
たとえば、「家族が集まるリビングは広さが欲しいけれど、それぞれの個室も欲しい」。でも、「個室を優先すると、リビングの広さが難しい」。こうした迷いも、家族で集まる空間を重視するコンセプトならば、部屋数にこだわらない可動間仕切りを使ったフレキシブルなプランの提案が生まれてくることもあります。
コンセプトづくりのメリットは、優先順位を明らかにしてスムーズなリノベやリフォームを実現できるという点にあるといえます。

コンセプトで理想を叶えたリノベ&リフォーム事例

ここからは、『阪急阪神のリフォーム』からわかりやすいコンセプトのあるリノベ&リフォーム事例をご紹介します。
それぞれどんなコンセプトで、"理想の住まい"を叶えたのでしょうか。

家の中心はテーブル一体型のキッチン

◎家族構成:4人(夫婦+お子様)/3LDK→1LDK+ベッドスペース(小上がりの畳コーナー)
和風テイストの大きな梁の造作があるLDKと子供部屋の洋室を中心としたプラン。家族が集まるテーブル一体型キッチンは、食事だけでなく、子どもの勉強、ご夫婦のワークスペースとしても活躍します。写真手前に見える小上がりの畳コーナーは、子どもたちの遊び場であり、収納スペースであり、ご夫妻の寝室の役割も兼ねた機能的な空間です。
▶詳しくはこちら:家の中心はテーブル一体型キッチン 

シニアが始めたミニマムな暮らし

◎家族構成:2人(夫婦)/3LDK→2LDK+WIC(ウォークインクローゼット)
クラシカルな雰囲気と、インダストリアルなテイストが融合する空間。前の家よりも狭くなるため、収納は大きなテーマとなっていて、キッチン作業台の下やパントリー、WICと随所に収納を設けています。趣味のアクアリウムを窓際に並べて置くことを想定して作った架台は、アクアリウム用の荷重を考慮して補強。框扉の造作収納も兼ねています。
▶詳しくはこちら:シニア世代が始めたミニマムな暮らし 

「脱・LDK発想」でつくるふたりの住まい

◎家族構成:2人(夫婦)/2LDK→2LDK+ミュージックブース
レコード収集に音楽鑑賞、DVD鑑賞が趣味だというご主人が時間を気にせず没頭できるミュージックブース。天井に吸音材を施した上で、妻の眠る寝室からできる限り離した位置に設けています。また、友人をよく招くというご夫婦は、広いLDKを確保したかったため、キッチンを部屋の中心に配置した廊下のないプランで空間効率を高めています。
▶詳しくはこちら:「脱・LDK発想」でつくるふたりの住まい

愛猫と一緒に暮らす家

◎家族構成:2人(夫婦)/4LDK→2LDK+WTC(ウォークスルークローゼット)+WIC
愛猫とご夫婦のための生活空間として、リビング横の洋室は"ネコちゃんのお部屋"。つながりと開放感のある3枚ガラス引き戸を設置し可変性のある間仕切りにして、常に見えるようになっています。キャットウォーク付きの階段状の壁面収納は一周ぐるりと回れる設計。寝室とLDKの間に設けたWTCとWICを中心に家の中を回遊できる間取りです。
▶詳しくはこちら:愛猫と一緒に暮らす家

ロードバイクが主役。アンティークブリックタイルの家

◎家族構成:3人(夫婦+お子様)/4LDK→2LDK+書斎スペース+WIC
室内のアクセントとなる壁は、レンガ壁のアンティークブリックタイルを採用し、それ以外の内装はシンプルな色使いで空間をまとめています。ご夫婦共通の趣味であるロードバイクを室内に保管するため、メンテナンスや持ち出しやすさを重視して玄関ホールにディスプレイ壁を設けました。書斎スペースは半壁で仕切り、LDKとつながりのある空間です。
▶詳しくはこちら:ロードバイクが主役。アンティークブリックタイルの家 

まとめ

 "暮らし"を紐解きつくるリノベやリフォームのコンセプト。
今回、ご紹介した事例をご覧いただければわかるように、コンセプトは家族のライフスタイルに合わせたプランニングだけでなく、好きなものやお気に入りのものをアイデアとして活かしています。
インテリアテイストならば北欧、アメリカン、和風、アンティークやレトロモダンなどのイメージを。お気に入りの家具や趣味なども空間づくりのキーアイテムになってきます。
施工会社にアイデアが膨らむこれらの情報を伝えることは、コンセプトの理解を深め、"理想の暮らし"が叶う提案をもらいやすくなるポイントといえるでしょう。

『阪急阪神のリフォーム』では、単に「直す」「新しくする」だけのリフォームに留まらず、その先にあるお客様一人ひとりの暮らしを見つめて、愛着の住まいに新たな価値をお届けしてまいります。

不動産に関するお悩みやお困りごとは、『阪急阪神不動産』にぜひご相談ください。

※2025年4月26日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。