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“いいマンション”がわかる、『管理』の評価制度

2023年11月17日執筆

“マンション購入とは、資産の所有”。『管理』は、その資産の将来価値に影響するとよく言われます。
今回は、知っておいて損はしない、『管理』に関わる制度のお話です。

「戸建と違って、管理費を払うし管理会社に任せておけば大丈夫でしょ」と、お考えの方も多いのでは?確かに、日常の清掃や設備の保守点検なら、良好か否かもわかりやすいですね。
でも、毎月支払っている管理費はどう使われている?大規模修繕の計画は?など、管理組合を代表する理事会を中心に、居住者が話し合いながら管理を決めていくのです。集合住宅であるマンションは“みんなの資産”、居住者同士が協力して維持管理しなくてはなりません。

では、資産価値が下がりにくい“『管理』がいいマンション”ってどんなマンションでしょうか。

管理状態がずっといいとは限らない!
これから新築を購入という方は考えにくいかもしれませんが、住まいは住み始めたときから劣化がはじまります。
国土交通省のデータ※によると、2022年末時点のマンションストック総数は約694.3万戸。そのうち、築40年以上のマンションは約125.7万戸あり、10年後には約2.1倍(約260.8万戸)、20年後には約3.5倍(約445.0万戸)になると推計されています。
築年数が長い(高経年)マンションはどうなるのか。課題として挙がるのは以下の5つです。
◎建物・設備の老朽化
◎区分所有者の高齢化
◎非居住住戸増加のリスク(賃貸・空き住戸)
◎管理組合運営の主体者不足による管理状態の悪化
◎建替えの合意形成の難しさ(議決権4/5以上なくては成立しない)
つまりは、快適な暮らしや資産価値を守るための適正な管理が行われず、八方ふさがりの状態になってしまうのです。
どんなマンションも経年劣化します。長寿命化のためには、質の高い管理が行われていることが大切です。

※出典:国土交通省HP
住宅:マンションに関する統計・データ等

良質な管理状態を知るための基準
では、“『管理』がいいマンション”はどのように判断すればいいのでしょうか。
住んでいる方が、「ウチは、管理がいいよ」と言っていても、定性的で個人の意見。人によって違う答えになるかもしれません。客観的な判断基準がなければ、中古マンションを探している方も比較しにくいですよね。

2022年、マンションの適切な管理を判断する2つの制度が創設されています。
ひとつは、国が制定した『マンション管理計画認定制度』、もうひとつは、マンション管理業協会が創設した『マンション管理適正評価制度』です。2つの制度の概要や違いは以下にまとめています。

中古市場での価値向上に期待!
2つの制度は、名称や内容が似ていますがそれぞれ独自の制度で、評価結果の連携があるわけではありません。では、制度を利用し評価されると何が変わるのでしょうか。
『マンション管理計画認定制度』の場合、国や都道府県などが設定した基準をクリアしていると証明されることで、マンション共用部リフォーム融資などで金利優遇が受けられることがポイントです。

『マンション管理適正評価制度』では、建物や管理組合の管理状況などを評価した情報が毎年公開・更新されます。このため、中古物件の購入希望者や所有者が売却したいタイミングでの判断をしやすくなります。
どちらの制度も、客観的な基準で評価を受けるため、中古市場での価値の向上が期待できます。そして、管理組合は評価基準に沿って運営を行うことができます。目標や課題が明確になり、維持管理がしやすくなるといえるでしょう。

管理組合の適切な運営はなぜ大事なのか?
今後、広く普及することが望まれる2つの制度。その理由として、高経年マンションになる前の大きな課題、大規模修繕工事について触れておきましょう。
マンションは、おおよそ12年に一度の周期で大規模修繕工事が必要となります。経年による建物や共用部設備の劣化などに対し、適切な時期にメンテナンスを行わなければ、快適性や居住性能が低下します。」

既にさまざまなメディアでも取り上げられていますが、修繕工事費の高騰は歯止めがかかっていません。背景には、①修繕工事を必要とするストックマンションの戸数の多さによる需要の増加、②工事会社の人材不足、③建設資材の値上げなどが挙げられます。
現在、 “修繕積立金が足りない”という理由で、大規模修繕時期を迎えたマンションの管理組合は工事内容の精査や工事会社の選定に悩まされていると聞きます。ちょうど、2014年に5%から8%に引き上げられた消費税と、東京オリンピックによる建設需要の増加などで高騰した工事費の影響が色濃く表れています。

修繕積立金が不足する原因は、
・新築時の修繕積立金が低く設定されている
・景気動向に対処した長期修繕計画の見直しをしなかった
・修繕積立金の見直しと値上げがなされていない
・大規模修繕工事以前に、割高な工事費で何らかの修繕を実施した
・駐車場、駐輪場など管理組合の収入となる共用施設の稼働状況が悪い
などが考えられます。いずれも、管理組合の運営上で課題として取り上げ、改善する必要があった内容ばかりです。
1回目の大規模修繕工事を終えても、2回目の工事に備えて、修繕積立金を大きく値上げしなければならないとなれば家計への影響も大きいですよね。

今回ご紹介した制度をより詳しく知っていただくと、分譲マンションに住むことは、管理会社と管理組合の理事会にお任せではなく、自らが当事者となって“住まいと資産を守る”ものなのだとご理解いただけるのではないでしょうか。
※各制度の詳細は、主体運営のHPなどをご覧ください。

まとめ
現在、筆者も理事会の役員となり大規模修繕工事の課題に直面しています。
やはり、工事費は想定よりも高く、複数社の見積もりを取り直す、竣工時期が近い隣接する同じ売主のマンションと時期をそろえて工事の効率化を図ってもらう、先を見越して複数年ごとに修繕積立金の値上げを行うなど検討事項は山積みとなりそうです。
知人のマンションでは、エレベーター設備の交換を検討したところ、発注から2年先の工事になるという話がありました。

決して、管理組合が放置していたわけでなく、予測がつかない景気動向に追いつけていなかったといえるでしょうか。2つの制度により、資産価値評価の透明性が図られ、誰もが良質な管理状態のマンションを知ることができるようになります。中古マンション売買に役立つだけでなく、自分の住まいが安心して暮らし続けられるかの判断材料だともいえるでしょう。
中古マンションなら購入検討時に、新築マンションを購入されるなら入居後に。ぜひ、管理組合が適切な管理運営を行っているか、注目していただきたいと思います。

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※2023年11月17日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。

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