すまいのスタディ

2023.05.15

ふたりの暮らし。住まい選びはどう考える?

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ふたり暮らし世帯は増加中!

結婚して新しい人生がスタート、子どもが生まれて家族が増える、子どもの独立で夫婦ふたりの生活に...。家族のカタチの変化は、住まいの購入やリフォームを決断するキッカケになります。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」(※)によると、世帯総数に対する夫婦のみの世帯割合は1992年の17.2%から、2021年は24.5%と7.3ポイント上昇。一方、夫婦と未婚の子のみの世帯割合は37%から、27.5%と9.5ポイントも減少しています。
住まいのニーズも、これまでの永住志向や子育てを中心に部屋数、間取り、広さを求める考え方から、働き方や家族の変化に合わせて柔軟に住み替えるというケースが増えています。

そこで今回は、増加傾向にある"ふたり暮らし"に注目しました。
ふたりの住まい選びは、それぞれが大切にしたいライフスタイルを話し合うことがスタートラインです。価値観や習慣、人生観など生き方を示す"ライフスタイル"は経年で変化もしますが、個のこだわりや理想として住まいのニーズにも反映されます。
結婚と子どもの独立。異なるキッカケでの住まい選びを考えてみましょう。

※出典元:厚生労働省2021年「国民生活基礎調査」の概況より(mhlw.go.jp)

結婚をキッカケにふたりの住まいを考える

初めて一緒に住むふたりは、住まい選びでどんなことを話し合っておくとよいのでしょうか。
まず、育った環境が違えば、生活習慣や時間の使い方、インテリアの好みも違います。
例えば、閑静な住宅街の戸建住宅と都市部のマンションでは、駅や買い物施設までの距離、日常の生活圏に必要な場所に対して許容できる移動時間にも感覚差があるはずです。
互いのモノサシが違うということを前提に、共同生活者として理解を深める会話を心がけましょう。住まい選びのポイントを3点に絞り整理してみました。

1)方針は、ふたりの将来とお財布に相談

・購入か、賃貸か。購入するなら新築か、中古でリフォームか。方針を決める。
・ふたりの収入から住居費にいくら充てられるのか。無理のない予算を設定。
・転勤や転職の可能性、子どものこと。将来、住居費や住まいの広さに影響することを確認。

購入する場合、住宅ローン金利が低い今は、賃貸よりも広さや条件が良い可能性があります。また、資産になる点はメリットです。子どもが生まれてから購入を考えると、出産や育児で出費も増えるため、家の購入資金を貯蓄するのは難しいことも。転勤や転職、子どものこともゆっくり考えたい場合は、初めは賃貸が安心かもしれません。

2)住みたい場所の条件を具体的に

・希望のエリア、通勤時間、商業施設の規模や距離。
・互いの実家との距離。

働くふたりなら「通勤の利便性」や「買い物のしやすさ」は重要です。この時、通勤時間のうち最寄り駅までは何分が理想?乗換はスムーズ?仕事帰りに買い物できる?食材や日用雑貨の品ぞろえは?といったことも優先順位をつけて条件を整理しておくとよいでしょう。物件見学する際のチェックポイントとしても役立ちます。
また、実家との距離も大事なこと。「近居なら、共働きで子どもができたら頼れる」「干渉されたくないので一定の距離感は必要」「実家が遠方なので、帰省時のアクセスは考慮したい」など。互いに親との関係性は、将来にも関わるので本音で話しておきたいですね。

3)住まいは、ヒトとモノが入った後をイメージ

・ひとりになれる空間はあるか。
・ライフスタイルは共有できているか。

ふたり暮らしなら、広さは1LDKでも十分でしょう。でも、仕事で生活時間のズレがある、リモートワークや趣味に没頭できるひとりの時間も必要と考えると、一部屋ゆとりが欲しいところです。また、お風呂やトイレなどの生活音が気になることもあり得ます。
家財一式を新調することも多い新生活ですが、ふたりが持ち込むモノの共有も大事なポイント。クローゼットや収納が足りない、インテリアのテイストがまとまらないといったことは住んでからの不満につながります。
住まいは、ヒトとモノが入るとどうなるのかをイメージして、間取り、部屋数、動線、どこに何を置きたいのかなど、互いのこだわりを確認しあいましょう。

▶ふたりの個性とこだわりを尊重したリフォーム実例
「脱・LDK発想」でつくるふたりの住まい | 阪急阪神のリフォーム (8984.jp)

子どもの独立をキッカケにふたりの住まいを考える

長く家族で過ごした家も、結婚当時のふたりだけに戻ると「家が広すぎる」と感じるようです。また、50代後半を迎えると、定年後の仕事や老後を考える機会も増えてきます。
「毎日の通勤から解放されるが、収入は減少」し生活スタイルは変化。「このまま住み続けるのか、住み替えるのか」と住まいのあり方を検討するキッカケになります。
互いをよく知るふたりにとって、これからの人生を快適に過ごす住まいとは、どのように考えればよいでしょうか。
生活・家計・安全性を考慮した視点で整理してみましょう。

快適な生活のための環境

高齢者に近づくことは、これまでの健康や趣味、人間関係を持続することが難しくなる可能性があると考えなくてはなりません。戸建住宅に長く暮らしている方は、家屋の老朽化による修繕や庭の手入れなどの管理、階段の昇り降りが負担になってきます。

近年、高齢者は都心回帰傾向があり、駅に近く、商業施設に近接したマンションが住み替えの選択肢として人気です。交通・生活利便性は住まい選びで重要ですが、通勤や通学のために求めたアクセスの便利さより、毎日の買い物や図書館・公園などの公共施設、医療機関が身近なことが大切になります。

住み替えで人間関係に不安があれば、いまの住まいの近くでマンションを探すとよいでしょう。また、子どもたちが住む地域に近いエリアで探すこともオススメです。最近は「同居」より「近居」のニーズが高く、程よい距離感がいざという時の安心にもつながります。

出費を抑えて、安心した暮らしを

マンションに住み替えると、段差のない暮らしや鍵ひとつで戸締りができる防犯面にメリットがあります。一方、毎月の管理費・修繕積立金などのランニングコストがかかります。
しかし、想定していない修繕・メンテナンス費用の捻出や自ら管理する負担感のある戸建住宅に対し、それにかかる費用を積み立てているマンションは急な出費が発生しにくいといえる点で安心できるでしょう。

また、部屋数のある戸建住宅で老朽化も進んでいると、建物の断熱性などエネルギー効率が下がり光熱費が膨らみます。ふたり暮らしに適した専有面積のマンションなら、光熱費も抑えられ、気密性が高ければ冷暖房効率も上がります。戸建住宅で懸念されるヒートショックの心配が少ないことは一緒に年を重ねるふたりにとっても望ましい住まいだといえます。

▶生活空間・動線の効率をアップしたリフォーム実例
子育てを終えた二人の、ゆとりと使い勝手を両立した住まい | 阪急阪神のリフォーム (8984.jp)

まとめ

結婚と子どもの独立。住まい選びのキッカケは違っていても、大切なことはふたりにとって「いま」と「将来」の何を大事にするのかということ。
年を重ねるとライフスタイルも変化し、価値観や住まいに求める優先順位も変わっていきます。

一緒に暮らすふたりが納得できる物件に出会うためには、いくつになっても互いのこだわりや理想を話し合っておくことが望ましいですね。

新居、住み替え、リフォームをご検討されているなら、ぜひ一度『阪急阪神不動産』に相談してみませんか?

※2023年5月15日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。