四季がある日本。
季節の変化を楽しみながら暮らしに取り入れることは、
日本のライフスタイルのひとつといえるでしょう。
でも、「梅雨の時期だけは楽しめない」という方も多いですよね。
急に湿気が多くなって、体調もなんだかすぐれない。
晴れ間が見えない日々は外出もままならず、
家で過ごす時間が増えて、気分も下がりがち。
梅雨時の家時間、少しでも楽しく心地よく過ごしたいものですね。
今回は、涼しげなインテリアや、憂鬱な気分を和らげてくれるアイテムを取り入れて、
梅雨の時期を乗り切るアイデアのご紹介です。
五感で楽しむ、手軽なインテリアの模様替え
ジメジメ・ジトジトと湿度が上がるだけでなく、
気温も上昇してくる梅雨の時期。
五感で涼しさを演出できる"素材と色"を暮らしの中に取り入れて
長くなりがちな家時間を快適に過ごしませんか。
触って!サラっと肌触りが良いファブリック
ファブリックとはインテリア業界で使われる室内の布製品全般のこと。
ソファ・カーテン・ラグ・クッション・テーブルクロス・寝具など、室内にはさまざまな布素材があり、素材によって触り心地や質感も違います。梅雨の時期は、ファブリックの模様替えで、涼しさを演出してみましょう。
例えば、リネンやオーガニックコットンなど肌触りの良い自然素材を選び、ソファに掛ければ、座り心地だけでなく、空間の印象も変えてくれます。
特におすすめしたい模様替えは、ラグを取り入れること。
フローリングが主流の現在の住まいでは、湿気が多い梅雨、そして夏に裸足で暮らしていると、フローリングに皮脂や汗などの汚れが付きやすくなります。
ラグを敷くことは快適さや清潔さを保ちやすくするポイントのひとつ、そこで梅雨に適したラグ選びのヒントをまとめました。
◎竹やリネン・珪藻土を素材に使用:湿気を吸収しつつ乾きやすいため、ジメジメ感を軽減
◎短毛・編み目の粗いタイプ:通気性が良い(毛足が長いラグは湿気がこもりやすい)
◎抗菌・防臭加工が施されているタイプ:カビや臭いの発生を抑えてくれる
◎丸洗い可能なタイプ:洗濯機で定期的に洗えて清潔を保ちやすく便利
◎滑り止め付き:湿気でラグが滑りやすくなることもあるので、裏面に滑り止め加工があると便利。滑り止めがついていない場合は、市販の滑り止めシールを
収納場所などを考えると季節ごとにラグを取り替えるのは難しいという場合は、オールシーズン使える天然素材のウールもおすすめです。羊の毛は、吸放湿性が高く天然の湿度コントロール作用があるといわれているため、ジメジメ時期も、表面がさらっとした気持ち良い感触になるそうです。
ぜひ、ラグ選びの参考にしてみてください。
見て!体感温度が変わる涼感カラーコーディネート
寒色・暖色という言葉はご存じですよね。色によって、体感温度も変わるのです。
体感温度とは、実際の気温ではなく、人間の身体が感覚として感じる温度のこと。
寒色は、主に青緑、青、青紫など視覚的に涼しさや冷たさを感じさせる色です。これに対して、暖色は、赤、オレンジ、黄色など温かさや活気を感じさせる色です。
色によって体感温度が2〜3℃も変わり、心理的な影響も大きいといわれています。
ジメジメ時期の2~3℃の違いは、少なくはない数字ですよね。
先にご紹介したファブリックの模様替えでは、ぜひ色選びのポイントに。
海や川といった水辺を連想させて、本能的に涼しさを感じる寒色。
高ぶった気持ちを穏やかにし、落ち着かせてくれる特性もあり、空間をすっきりと見せて、奥行きを感じやすくさせる効果があるともいわれています。
聴いて!匂って!食べて!涼しさをプラスする
ここからは、工夫次第で家時間に"涼しさ"や"爽やかさ"をプラスできるアイデアをまとめてご紹介します。
【聴いて!】
音によっても体感温度は変わる傾向があります。例えば、水の流れや風鈴の音に涼やかさを感じ、セミの鳴き声を聞くとより暑さ感じるように、聴覚も影響を受けています。
音楽を聴くならアップテンポの曲よりは穏やかなスローテンポ。BGMで聞くような高い音を奏でたピアノ曲なども、涼しさを感じやすく暑さをやわらげるのにおすすめです。
【匂って!】
梅雨のジメジメやイライラを香りで緩和。すっきりとした清涼感のある香りが特徴のペパーミントは、リフレッシュ効果だけでなく、抗菌作用もあるので、湿気が溜まりやすい水回りや玄関などに置くアロマとしてもおすすめです。
ほかに、自律神経の乱れを緩和し疲労回復に導くローズマリー、消臭作用もあるユーカリ、森林浴をしているようなヒノキなど気分や体調に合わせてアロマで整えてみては?
【食べて!】
フルーツや炭酸水に花氷を添えて涼しさをプラスしませんか。作り方は、好みの容器に蒸留水と花やハーブ、フルーツなどを入れて冷凍庫で固めるだけ。氷の中心に花などを固定する場合は先に半分凍らせて、蒸留水を追加し全体を凍らせると上手にできます。
※水を一度煮沸してから冷却した後、凍らせると透明度の高い氷になります。花を、飲料グラスなどに入れる場合は、必ず食用花をご使用ください。
+One Point
心地よさ、快適さとは、物理的に何かを整えるだけでなく、心理的な面も大切です。
梅雨の季節は、"五感"を意識した空間づくりや、モノ・コトを選ぶことで、過ごしやすい家時間を作ることができるでしょう。
金属(シルバーやスチール素材)などを組み合わせたメタリックなアイテムも、インテリアのアクセントになり視覚的にも涼しさを感じさせます。
海の写真や水をイメージしたアートを飾ってみたり、ガラスの花瓶や透明感のあるオブジェを置いてみるのもいいでしょう。
観葉植物や無垢材の家具など本物の木には調湿効果があります。観葉植物を選ぶなら、細い葉を持つシダ系やユーカリなどは軽やかで涼しげな印象になり、心理的にも涼しさを感じさせてくれます。
避けられない梅雨、住まいでの過ごし方にちょっと意識を向けて、
楽しみながら、心地よく過ごせるように住まいを整えてみてください。
※情報提供日:2025年5月26日