すまいのスタディ

2025.01.27

再開発の街。その魅力と不動産への影響とは?

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大規模な『再開発』は、そこに住む人々の暮らしの利便性を高めるだけでなく、人の流れを変えて、再開発エリアや駅・沿線の資産価値にも影響する可能性が高いといわれています。
『再開発』とは、"「都市再開発法」に基づき、市街地内の老朽木造建築物が密集している地区等において、細分化された敷地の統合、不燃化された共同建築物の建築、公園、広場、街路等の公共施設の整備等を行うことにより、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図る事業"と国土交通省で定義しています。

端的に言えば、"街をリニューアルして、快適でより安全な時代に合った街へと更新すること"です。正しくは「市街地再開発事業」、「法定再開発」ともいわれています。
今回の記事では、住宅購入を検討する方の関心も高い『再開発』の街の魅力や、不動産への影響について解説していきます。

再開発の街の魅力とは何か

商業施設の充実や都市インフラの改善、職住遊学などの共生により形成される新たなコミュニティなど、再開発が行われた街はさまざまな特徴やメリットがあります。住みやすい街の理由として、5つの観点から整理しておきましょう。

1.地域課題を解消

再開発組合(土地所有者、権利者やデベロッパーなどで構成)などの事業主体と行政が、長い時間をかけて協議し開発計画を事業化するため、地域の課題やニーズを反映した街づくりが行われやすいといえます。
再開発エリアの商業施設やマンションに公共施設(行政支所や子育て支援施設、高齢者サポート施設など)が設けられるケースは好例でしょう。また、建物の高層化により、オープンスペースや豊かな植栽の広場といった公共空間、歩道の整備などが行われると、美しい都市景観が創出されて大きな魅力となります。

2.複合開発ならではの利便性

大規模な敷地での複合開発の場合、住宅や商業施設のほか、先に挙げた公共施設、教育施設や図書館、クリニックなど、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような利便性の高い生活環境が整うケースもあります。

3.交通利便性の改善

再開発は、駅前や駅近接のエリアで事業化されることが少なくありません。駅前ロータリーの整備、バス乗り場や車の流れの改善、ぺデストリアンデッキや歩行者専用道の設置、バリアフリー化などにより、利便性と安全性が向上することも考えられます。

4.街のレジリエンス向上

経年劣化した建築物や木造家屋が密集し、地震や火災時に緊急車両が通行しづらいといった防災上のリスクがあった街を再開発する場合。建物の耐震化により安全性を高め、非常時の避難場所や動線を確保するなど防災面を強化します。災害のリスクに備えて、早期に復旧が見込めるレジリエンス性の高い街に生まれ変わるといえるでしょう。

5.コミュニティの形成

その地域で元々暮らしていた方と、新たに居住する人々、そこで働く人たちに交流が生まれ、コミュニティが形成されることで街が活性化します。エリアマネジメントを導入するケースや、イベントやお祭りなどのにぎわいづくりで交流を促進する動きも増えています。

再開発エリアのマンションの魅力とは何か

人気となる新築マンションのキーワードでは、「駅近」「大規模(タワー)」「再開発」などがよく挙げられます。さらに、利便性の高い都市部の好立地となると、用地取得は難しく、特に、駅近の物件は得難いともいわれています。
再開発エリア内に建つマンションは、この3つの人気キーワードがそろうことも多く、新築時も中古市場においても安定した評価が得られるといえるでしょう。

また、暮らしにおいて満足度の高い付加価値があることも魅力といえるでしょう。
大規模マンションの場合、そのスケールメリットを活かして、ラウンジやワークスペース、パーティルーム、ライブラリー、ゲストルームといった多彩な共用施設が用意されることも少なくありません。

再開発エリアとその周辺は、将来的にさらに利便性が高まり、住みやすく快適な日常が期待できます。"街・エリアの象徴"----ランドマークといえるマンションとなれば、街の価値やブランド力の向上にも寄与する存在となり得ます。
こうした魅力の積み重ねが、再開発エリア内に建つマンションの資産価値が底堅いと期待される背景だといえます。

まとめ

ここまでご説明したように、再開発とは、地域にあった課題が解消されて、利便性が向上、住みやすく快適な生活環境へと整えられる街づくりです。
街の魅力が高まると、人が集い、コミュニティが生まれ、地域が活性化します。
街のブランド力が高まり、再開発エリアの需要が増えることで、不動産としての市場価値をも上昇させる可能性があると考えられるでしょう。

マンション購入を検討する際に、候補として考えておくならば、今後の再開発情報を早めにキャッチすることも大切です。
都市計画の状況、再開発の種類や規模などを知りたい場合は、各都道府県のHPか、以下の国土交通省のHPで確認することができます。
参考)都市交通調査・都市計画調査:令和5年都市計画現況調査 - 国土交通省

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※2024年12月20日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。