すまいのスタディ

2024.09.17

季節の変わり目に、睡眠環境を整えよう!

[画像]

眠りにまつわる悩みといえば、寝苦しい夜が続く夏。
エアコンで部屋を冷やしてから就寝しても、途中で目覚めてしまう。
かけっぱなしにすると、目覚めたときに身体に冷えを感じる。
でも、冬には、手足の冷えで寝つきが悪い。
寒くて朝起きられない。
乾燥で喉の痛みや肌トラブルなどが起きやすい。

一年を通じて、快適な睡眠をとるってなかなか難しいですよね。
季節の変わり目は、睡眠の環境が変わるとき。
自分の睡眠状態の変化に気づき、良質な睡眠のために工夫をすることが大切です。
今回は、睡眠の質を上げるお部屋の環境づくりのお話です。

"よく眠る"ために整えたい3つのこと

ちゃんと睡眠時間を確保して、ぐっすり眠るって、健康な毎日のためにはとても大切。
お気に入りのインテリアに囲まれた寝室も心地よいと思いますが、
"よく眠る"ためのお部屋に必要な3つのポイントをご紹介します。

温度と湿度をチェック!

寝室の枕元には、ぜひ温度湿度計を。
睡眠時の室温は13℃~29℃、湿度は40%~60%が快適に感じる目安です。
低い方の数字が冬、高い方の数字を夏の目標値として調節するといいでしょう。
エアコンや暖房器具、除湿器や加湿器を活用して、室温の管理・調節をすると睡眠環境が整いやすくなります。

睡眠環境を整えるためには、寝具も重要なアイテム。
マットレスや枕選びでは特に悩まされますよね。体格や寝姿勢、体質やコンディションなどに違いがある人の身体。万人が満足できるものとなるとなかなか難しい。
自分がストレスを感じないことがいちばんなのですが、そのためには、専門家のアドバイスを受けながら、フィッティング(体験)してみることが必要でしょう。

では、快適な睡眠のために寝具はどうすればいいのでしょう。
寝具は身体の周囲につくられる「寝床内(しんしょうない)気候」を整えることで快眠につながります。寝床内とは布団の中の状態のこと。温度の目安は31℃~33℃、湿度は40%~60%を睡眠中に保つことが理想的だといわれています。

"早く温まり、温まった空気を逃さない"ために、フィット感の高い羽毛布団を。
"睡眠中の発汗で増えた湿気をきちんと乾燥"するために、布団乾燥機を活用。
というように、寝床内の温度・湿度を考えて、寝具を整えるだけでも睡眠環境は改善されますよ。
布団の温度・湿度を整える昔からの方法は天日干し。寝汗をかきやすい夏は週1回程度、冬は寝汗も少なく、汚れにくいので2週に1回程度でもよいという説が一般的です。布団乾燥機も基本的なサイクルは同じです。ただ、羽毛布団は熱に弱い特性があります。布団乾燥機の使用頻度は、隔週または月1回程度に抑えて、取扱説明書で設定温度や時間を確認して使ってくださいね。

素材でつくる快眠環境

寝室の壁や床、天井にはできるだけ自然由来の素材を取り入れてみませんか。
質感に温かみがあり、調湿性にも優れた自然素材は、健康にも良いと人気です。
例えば、壁や天井に珪藻土を選ぶと、湿度を調整するだけでなく、消臭、結露や乾燥を防ぐといった効果を見込めます。
床材に適した自然素材なら、一般的な無垢のフローリングのほか、コルク材もおすすめです。
コルクは内部にたくさんの気泡を含んでいるので、弾力性、保温性、耐水性に優れていて、踏み心地が柔らかく、裸足でも滑りにくいという特徴があります。
呼吸をする自然素材を選ぶことは、快適な空間への近道となり、快眠をもたらしてくれるはずです。

光で整えて、深い眠りを!

人の眠りは「メラトニン」というホルモンの分泌により誘引されるため、明るい光を浴びていると「メラトニン」の分泌を妨げてしまいます。
"よく眠る"ために寝室の照明を気にされる方は多いようですが、就寝のために身体を整えるなら、就寝の1~2時間前にはリビングの照明も調節しましょう。
リビングは、「昼光色」や「昼白色」の明るい照明で過ごしていると思いますが、寛ぎの時間なら「電球色」など暖色系の暖かみのある照明でも十分なのでは?
リモコンの設定で変更できる照明器具も多いですよね。変更できない照明器具の場合は、インテリアとしてもオシャレな間接照明を活用するのがおすすめです。

寝室で眠るときは真っ暗がいいといいますが、人によっては暗さに不安を感じたり、夜中にトイレなどで起きたときに不便ということもあります。
これまで常夜灯・豆電球、間接照明などをつけた状態で落ち着いて眠れているならば、ムリに変える必要はないようです。
自分の習慣となっている安心して眠れる環境をより整えることが大事だといえます。

照明の工夫をしてベッドに入っても、スマートフォンやテレビなどを見るのは厳禁。
ブルーライトが、人を覚醒させる効果があることはよく知られているのでご存じですよね。
質の良い睡眠を得るためには、できるだけ就寝の1~2時間前からブルーライトを浴びないようにしましょう。

まとめ

人の身体は適正な睡眠時間を確保することで、高いパフォーマンスで活動ができます。
睡眠時間が短いと、集中力の低下やストレスの増加、免疫力の低下、心疾患などさまざまな問題が起きてしまうかもしれません。
特に、睡眠中は身体の防御率が低下しています。睡眠の質と免疫機能には関連があって、睡眠効率が高い人ほど、風邪の発症率が低下したという研究結果もあるようです。

季節の変わり目の衣替えでは、寝具も整えますよね。
"よく眠る"ために、寝室と寝具を総点検してみてください。

※情報提供日:2024年8月27日