すまいのスタディ

2024.08.16

お手入れ上手になって、ヴィンテージ家具に育てたい!

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お気に入りの家具と暮らしていますか?

子どものころから使い続けている机。新居に合わせて買ったソファ。デザインが大好きなチェア。
年代物やデザイナーズ、ブランド、価格というよりも、
愛着があって、これからも使い続けていきたいと思える家具。
きっと、ひとつはお持ちなのでは?

今回は、家具のお手入れのお話。
時を重ねて、ヴィンテージ家具に育てるために。
知っておきたいお手入れのポイントをご紹介します。

アンティーク?ヴィンテージ?エイジング?

似ているようだけど、どう違うかわかりますか。
一般的には、
アンティーク家具:18~19世紀時代でヨーロッパの古典的スタイル
ヴィンテージ家具:概ね20年以上100年未満の家具で、時代やデザインの制約はない
エイジング家具: 時を経ることで、木材や皮など素材の風合いが増してきたもの
と、分類できます。

より、細かく言えば
アンティーク家具は、貴重な木材に彫刻を施したり、金箔などを使用することも。
ヴィンテージ家具は、材料も製作技術もさまざま。時代を感じるユニークなデザインや、ハンドメイドの要素など、個性やその家具の特徴が価値にもなっています。
エイジング家具とは、素材の性質を活かして育てていく家具といえるでしょうか。

現代では、いずれも加工や塗装の技術などを用いてリプロダクション(再生・再現)された◎◎風、△△調の家具もたくさんあって人気ですよね。

ヴィンテージを目指して!

一生ものと決めて購入する新品の美しい家具が、
使い込むことで色合いが深まり、味わいが増していく。
使い続けていくためには欠かせないのがお手入れです。
木製と皮革製家具の基本をご紹介します。

木製家具

木製の家具の色の変化。
要因はいくつかありますが、「光」の影響が大きいことはご存じですか。
木材には、リグニンという物質があり、光の中にある紫外線を吸収する性質があります。
この性質が、木材の風合いを変化させ、劣化の原因にもなるのです。
お手入れの前に、家具の置き場所もチェック!
直射日光が当たらない場所を選んであげてください。

◎日常のお手入れ
木材は表面を清潔にして乾燥状態を保つことが大切。
・普段は、柔らかい布で軽く乾拭き(薬剤の染みた化学雑巾の使用はNG)。
・水分をこぼしたら、すぐに柔らかい布で拭き取り、しっかり乾燥。
・目立つ汚れには、30~40℃のぬるま湯で中性洗剤を3~5%に薄めて使います。
柔らかい布を浸して、硬く絞ってからこすらず優しく拭いてあげましょう。
次に、洗剤のないぬるま湯で、洗剤が残らぬよう拭き取り、最後は、乾拭きして自然乾燥させれば仕上がりです。

木材は、「光」のほか、高い湿度も高温も苦手なデリケートさんです。
割れや反りを防ぐためにワックスやオイルを使うという説もありますが、変色の可能性もあるので購入したメーカーに確認し、目立たない箇所で試してから使用する方がいいでしょう。

皮革製家具

皮革製家具も、扱い方は木材と似ています。
直射日光を避けて、窓際などに置く場合は日光を遮るカーテンを。
エアコンなど冷暖房機器の風も直接当たらないようにしてあげてください。

◎日常のお手入れ
・水に弱い皮革類。普段は、柔らかい布で軽く乾拭き(薬剤の染みた化学雑巾の使用はNG)。
・水分をこぼしたら、柔らかい布で拭き取りを。毛穴に汚れが浸み込まぬよう素早く丁寧に。
・湿度の高い時期や乾燥期には月に数度、40~50℃のお湯に浸した布を固く絞って軽く拭き、その後、乾拭きをしてから、風通しをよくして乾燥させてください。
・汚れたときは、たたく(汚れを浮かす)ように拭きます。水溶性の汚れは、40~50℃のお湯に浸した布で。目立つ汚れには、薄めた中性洗剤を使います。洗剤が残らぬよう拭き取り、最後は、乾拭きして風を通して乾燥です。
※ボールペンやマジックインクなど油性の汚れは落ちないのでご注意を!

皮革製の家具を長持ちさせるコツは、日常の正しいお手入れです。
同じ皮製品だからと、靴・かばん用のクリームを使用するのもNGです。
加工や仕上げの種類の違いでお手入れ法も違います。皮を痛めてしまうこともあるので、洗剤・ワックス・クリームなどは購入したメーカーに確認してから使いましょう。

+One Point/相手を知ることも長いお付き合いでは大切なこと

古いものの魅力を引き出して大事に長く使う。
サステナブルなライフスタイルのひとつですね。

木製家具は、次第に色合いが濃くなるのが普通です。
でも、変化する時間や変化の仕方も樹種(木の種類)によって違います。
一年ほどで色合いが変わっていく樹種もあれば、明るい色合いに変わっていく樹種もあるようです。

これからヴィンテージを目指して育てていく家具を選ぶなら、樹種の違いで経年の変化がどのように違うかも聞いてみてはいかがですか?

※情報提供日:2024年7月26日