ジメジメ、ムシムシの梅雨、猛暑が続く夏場。
熱中症予防のためにもエアコンがない暮らしは考えにくいですよね。
そこで、気になる電気代!
2024年の政府による電気料金の負担軽減措置は5月使用分で終了し、5月の請求分から大手電力10社が値上げを実施しました。
電気代の請求額が予想以上に高くなって、びっくりしたというご家庭もあったはずです。
さまざまなメディアで"夏の節電"方法が取り上げられていますが、間違えて覚えてしまっていることもあるかもしれません。
今回は、"夏のエアコン"の上手な節電方法に絞ってわかりやすく整理しました。
節電のポイントは2つ。まだまだ暑くなるこの時期に、しっかり確認をしておきましょう。
エアコンの出力と運転効率が節電のカギ
どうすれば正しく、節電効果がでやすいのか?
エアコンの電気代を節約するカギは「エアコンの出力と運転効率」にあります。
【エアコンの出力】
とは、冷房時に発揮する能力ですが、設定された室温にするために必要とするパワーのことで「kw(キロワット)」の単位で示されます。一気に部屋を冷やそうとすれば、パワーがかかり、電源のON/OFFを繰り返すこともパワーに負担をかけます。
【エアコンの運転効率】
は、室内温度のムラを抑えて適温を保つことで効率がアップします。はじめから床に冷気を送り込むのではなく、上から下に冷気が自然に下りるようにすると、部屋全体の温度が整いやすくなります。
"出力の負担を軽くする"、"室内温度のムラを無くす"。
この2つをいつもアタマにおいておくと、正しいエアコンの使い方もわかります。
こんなときどうする?"夏のエアコン"NG集
外出先から戻ったら、部屋が蒸し風呂みたいに暑い!
NG)風量は強風で、自分に向けて真下に風向を設定しよう。
短時間で室内を冷やしたい。その気持ちはわかりますが、
エアコン設定の基本は、風量『自動』、風向『水平』。
『自動』運転は、設定した温度になるまで最も効率的な運転をしてくれます。
また、風向は、『水平』あるいは上向きにしたほうが、冷えた空気が上を通ってから床に降りてくるので、部屋全体が涼しくなります。
弱風や微風での運転ならパワーがかからないかもと思いがちですが、室内が快適な温度になるまでに時間がかかって、電気をムダに消費してしまいます。
〈もっと、節電!〉
外よりも室内の気温が高いと感じたら、まずは窓やドアを開けて熱を外に逃がしましょう。
エアコンを入れる前に換気してあげると、外と内の温度差が慣らされてパワーを抑える効果につながりますよ。
換気をするときには、風の通り道を作ってあげてください。2カ所以上の窓・ドアを開ける、窓がひとつの部屋なら窓に向けて扇風機で送風。
風が流れてくれますよ。
今日は猛暑日。28℃の設定温度だと暑いなぁ
NG)設定温度を27℃にしたら、部屋全体がもっと涼しくなるかな。
エアコン使用中でも、暑さを感じてしまうとき。設定温度を下げてしまいがちではないでしょうか。
実は、設定温度を1℃下げるよりも、風量『強風』にしたほうが電力消費量は約半分程度で節電になるといわれています。強い風は、体感温度を下げてくれるので、涼しくなるんです。
環境省では冷房時の室温は28℃を推奨していますが、体感する暑さは個人差もありますよね。設定温度を1℃変えると10~13%程度電力消費量が変わります。28℃の設定温度が合わないなら、はじめから27℃、26℃の設定でもいいでしょう。
節電も大切だけど、健康を損なわない我が家の適温を家族で決めてみては?
〈もっと、節電!〉
体感温度を下げるには、扇風機やサーキュレーターの併用も効果的。下の方に溜まりがちな冷気を循環させることで、涼しさがアップします。
夏が来るたびに、夏の暑さが長く続くようになったと感じませんか。
室温アップの原因の約70%は直射日光による熱。節電は、室内の環境を整えることでも効果が上がるので、遮熱・遮光タイプのカーテンやブラインドにすると、入ってくる熱を防ぐこともできます。
冷房よりも除湿の方が節電できる?
梅雨時や夏の雨の日など少し肌寒く、湿度が高い----。そんな日は、冷房か除湿かで迷ったことありませんか?
"冷房は室温を下げる"、"除湿は湿度を下げる"と、機能の目的が違うのに、冷房よりも除湿は節電できるという説があるようです。その答えを言うなら「機種による除湿機能で違う」というのが正解です。
除湿には主に、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」という2つの種類があります。
弱冷房除湿は、空気中の水分を冷やして取り込み、室内に放出します。冷房と違って、室温が下がっても、湿度が下がるまで稼働しつづけるので、肌寒くなりやすいことが特徴です。
再熱除湿は、除湿のために冷やした空気を、温め直してから送風します。このひと手間で電力の消費量が多くなるんです。でも、部屋の温度をあまり変えずに除湿機能が使えるので、肌寒くなりにくいという特徴があります。
電気代の違いでみると、「①弱冷房除湿→②冷房→③再熱除湿」の順に安くなります。
気温も湿度も高いときは冷房、それほど暑くないけど、湿度でじんわり不快感があれば除湿という感じで使い分けるといいかもしれません。
+One Point/エアコンのお手入れも忘れずに
こまめなエアコンフィルターのお掃除も節電対策になることをご存じの方は多いですよね。自動お掃除機能がないエアコンなら、2週間に一度のお掃除が目安。ゴミやホコリによるフィルターの目詰まりは、冷房効果を弱めて、ムダに電力を消費します。
見落としがちなのは、室外機のお手入れです。
外気を吸いこんで、吹出すことで熱交換をしている室外機。表面や裏面の汚れは空気の流れを悪くするため、運転効率が下がります。吸気口・排気口近くに物が置かれていれば熱放出が遮られて、余分な電力消費の原因になります。
バルコニーのグリーンがいつの間にかに大きくなって室外機のじゃまをしているなんてことがないようにチェックしましょうね。
室外機の外側の汚れは水拭きして、周りに物を置かない。さらに、室外機に日陰を作ってあげたり、打ち水などで周りの気温を下げてあげると節電の効果がアップしますよ。
※情報提供日:2024年6月27日