すまいのスタディ

2024.05.17

"これダメ!"―フローリングの正しいお掃除とは?

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木目と質感が心地よい空間をつくるフローリング。
いまや住まいの床面積のほとんどを占めていますね。
室内インテリア全体の印象を決めてしまう大切な構成要素です。

明るい色、落ち着いた色、艶感のあるなし...、
悩んだ末に決めたお気に入りの床材・フローリングと、
上手に長くお付き合いしていきたいものです。

それに、住まいの中でも『肌』に直接触れる限られた場所。
健康な毎日のためにお掃除とお手入れは欠かせません!
でも、意識高い系でがんばりたいけど毎日は大変ですよね。
今回は、がんばりすぎないフローリングのお掃除のコツと、"これダメ!"というNGを紹介します。

まずは、フローリング汚れの原因を知ることから

毎日でてくるほこりや汚れ。一体それはどこから?
フローリングの汚れの代表例を挙げてみましょう。
【室外】土ぼこりや、花粉・黄砂といった粒子状のほこりなどが換気口や換気で開けた窓を侵入経路として、ときには人が外から持ち込むこともあります。
【室内】繊維状の綿ぼこり(ファブリックや衣類など)、毛髪、頭皮、裸足で歩く足裏の皮脂、ペットの毛などのほか、ダイニング・キッチンは油や水滴、食事の食べこぼしというようにさまざまな汚れが混じって溜まっていきます。カーペットやラグを敷いて、ほこりの舞い上がりは抑えられても、こまめにお掃除をしないとそこにダニなどを呼び込んでしまうなんてことも。

堆積した綿ぼこりなどの見た目にもわかりやすい汚れだけでなく、"見えにくい汚れ"もキレイにする。フローリングのお掃除の基本、目指したいのはこれです。

お掃除サイクルを作って、効率よく!

"汚れに気づいたらすぐに!"と、こまめなお掃除は理想ですが、やろうとするとプレッシャーになりますね。
そこで、お掃除のサイクルを決めて、効率的に清潔で快適なお部屋をキープできるようにしましょう。

基本のお掃除サイクル例

【毎日】ドライタイプのワイパーやモップ、掃除機
ほこりは、夜、人の動きがなくなると舞い降りてきます。朝一番で取り除きましょう。ワイパーでササっと。ロボット掃除機ならマップで範囲を決めてタイマーで定時に、と負担のない程度に。
気をつけたいのは、硬いゴミ。例えば、大きめの砂粒、小石、食べこぼした食材などが乾燥したものなど、掃除機をかけると吸い込んだ時にカリカリ、カラカラというような音のするものです。これらをワイパーや掃除機で、フローリングの表面に引きずるとキズの原因となります。目につく硬いゴミは取り除いてからお掃除をすることをおすすめします。

【週2~3回】掃除機
フローリングとカーペットやラグを念入りに。溝や部屋の四隅に残りやすいほこりやゴミを丁寧に吸い取りましょう。

【2~3週毎】水拭き・乾拭き
花粉など粒子状の汚れや皮脂汚れなどを拭い取ります。窓を開けて換気・乾燥がしやすい天気の良い日中に行いましょう。

子どもが毎日外遊びしてくる家、落ち着いた夫婦二人の家...汚れ方も違います。
目安としてこちらを参考に、ご自身のお住まいの汚れ方などを考えてムリしすぎないサイクルを組み立てるといいでしょう。

+One Point/フローリングお掃除のコツ

お掃除道具にも効率的に汚れを取り除きやすい方法があることをご存じですか?
ワイパーやモップは、フローリングの木目に合わせて、奥から自分の手前へ左右に動かして。掃除機は、溝の目地に沿ってかけていくのが正解。
どちらも動かすスピードはゆっくりと。速すぎるとほこりが舞い上がり、ゴミを取り逃してしまいます。
"なんとなく"では"これダメ!"です。ちょっとやり方を変えれば、お掃除が変わりますよ。

"これダメ!"―フローリングお掃除のNG集

フローリングのお掃除で、忘れてはいけないのがフローリングの種類です。
種類によってお掃除やお手入れの方法が異なり、やってはいけないことがあるため、お住まいのフローリングの種類を把握することが大切なのです。

フローリング表面の塗装の違いで水拭きがNG

塗装の種類は大きく分けて「ウレタン塗装」と「オイル塗装」、「無塗装」の3つとされています。
「ウレタン塗装」は、木の表面に樹脂製の膜を張ることで、水をはじきます。多少の傷にも強いとされていて、水拭きやクリーナーでのお掃除もOKです。
一方、「オイル塗装」と「無塗装」は、乾拭きが基本。水拭きはNGです。
「オイル塗装」は、無垢のフローリングに多く、木の表面に油分を浸透させた塗装で、木目が濃く見えて風合いを楽しめることが特長。「無塗装」は、文字の通り木のままのフローリングです。どちらも水分を吸収して、表面の毛羽立ちや白濁を起こす可能性があり水が苦手です。
もちろん、メーカーによって塗装の性能にも違いはあります。お住まいのフローリングの種類とお手入れの仕方が気になる方は問い合わせてみるといいでしょう。

日常のお掃除でのお手入れのほか、年単位でワックスやオイルメンテナンスが必要な場合もあります。フローリングを長持ちさせたいという方は、合わせて確認しておきましょう。

スチーム洗浄機もフローリングにはNG

近年、家庭でもスチーム洗浄機をお持ちの方が増えています。高温のスチーム(蒸気)を吹き付けて汚れを落とす洗浄機で、洗剤を使わずに洗浄ができるため人気があり、水拭きのように床掃除できる機種もあります。ただし、フローリングに使用の際は要注意。
繰り返し使用することで、熱や水分が影響して、フローリングの突き上げ、膨れ、ヒビワレ、カビ、変色といった現象を起こす可能性があると知っておきましょう。
メーカー・機種で性能も対応できる掃除場所も違いがあるため、購入の際はよく確認することをおすすめします。頑固な汚れを見つけると使いたくなりそうですが、気をつけてくださいね。

おわりに

お掃除は、毎日のことだからロボットに頼るのもあり。
適度なサイクルを決めてルーティン化するなど"ムリなく、ラクに"やったほうがストレスもたまりません。
でも、近頃の水拭きもしてくれるお掃除ロボットで、毎日、水拭きと掃除機をタイマーセットしてなんてやりすぎると、フローリングが痛んでしまい快適さが損なわれることもあります。ロボット頼りもほどほどに。

便利な道具も使う人次第。フローリングのお掃除のコツを知って、上手に使いこなしてください。

※情報提供日:2024年4月23日