2018年9月6日に北海道胆振東部を襲った最大震度7の地震。
この時、北海道全域約295万世帯が停電する日本で初めての"ブラックアウト"が起きました。"ブラックアウト"とは、大手電力会社が管轄する地域のすべてで停電が起こる現象(全域停電)のことです。
突然の停電が夜ならば、経験のない暗闇にパニックを起こすことも考えられますよね。
復旧までの電気がない生活は想像を超える不便さを感じるはずです。
そこで今回は、停電への備えと停電後の行動を考えるお話です。
停電が起きたらどうなるの?
まずは、何が起きるか書き出してみました。
- 冷蔵庫が止まって、食品が傷んでしまう
- 冷暖房は使えず、夏の熱中症に冬の低体温症など健康被害のリスク
- 給湯器は稼働せず、お風呂もシャワーもお湯も使えない
- 水道が止まっていなくても、ボタンやセンサー式のトイレは使えなくなることも
- スマートフォン、PCなどの充電がなくなると、外部と連絡ができなくなる
- テレビ、ラジオなどで情報を得ることができない
- マンションのエレベーターは使えず、自動ドアも開閉しない
- 夜は灯りが足りず、家事や室内移動でも危ないことがある
書き出した事象の多くは、防災備蓄をしていれば数日なら乗りこえられるかもしれません。
防災備蓄が整っていないというご家庭は、以下のサイトなどを参考にこの機会に災害への備えをぜひご確認ください。
停電ならではの備えとは"やるべきこと"を知っておくこと-1
突然の災害、そして停電。
まず、命を守ることが最優先。安全確認ができたら、次にとるべき行動は二次災害のリスクを防ぐことです。やるべき3つのポイントを紹介します。
避難前に、ブレーカーを落とす
停電後の二次災害で火災が起きる原因となるのが"通電火災"。
ブレーカーのスイッチすべてを『切』の状態にしておけば、避難中に停電復旧して電源が入ってしまい漏電や発熱による火災となるリスクを回避できます。
ブレーカーの場所、避難時にどのスイッチを切ればいいのか確認しておきましょう。
電線・電柱に近づかない、触らない
災害時には、電線が切れていたり、電柱が倒れて停電が起きていることもあります。
感電するリスクが高く、命にかかわります。避難時も避難後も、"近づかない、触らない"ことを子どもにもしっかりと伝えておきましょう。
発電機は室内で使わない
発電機の燃料となっているのはガソリンやカセットボンベ。
室内では絶対に使用してはいけません。一酸化炭素が多く含まれる発電機の排気ガスにより、一酸化炭素中毒による酸素不足となり死亡につながるリスクがあります。
停電ならではの備えとは"やるべきこと"を知っておくこと-2
停電から復旧までにかかる時間はわかりません。長引く場合に備えることもやるべきこと。
スマートフォンと、冷蔵庫の保冷機能を長持ちさせるポイントを紹介します。
冷蔵庫は開閉しない
冷蔵庫は、保冷機能が止まった後も2-3時間は冷気が残っているそうです。
まずは、冷気を逃さぬよう扉を開け閉めすることはやめましょう。
停電が長引きそうなときには、保冷剤や冷凍食品を冷蔵室に。冷気は、上から下へ降りるので、一番上の棚にできるだけ集めるのが効果的です。冷気が回り、温度上昇を抑えることができます。
スマートフォンを懐中電灯代わりにするのは最小限に
情報収集や連絡手段として大切なスマートフォン。
バッテリーはできるだけ残しておきたいですよね。
スマートフォンのライトを明かりに使用すると、機種にもよりますが20~30分でバッテリー残量が10%ほど減ることがあります。極力、使わずに済むよう枕元に懐中電灯を備えるなどの準備をしておきましょう。
また、バッテリー温存のために、設定を変更しましょう。
1. iPhoneの場合は"低電力モード"、androidは"バッテリーセーバー"に
2. 未使用のアプリケーションを終了させる
3. ディスプレイの明るさを落とす
4. 画面の自動オフ時間を短くする
5. Wi-Fi・Bluetooth・GPSをオフにする
もしも、バッテリーが切れてしまったときのために家族など緊急連絡先の電話番号はメモしておきましょう。
おわりに
近年の災害では、ライフラインが停止し、復旧に時間がかかることも増えています。
普通に暮らせている今だからこそ、防災備蓄や停電に対する備えを確認して災害時の不安や心配事が少なく済むようシミュレーションしておきたいものです。
いざというときに何が必要か、どう行動すべきか。家族を守るために大切なことですよね。
※情報提供日:2024年3月30日