すまいのスタディ

2023.01.20

住まいの見直しタイミングは、ライフスタイル変化だけじゃない!

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結婚・出産、就職・転職、子どもの成長や独立などライフイベントや家族状況の変化は住まいを見直すタイミングだといわれています。また、年の改まりを契機に、年度替わりの4月に向けて住み替えの検討をはじめたという方もいらっしゃることでしょう。

近年、社会情勢の変化はスピードが速く、住まいにも大きな影響を与えています。働き方や暮らし方の価値観を変えるライフスタイルの多様性。当然、住まいの見直しも自分たち家族のライフスタイルの変化だけではなく、世の中の動きを考慮してタイミングを見計らう視点も大切です。そこで、今回はライフスタイルだけではない住まいの見直しのタイミングと、これからの住まいを考えるときに役立つ情報をご紹介したいと思います。

住まいの見直し①―ライフスタイル変化で住み替え

はじめに、住み替えのキッカケとなる一番の理由、ライフスタイル変化について。結婚・出産、子どもの成長と独立などは住宅購入理由でも常に上位に挙がります。住まいの広さや部屋数は、その時の家族と近い将来を考えて検討するのが王道でしょう。でも、マイホームを手にいれても、10年、20年と経つうちに家族構成や暮らしのスタイルは必ず変わっていきます。

例えば、4人家族が子どもたちそれぞれに部屋を用意できる3LDKのマンションを購入したとします。子どもの成長とともに手狭にも感じる広さと部屋数の住まいも、子どもが独立して夫婦二人に戻るとスペースを持てあまし、空き部屋が荷物置場になるということも。

転勤や転職の場合は、勤務地が変わることで住まいの場所そのものを見直す動機になります。しかし、住まいを買い替えることは簡単ではなく、子どもの学校なども考えるとタイミングが良い時ばかりではありません。また、再び勤務地が変わることもあり得るでしょう。

経年で変化する家族の状況や、将来の予測がつきにくい仕事などを考慮しながら快適に住み続けられる住まいとは――。ライフスタイル変化をキッカケに住まいを見直すなら、家族や時代の変化に柔軟に対応できる住まいへの住み替えが解決策のひとつになるでしょう。

■ライフスタイルに合わせ、カタチを変える「可変性」がキーワード!

「可変性」とは、住まいの内部空間の壁を取り払い、水まわりを移設するなど変更しやすい間取りというだけではなく、可動式の間仕切りやTPOで使い分けが工夫できるといった柔軟性の高い空間づくりも含まれます。そのため、長く暮らすうちに住まいに感じる不満やストレスが軽減しやすいといえます。さらに、住み替えをする場合も、手を入れやすい間取りならば、買い手の幅が広がりスムーズな売却につながりやすいと考えられます。

■例えるならば、かつての日本家屋のような"つながる空間"

家族がくつろぐリビング、食事の場・ダイニング、夫婦の寝室に子ども部屋、人気が高まっているワークスペース...。それぞれを個室にするのではなく、可動し扉となる間仕切りや家具などによって空間自由度の高い住まい―"かつて日本家屋の居室はふすまで広さを自在に変えていた"そんな空間がひとつの理想ということになります。

ベースとなる住まいの内部空間は、耐力壁(地震や風など横からの力に抵抗し、住まいを支えるための壁のこと)が少ない構造を選ぶことがポイント。耐力壁でなければ、将来リフォームで取り除くのも簡単です。柱や梁も少ない方がより空間を自在に区切りやすいといえます。子どもには独立した部屋を与えたいと思いがちですが、小学校高学年程度から社会人になるまではわずか10年ほど。広めの一部屋を可動式の間仕切り家具などを活用し分割すれば、充分プライバシーも確保でき、収納が増えるメリットもあります。

■仕事と生活の"場"を同じくする住まいのカタチ

ニューノーマルな働き方として、在宅勤務やテレワークはもはや常識となり、働く場所が選択できる時代です。リビングの一角をワークスペースに、あるいは日中の子ども部屋を仕事場に活用しているという方もいるでしょう。先にご紹介した「可変性」の高い空間ならば、仕事に集中しやすい空間もアイデアと工夫次第です。

転勤や転職で働く場所が変化することで住まいを見直すというよりも、働きやすく快適に暮らせる"職住融合"の住まいへの住み替えに注目度は高まっています。通勤に縛られず多様な働き方が可能になることで、交通利便性の高い都市部にこだわることなく、自然豊かな郊外や広さ重視というように住まいの選択肢が広がる楽しみもあります。

住まいの見直し②―時代の動きを先読みして住み替え

台風や豪雨による風水害・土砂災害、温暖化による気候変動、地震など自然災害への不安は誰もが身近に感じられる時代となり、住宅に対する人々の防災意識も高まっています。今後はSDGsの観点からも、環境に配慮し、安心・安全性の高い長寿命でサステナブルな住まいへの住み替えが増えていくことが予想できます。
さらに住まいと家計の将来を考えると、世界情勢の変化が日本経済にも影響し住宅ローン金利の変動や税制改正など、その動向を見逃せない時代だといえます。住み替えを検討するなら、こうした社会の変化も考慮した上で、早めに検討や決断することも必要だといえます。

■変化していく住宅ローン控除の条件

既に、2022(令和4)年の税制改正により住宅ローン控除の適用期限と控除率が変更されています。2025(令和7)年12月31日までに入居した場合、新築住宅の控除期間は10年から13年(※1)に延長されましたが、住宅ローン控除率は従来の1%から0.7%と下がっています。さらに、住宅ローン控除は支払っている税金から恩恵を受ける減税制度であり、住民税から差し引ける金額が所得税の課税総所得金額等の7%(最高13.65万円)から5%(最高9.75万円)に引き下げられています。住み替えを検討される方は、住宅ローン控除が全額受けられるのかどうか、毎年の所得税と住民税の支払額を確認しておくことも大切です。
※1 ただし、一般の新築住宅(その他の住宅)を除く。

一方、サステナブルな社会の実現を目指すため、長期優良住宅や低炭素住宅など省エネ・環境性能が優れた住宅は借入残高の上限など優遇措置が拡充されています。2021(令和3)年と2022(令和4)年以降を最大控除額で比較してみましょう。省エネ基準などを満たさない一般の新築住宅の場合は、400万円でしたが273万円、140万円または控除対象外まで縮小されます。認定住宅などの場合、500万円から455万円、409.5万円と引き下げられていきますが、縮小率は抑えられています。
以下の表に住宅を新築等した場合の借入限度額、控除期間等がまとめられていますので、ご確認ください。

※2 一般の新築住宅のうち、2023(令和5)年12月31日までの建築確認を受けたものまたは2024(令和6)年6月30日までに建築されたものは、借入限度額を2,000万円として10年間の控除が受けられます。ただし、特例居住用家屋に該当する場合は、2023(令和5)年12月31日までに建築確認を受けたものが対象となります。
◎参照元:国税庁HP
タックスアンサー(よくある税の質問)|国税庁 (nta.go.jp)

まとめ

世の中の状況や人々のライフスタイル、価値観などの変化は、住み替えの検討や住まいを見直す際にも大きく影響を及ぼしています。これまでの家族のライフスタイル変化を軸に住み替えを考えるだけでなく、好機を逃さず行動を起こすことも大事になってきています。

特に、住宅ローン控除は2023年と2024年・2025年の最大控除額の上限に大きく差があるため、利用して住み替えを考える場合は、入居時期に注意が必要です。そして近い将来、住まいの環境性能の高さは常識となる時代も訪れることでしょう。優遇措置の面でも、認定住宅等は減税額が大きく魅力的ですが、建築費や購入費も高くなりがち...。

住み替えの理由やタイミングもいろいろ考えてしまいますが、まずは、自分がどういう家に住みたいのかを改めて見直してみませんか。「まだ検討段階で具体的には何も決まっていない」という方は、気軽に不動産会社に相談することから始めてみましょう。

「阪急阪神不動産」ではお客様の状況や資金計画など総合的なお話を伺いながら、住み替えをサポートさせていただきます。以下のSERVICEリンクからお気軽にお問い合わせください。

※税金に関するご相談は、国税庁および最寄りの税務署をお尋ねください。
※2023年1月20日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。