すまいのスタディ

2023.08.16

マンション選びは、防災力の高さに注目!

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近年の日本では、地震、津波、水害、土砂災害など、さまざまな自然災害が頻発化しています。さらには、異常気象による猛暑もあり、安全・安心な暮らしをつなぐために住まいを考える機会も増えているのではないでしょうか。
"いざ"というとき、建物の被害は少なく、災害後のレジリエンス(強靭性、回復力)が高い住まいとは...。今回は、マンションの「防災」と「レジリエンス」に注目です!
購入やリノベーションの際の補助金や住宅ローン金利の優遇などについても調べてみました。

マンションの防災認定制度をご存じですか?

防災性の向上と災害に強い良質なマンション整備の推進を目的に、多くの自治体が防災性能や防災活動に対する認定制度の創設を行っています。認定を受けるためには、耐震性や耐火性など建物の安全性に関する基準をクリアすることに加えて、被災時の生活維持に求められる防災備蓄倉庫などハード面の整備や、行動指針となる防災マニュアルや防災アクションプランの作成といったソフト面の取り組みも必要となります。詳しく見ていきましょう。

災害時、マンションではどのようなことが起こるのか?

自然災害が発生した際、マンションは比較的安全だといわれているものの、被害がないとは言えないと知っておくべきでしょう。では、どんなことが起こるのか。以下に想定される事象を列記しています。
◎ライフライン(電気・ガス・水道)の停止。トイレも使えなくなる
◎通信が途絶えたり、情報が入手しにくくなったりする
◎エレベーターが停止し、人が中に閉じ込められることもある
◎高層階では、水や食料の運搬に負担がかかる

マンションの設備や建物の破損により、日常生活に支障が出ることは十分に考えられるのです。安全・安心なマンションライフのために備えなければならないこと、それが認定基準となっています。

認定基準、4つのポイント

【Point.1 建物について】
住宅性能評価の基準による耐震性・耐火性のクリア。さらに、最近は水害を視野に、電気設備を浸水想定よりも高い位置に設置した上で、浸水を防止する対策が施されることが増えています。

【Point.2 建物内の安全性】
地震の際、マンション特有の現象として、高層階ほど揺れが大きくなるといわれています。そこで、家具の固定や、吊戸棚などへの耐震ラッチの設置といった内容をまとめた「家具転倒防止マニュアル」を作成し、住民に配布することが求められます。エレベーターには、全て予備電源付き地震時管制運転装置を設置することとされています。

【Point.3 生活維持の備え】
共用部に防災備蓄倉庫を設け、マンション内で一定日数の被災生活ができるよう飲料水や食料をストックすること。また、トイレキットや生活用水の確保、救出・救助のための器材なども備える必要があります。

【Point.4 防災アクションプラン】
上記、1~3のほか詳細を管理規約に定めた上で、防災に関する日常での啓蒙や防災訓練を行うことが求められます。

災害に強い"レジリエンス"なマンションは、メリットも

ここまで自治体による防災認定制度をご紹介しました。でも大事なことは、認定制度の有無にかかわらず、防災に備えのあるマンションかどうかということです。長期優良住宅ならば、耐震性だけでなく省エネルギー性も高い。揺れに対する強さならば、免震構造のマンションを...というように、安全・安心な住まいを考える際にはさまざまな選択肢があります。

また、防災の備えが高い"レジリエンス"なマンションは、住宅ローン金利や税制の優遇措置を受けられるケースが多いこともメリットとなります。

例えば、住宅金融支援機構では、居住者の合意形成を得て、管理組合で利用できるマンション共用部分リフォーム融資があります。耐震改修工事、浸水対策工事または省エネルギー対策工事を対象に、全期間固定金利で借り入れることができ、金利優遇を受けられる場合があります。
自治体による補助金も制度化されており、大阪市や神戸市では耐震補強の改修工事や、エレベーター防災対策改修工事に適用されています。

お住まいのマンションの防災対策が先の認定基準に満たないといった不安があれば、管理組合と共に居住者みんなで話し合ってこうした制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。防災力の高いマンションは、売却する際の有利な条件としても考えられるでしょう。

▶地震に強い建物については、以下の関連記事もご覧ください。
耐震、制震、免震。地震に強い建物はどう違う? (8984.jp)

まとめ

自然災害への備えを誰もが考えなくてはならない日本。災害対策には、『防災』・『減災』という2つの考え方がありますが、今後は、どのように被害を減らすかという『減災』への取り組みがより重要になってくることでしょう。

安全で、安心な暮らしのためには、被害が少なく、日常生活が取り戻しやすい「レジリエンス」なマンションを選ぶことが大切なのではないでしょうか。

不動産に関するお悩みやお困りごとは、『阪急阪神不動産』にぜひご相談ください。

※2023年8月16日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。