すまいのスタディ

2022.09.15

子育て、防災支援もある補助金でグレードアップ。準備は早めが肝心!

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リフォーム計画は間取りや内装を変えて理想の住空間を描いたり、老朽設備を入れ替えることで生活が便利になるなどワクワクするものです。でも、"見える"リフォームだけでいいのでしょうか。長く快適で、家族が安心できる住まいには、"見えにくい""わかりにくい"部分も含めてリフォームすることが必要です。
リフォームの補助金・助成金は、国が主導し全国で利用できるものから、自治体独自で実施しているものまで種類も多く複雑です。受け取るためにはリフォームの目的を明確にすることと、補助金・助成金を深く理解して手続きから適切な工事まで実施できる事業者をパートナーに選ぶことが大切です。限りあるリフォーム予算でも補助金・助成金を活用して、ワンランクアップした快適な住まいにしたいですよね。
今回は、子育てしやすい住まいや災害時の備えにもつながる住宅性能向上を目的とした「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金に注目してまとめています。

そもそもリフォームの補助金・助成金にはどんな種類がある?

国や自治体の補助金・助成金は、主にバリアフリー化・省エネ化・耐震化の3つの観点のリフォーム工事が行われることが対象となります。子どもからご高齢者、障害のある方など多様な人々が安心・安全で暮らしやすく、環境に配慮した長寿命の住まいに良質化することで受け取ることができるのです。国による補助金の種類を整理しておきましょう。

◎長期優良住宅化リフォーム推進事業:長寿命化・省エネ化など住宅性能の向上や、子育て世帯・三世代同居の住宅向けリフォーム対象
◎介護・バリアフリーリフォーム補助金:バリアフリー化の際に介護保険を活用する制度
◎こどもみらい住宅支援事業:子育て世帯や若者夫婦世帯の省エネ改修などに対して補助
◎既存住宅における断熱リフォーム支援事業:高性能建材を用いた断熱改修工事が対象
◎ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)支援事業:大幅な省エネや一次エネルギー収支ゼロを目指したZEH住宅への改修
◎次世代省エネ建材の実証支援事業:次世代省エネ建材の効果実証が要件

このほか、各自治体独自で助成金制度を実施している場合があります。国・自治体ともに対象工事の内容や補助額、補助対象期間や申請条件などが設けられているので注意が必要で、そのためにリフォームを依頼する事業者の協力が欠かせないといえます。

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」に注目!どんな補助金制度?

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」とは2014年から誕生した制度で、住宅をリフォームし長寿命化させてその価値を上げることを目的としています。つまり、これから長く住み続けたい、子育てしやすい住まいにしたい、環境にやさしく災害に強い安心な住まいがいいといった住宅の質を高めるための補助金です。単に住宅設備を改修する、内装を一新するといったリフォームではなく、長期にわたる快適な住み心地のためと考えて活用を検討してみてください。

■補助金はどうすればもらえるの?

補助金を受けるためには以下の①②を満たすリフォーム工事が必要です。
①インスペクションを実施し、維持保全計画・履歴を作成すること
②工事後に耐震性と劣化対策、省エネルギー性が確保されること

①インスペクションとは、現況調査のことです。建築士である既存住宅状況調査技術者が日常の生活に支障をきたすような劣化事象があるかどうかを調査します。外壁や屋根、柱や床、内部の配管などリフォームで補修の必要がないかも判断した上で、今後の維持保全で補修又は点検を実施する時期を明記した計画を作成していきます。
見た目だけでは判断しにくい劣化箇所も見つけてもらうことで、近い未来に「また、リフォーム?」とならぬようしっかり調査してもらうことは大切ですよね。

②の要件を満たすためには一定の性能基準が設けられています。補助金の対象はリフォーム工事の全体費用ではなく、あくまでも特定の性能項目を一定の基準まで向上させる工事であることが押さえておきたいポイントです。補助対象となる工事については次の表で詳しくご紹介しましょう。

性能向上で快適さアップだけでなく、ライフスタイルにも対応!

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金は住宅の良質化・長寿命化が必須といえます。しかし、上記表にまとめたように住宅性能の向上面だけが対象ではなく、子育て世帯が暮らしやすい住まいへのリフォームや三世代同居、テレワークスペース増設といったライフスタイルに合わせた空間づくりや防災への備えにも対応できる点は注目に値します。

子育て世帯の場合、住まいに子どもの安全は欠かせません。転倒などの衝撃を和らげる床材の使用や、子どもを見守りやすい対面式キッチンへの変更、安心して子供を遊ばせることのできるキッズスペースづくりも考えられます。また、子育て中の家事負担を軽減する食洗器や乾燥機の設置なども対象となるのは魅力的ですよね。

補助金の限度額は2種類あります。表内①の評価基準型は100万円。長期優良住宅(増改築)の認定取得はなくとも、一定の性能向上が認められれば受けとることができます。表内②の認定長期優良住宅型は認定の取得が条件で200万円まで受けることができます。そして、子育て世帯や三世代同居、省エネ(※1)などの工事をすることで、()内のプラス50万円を受け取ることができる点は見逃せません。
※1:一次エネルギー消費量を省エネ基準比▲20%とする場合(太陽光発電による削減量は含まず)
注:補助金対象リフォーム工事の合計の1/3の額を補助。性能項目は一定規模以上の住戸面積が必要です。戸建住宅と共同住宅(マンション)で異なる点があります。詳細は、出典先のHPなどをご参照ください。

▶出典先: 令和4年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業(choki-reform.com)
001474413.pdf (mlit.go.jp)
○長期優良住宅については、以下の頁も合わせてご覧ください。
人生100年時代の「長く、快適に暮らし続けられる家」 | 阪急阪神すまいのコンシェル (8984.jp)

まとめ

リフォームの補助金は一般的に工事前に申請が必要です。受付は多くの場合、4月頃に開始となりますが、予算上限に達すれば受付終了となってしまうため人気の補助金は夏から秋には申請できなくなってしまうことも...。
令和4年度の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は補助金の予算額に達したため受付が終了しています。しかし、脱炭素社会の実現や住宅の長寿命化を推進する国の方針が大きく転換しないことが見込まれる昨今の状況においては令和5年度も同様の補助金が事業化される可能性は十分考えられるでしょう。
現在、リフォームを前提に中古住宅購入を検討中の方には、いまから補助金を視野に入れてスケジュールや予算面の計画を立てることをおすすめします。住まい探しから、購入、それからリフォームを計画となれば一定の期間が必要となります。

リフォームをどこまで実施するのか、新たな設備はどんなものを選ぶのか、細かな決め事の多さを考えれば早すぎるということはないでしょう。また、リフォームで補助金を受け取る際には住宅の築年数や広さなども条件となる場合があります。そのため、補助金などの知識も豊富な仲介会社とリフォーム会社との信頼関係は欠かせません。

「中古住宅を購入し、リフォームやリノベーションで理想の住まいを実現したい」。でも「段取りはどうすれば...」「失敗しないためには何をすればいいの?」といった迷いがあるなら専門家にアドバイスをもらうこともひとつの方法です。阪急阪神不動産では、不動産に関するさまざまなお悩みにお応えしています。ぜひ一度、相談してみてはいかがでしょうか。
以下のSERVICEのリンクも合わせてご覧ください。

※2022年9月15日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。