すまいのスタディ

2021.01.21

長く住めるマンションとは? マンションの耐用年数はどれくらいか解説

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マンションの購入を検討するとき気になることのひとつが、耐用年数ではないでしょうか。自分が住むにしても人に貸すにしても、あるいは売りに出すにしても、できるだけ長く住める条件が整っていたほうが安心ですよね。耐用年数は、間取りや設備に比べると目に見えにくい部分です。この記事で、マンションの耐用年数について解説します。

マンションの寿命・耐用年数は何年?

マンションの寿命や耐用年数はいったい何年ぐらいなのでしょうか。鉄筋コンクリートの建物を見ると、とても頑丈そうに思えるものですが、基準や考え方はひとつではありません。様々な考え方がありますが、おおむね次のように言われています。

物理的な耐用年数は100年程度

一般的に、RC造(鉄筋コンクリート造)のマンションであれば、物理的には100年程度、あるいはそれ以上の耐用年数があるといわれています。
ただし、税法上の耐用年数は、47年です。これは減価償却費を計算するために定められている年数で、47年が経過したマンションには住めなくなる、マンションは47年しか持たないということではありません。

減価償却というのは、長い期間に渡って使用する家やマンションなどの固定資産を購入した際、購入にかかった金額をその年度だけの費用とするのではなく、耐用年数に応じた費用として経費計上する会計処理のことをいいます。47年というのは、その計算のために設定された年数ということです。

ごく単純な考え方をすると、マンションの購入費用を47年分に分けて経費計上して納税できるというシステムで、実際の耐用年数とは関係ありません。

管理状態で寿命が変わる

マンションの躯体部分、つまり鉄筋コンクリートの構造部分の寿命はそれなりに長いといわれていますが、配管などの設備については、定期的なメンテナンスが必要です。きちんとメンテナンスされていれば寿命も長くなりますが、そうでないと短くなってしまいます。

さらに、コンクリート部分も雨水や風などによって劣化するもの。本来コンクリートは強いアルカリ性ですが、時間とともに中性に近くなっていきます。すると、コンクリート自体が劣化するだけでなく、内部の鉄筋にもサビなどの影響が......。

これを防ぐためには、定期的に再塗装したり補修したりといった作業が必要です。放置したままでも住むことはできるのですが、再塗装や修繕を定期的に行えば、基本的には寿命も耐用年数も、何もしないよりは長くなります。
このように、どんなふうにマンションの維持管理が行われていたかで、寿命も耐用年数も変わってしまうのです。

耐震性能からみた寿命

実は、耐震性能も、マンションの寿命や耐用年数を語る上で欠かせない要件です。
具体的に言うと、1981年の建築法改正により、耐震基準が見直されました。1981年以前に建築されたマンションの場合、コンクリートの性能も施工法も、新しい耐震基準で建てられたマンションに比べると、耐震性能が低いと言わざるをえません。

もちろん、1981年以前のマンションすべての耐震性能が低いというわけではありませんが、旧耐震基準で建てられたか新耐震基準で建てられたかは、マンションの寿命を考えるうえでのひとつのポイントといえるのです。

立地により建物の劣化に差が出る場合も

まったく同じ材質で構造のマンションがあったとしましょう。この場合、どのような場所に建てられているか、どんな環境にさらされているかにより、寿命には差が出てきます。

例えば直射日光をまともに浴びるような場所では紫外線による材質の劣化が激しくなります。紫外線は、人体だけでなく、建物に使われている建材にも影響を及ぼすのです。逆に日当たりの悪い場所ではカビやコケが生えてしまうこともありますし、海に近い場所で潮風を受けると、塩分でサビが発生し、金属類を劣化させてしまいます。
こういった環境では、想定よりも寿命が短くなると考えてよいでしょう。

中古マンションの場合のチェックポイント

中古マンションは、新築よりも安い費用で、良質の物件を選ぶことができます。ただ、長く住むことを前提とするのなら、間取りや部屋の様子だけでなく、次のことをチェックすることをおすすめします。

まずは、管理体制がしっかりしているかどうかということ。マンションの維持と管理は管理組合が請け負いますので、管理組合はきちんと存在しているか、存在している場合は長期的な修繕計画が立てられているか、その計画に沿って修繕作業が行われているかの記録を必ず確認しましょう。
また、修繕の際に必要な修繕費の積み立てが行われているか、各世帯が積み立てに協力しているかといったこともチェックしておくと安心です。

マンションの購入を検討している場合は、お伝えした内容を参考にして、耐用年数の面でも納得できるようにしましょう。

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※2021年1月21日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。