一戸建住宅を建てるとき、耐震や防災と同じく考えておくべきなのが防犯対策です。泥棒(空き巣)に狙われにくい家にするためにはどんなことに気をつけておけばいいのでしょうか。新築一戸建の防犯対策について解説します。
泥棒(空き巣)に狙われやすい一戸建の特徴
泥棒に狙われやすい一戸建住宅には往々にして共通点となる特徴があります。たとえば以下の2つの特徴は、いずれも狙われやすいポイントといえます。
見通しが悪い家
塀を高くする、または敷地を植え込みの木で囲むなどすると侵入されにくくなり、防犯に役立つと考える人が多いかもしれません。しかし、実は逆です。
塀などで敷地の中が見えない家はいったん泥棒が中に入ると外から姿が見えなくなるため、泥棒にとっては都合のいい状況となります。高い塀や生け垣を乗り越えることは、道具などを使えばさほど難しいことではありません。最初のハードルを越えてしまえば通行人や近隣の人から見つかりにくくなるので、あとは好き勝手に行動できます。むしろ多少敷地内が見えるようなフェンスや、背の低い生け垣の家のほうが侵入されにくい傾向があります。
視界の悪い立地
上記と似ていますが、立地条件として視界が悪く、人通りの少ない場所に建つ家も狙われる可能性が高いといえます。高い建物の陰に隠れている、または路地の奥まったところに建っているような家がそれです。そもそも侵入するところから周囲の視線を避けることができるような立地であれば、泥棒にとって申し分のない条件がそろっていることになります。
泥棒はどこから侵入してくるのか
泥棒がどこから住宅に侵入するのかを知っておくことも大事です。ここでは警視庁の「住まいる防犯110番」というWebサイト(https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html)で公開されているデータを参考に侵入の手口と侵入口を見てみましょう。
侵入の手口
一戸建住宅への「侵入窃盗」の侵入手段で最も多いのは「無締り(46.5%)」、続いて「ガラス破り(37.7%)」です。無締りとは文字どおり、施錠していないドアや窓を開けて侵入されたということ。一戸建の場合はとくに窓の無締りが多いとされています。一方のガラス破りは窓ガラスを破壊して手を入れ、解錠する侵入方法です。音をほとんど立てない破り方もあり、手口は非常に巧妙化しています。
どこから侵入してくるのか
侵入口は半数以上が「窓(57.6%)」です。アパートやマンションでも窓は侵入口としてトップなのですが、一戸建の場合はとくにそれが際立っています。窓には2階のベランダやバルコニーの窓も含まれます。次に多いのは「表出入り口(18.2%)」、つまり玄関です。
新築一戸建におすすめの防犯性能の高い建物部品
新築一戸建を泥棒から守るには、要所に防犯性能の高い建物部品を導入するのがおすすめです。代表的な建物部品をご紹介します。
ドアの防犯
ドアはサムターン回しやピッキング、こじ開けなどの手口を想定した仕組みを備えたものが増えています。
サムターン回し対策としては「施錠式」や「ツーアクション式」といった耐サムターン回し性能の高いシリンダーがあります。
ピッキング対策ではピッキングに強い複雑な構造を持ち、ドリル攻撃にも耐える強固なシリンダーがおすすめです。
こじ開け対策にはバールなどを差し込んでこじ開けることができないよう工夫された「デッドボルト(かんぬき)」や「ストライク(受座)」が効果的です。
さらに、ドア自体も金切りバサミなどで切り破られない強固な材質で作られた製品が販売されています。
窓ガラスの防犯
窓はガラスの強度を上げることが必須と考えましょう。通常のガラスのように簡単には破壊されない「防犯ガラス」をぜひ導入してください。防犯ガラスは板ガラスの間に特殊中間膜を挟み込むことによって、通常の方法では簡単に割れないような構造を持つ製品が増えています。
サッシの防犯
防犯ガラス以外にサッシの防犯として有効なのは、外れ止め、ロック付きクレセント錠、補助錠です。
外れ止めはサッシを持ち上げることで窓枠から外すことができないようにするための部品です。
ロック付きクレセント錠は簡単に回転して開けられないようにロック機構の付いたクレセント錠で、様々なタイプがあります。
補助錠は、クレセント錠以外に取り付けるもう一つの鍵です。2ヵ所以上をロックすることで窓を開けにくくします。
雨戸・シャッター・面格子
窓の雨戸やシャッターにも外れ止めが必要です。雨戸は切り破られない材質を使ったものであれば安心でしょう。シャッターはこじ開けられにくいようレールを強化し、やはり切り破られない材質を採用したものを選びましょう。
キッチンや廊下などの窓には面格子も有効です。面格子の中には道具を使えば意外に簡単に取り外せるものもあるので、外しにくく切断されにくく、取り付けも強固な製品を選んでください。
セキュリティサービスやご近所さんに協力してもらう防犯対策
一戸建の防犯を高める為には、ホームセキュリティサービスの利用も有効です。ホームセキュリティサービスは警備会社が侵入者などを監視・対処してくれるサービスです。基本的に、窓・ドアからの侵入感知、通報によって駆けつけてくれる緊急通報、防火に役立つ火災感知がセットになっているものが多いようです。泥棒対策だけではなく、火事や急な病気・怪我にも対応可能なことから利用者が増えています。
また、昔ながらの方法ですが、近所の人と親しくなることも大いに防犯に役立ちます。お互いに気にかけておくことで怪しい人物の侵入などを防げます。また長期間家を空ける際には郵便物などを預かってもらうこともできます。そのことで留守であることがばれないようにする効果も期待できるでしょう。
新築一戸建を建てる際は防犯にも十分注意しましょう。
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※2020年8月6日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。