すまいのスタディ

2020.01.30

中古マンション購入時の頭金の相場とは?

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中古マンションを購入する際に必要な「頭金」は、いくら用意すればよいのでしょう。 「頭金は物件価格の20%程度」という意見もある一方「今はゼロ円でも大丈夫」という意見もあり、相場がわからず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。今回は、現在の頭金の相場や、そもそも頭金とは何かという疑問について解説していきます!

中古マンション購入時の自己資金の内訳

物件を購入する際、住宅ローンとは別に自分で用意する現金を「自己資金」と呼びます。内訳は、主に「手付金」「頭金」「諸費用」の3つです。それぞれの資金がどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

◎売買契約が成立したことを示す「手付金」

手付金とは不動産の売買契約を交わす際に支払うお金です。売買契約が成立したことを示す証拠金として、買主が売主に預けます。金額の決まりはなく、売主と買主の話し合いで決めるのが通例です。多いケースが、物件価格の5~10%か、キリのよい金額にすることが多いようです。

滞りなく契約が進んだ場合、手付金は頭金として物件購入代金の一部となります。また、一定期間の間に買主の都合で契約を破棄した場合は、キャンセル料としてそのまま売主に手付金を支払い、解約することになります。

◎住宅購入代金の一部として支払う「頭金」

頭金とは、住宅の購入代金の一部として最初に支払う現金のことです。以前は物件価格の20%分を用意していました。その理由は、かつての住宅金融公庫の貸付上限額と関係があります。住宅金融公庫の融資率は物件価格の80%と決められており、頭金を20%用意できないと、民間銀行からも融資を受けなければなりませんでした。審査の厳しい民間銀行で融資を受けることや、諸費用や手続きが増えることを懸念し、頭金は20%必要と言われていたのです。

住宅金融公庫が2007年に廃止され、融資率の規約も変わり、現在はゼロ円でも住宅ローンを組むことが可能になりました。

ただ、ほとんどのケースでは「手付金」がそのまま頭金に充当されますので、用意すべき頭金と手付金の金額(物件価格の10%程度)は同額という認識になっているようです。

◎購入手続きにかかる「諸費用」

中古マンションの購入には、物件の代金とは別に「諸費用」がかかります。金額は物件購入価格の8~10%程度です。主な内訳は、税金、不動産会社への仲介手数料、司法書士へ支払う登記費用、損害保険会社に支払う火災保険料、銀行に支払うローン事務手数料、保証会社に支払うローン保証料などです。支払のタイミングは、契約時、引き渡し時、不動産取得後の、大まかな3段階があります。

自己資金の相場はいくらか

国土交通省の調査によると、平成29年度における中古マンション購入資金の平均額は2,393万円で、そのうち自己資金は平均1,227万円、購入資金に対する自己資金の比率は51.3%となっています。では、本当に購入資金の50%以上も自己資金を用意する必要があるのでしょうか。

◎自己資金の割合は自由に決めてよい

「自己資金 平均1,227万円、自己資金比率 51.3%」という数値を見て、自己資本比率の高さに驚かれた方も多いのではないでしょうか。このデータの調査対象者は、20代~60代と幅広い年齢にわたっています。中高年~シニア世代はローンの返済年数を短くするかわりに、貯蓄が多いため頭金を多く入れる傾向があります。ですから、自己資金の平均額と比率が上がってしまうのです。

実際、住宅購入金額における自己資金の割合に決まりはなく、30代以下の若い世代の場合は物件価格の10%に当たる手付金(頭金)と諸費用を用意する方が多いようです。自分自身の資産状況や返済計画を念頭に置き、無理なく払える金額を用意しましょう。

◎手付金は現金で用意する必要がある

頭金ゼロで物件を購入する場合、物件価格をまるごと借り入れする「フルローン」か、物件価格以上の融資を受けられる「オーバーローン」を申し込むことになります。

オーバーローンでは、通常は現金で用意する「諸費用」を物件価格に上乗せして融資を受けることになるため、自己資金一切なしで物件を購入することが可能です。その場合も、売買契約の証拠金となる「手付金」だけは現金で用意する必要がありますが、後の決済で手元に戻ってくるため、実質的な自己資金はゼロ円です。

少ない頭金で中古マンションを購入するメリットとデメリット

頭金の額が少ないと不都合がありそうですが、決してそんなことはありません。メリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。

◎頭金を少なくするメリット

頭金を少なくするメリットは、その分のお金を別の用途にまわせることです。貯蓄にまわせば、急な入院での出費や、収入の減少などの事態に備えることができます。また、余裕があれば、資産運用にまわすこともできるでしょう。

例えば、3,000万円の物件を購入して金利0.6%、返済期間35年の住宅ローンを組む場合、300万円の頭金を入れると全額融資を受けた時よりも総返済額が約33万円安くなります。しかし、その300万円を比較的低リスクとされる投資信託で35年間運用すれば、33万円以上のプラスを生むことは十分に可能です。

ただし、資産運用では元本が保証されませんので、資金に余裕を持った運用をすることが必要です。

◎頭金を少なくするデメリット

頭金を少なくすることで考えられるデメリットは、住宅ローンの審査が厳しくなる可能性があることです。勤務先や収入額によって審査基準は異なるので一概には言えませんが、やはり頭金が多い方が審査は通りやすくなるのが一般的です。

また、ローン審査に通っても、頭金が少ない分だけ借入額が増えるので、利息の負担が多くなるのも懸念点です。そして後々物件を売却することになった場合、多額のローンが残っていると売却が難しくなってしまうこともありますので、注意が必要です。

リノベーション費用はローンで借り入れできる

中古マンションの購入には頭金や諸費用がかかる上、リノベーションやリフォームまでするとかなりの出費になります。資金調達に頭を悩ませる方も多いでしょう。しかし、現在多くの金融機関で扱っている「リフォーム一体型住宅ローン」なら、物件代金とリノベーション・リフォーム費用をまとめて住宅ローンで借入することができます。

このローンを活用するにはローン審査の時点でリノベーション・リフォーム費用が判明していることが条件ですが、融資実行までの流れは金融機関によっても異なりますので、あらかじめ確認しておきましょう。

住宅購入時の頭金はかつて購入価格の20%と言われていましたが、現在はもっと少ない金額でも購入することができます。ただし、頭金が少ないとデメリットがあることも忘れてはいけません。将来的に無理のない計画かどうか、専門家の力を借りながら考えてみることが大切です。

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※2020年1月30日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。