すまいのスタディ

2019.07.22

どう違う?マンション「管理費」と「修繕積立金」使用用途は?

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マンションを購入すると、月々のローン返済とは別に、毎月「管理費」と「修繕積立費」を管理組合に支払わなくてはいけません。これら二つの費用は、住宅ローンを完済した後もそのマンションを所有している限り発生する費用ですが、それぞれの違いが今ひとつ分からないという方は意外と多いのではないでしょうか。

そこで今回は、これからマンション購入を検討されている方のために、マンションの管理費と修繕積立費の用途の違いや、マンション管理の仕組みについて詳しく解説していきます!

マンションの管理費とは

マンションには、住居空間にあたる「専有部分」と、エントランスやエレベーター、共用廊下といった専有部分以外を指す「共用部分」があるのはご存知ですよね? 共用部分はわかりやすく言えば「入居者みんなが使う場所」で、その維持・管理のために使われる費用が「管理費」というわけです。分譲マンションはもちろん、賃貸マンションであっても管理費が毎月設定されているところは多く、毎月のローン返済や家賃とは別に支払わなくてはいけないため、マンション選びの際には事前にその金額等をきちんと把握しておくことが大切でしょう。

管理費の決まり方

管理費というのは法律によって上限が決められているわけではないため、物件によっても金額は異なります。管理費はその建物を維持・管理するための費用とされてはいるものの、実際にかかる費用を細かく計算した上で金額が設定されているというわけではなく、管理会社やその物件のオーナーによって決められるケースがほとんどです。一般的には、賃貸物件の場合は入居時期や床面積の広さによって、分譲マンションの場合は入居戸数や階層、設備などによって管理費が決められています。

管理費はどのように使用されるか

では、実際に入居者が支払った管理費というのは、どのように使われているのでしょうか。主な用途は以下の通りです。

  • エントランスや共用廊下部分の清掃、電気代、備品交換
  • ゴミ捨て場の清掃・管理
  • オートロック設備、監視カメラ等の維持費、点検代
  • 敷地内の植栽や花壇などの手入れ
  • 浄化槽の点検・清掃
  • 共用部分の火災保険やその他損害保険の保険料

マンションの修繕積立金とは

家というのは人が暮らし始めるとどうしても汚れてしまったり、経年による劣化が生じてしまったりするものです。一戸建ての場合には、10年~15年ごとに外壁の塗り直しなどが必要と言われていて、その都度費用が必要になります。そのため、一戸建てに住んでいる方は、将来の修繕に備えて月々の積立をしている方も多いのではないでしょうか。

では、集合住宅であるマンションの場合はどうでしょうか。近頃のマンションは耐用年数が50年以上のものが多くなっていますが、そうは言っても長年安全に住み続けるためには定期的なメンテナンスは不可欠です。しかも、マンションの場合は戸建て住宅と比べると規模が大きいため、かなりの費用が必要になります。そこで、マンションの入居者から毎月決まった金額を集め、将来的なメンテナンスに備えて積立てを行うのが「修繕積立金」というわけです。また、修繕積立金は、自然災害や事故などで建物や設備が破損したり、不具合が生じたりした場合にも使われることがあります。

修繕積立金の相場と決まり方

修繕積立金はマンションの管理組合が作成する「長期修繕計画」によって決められるのが一般的です。マンションの老朽化を防ぎ、快適・安全に暮らせる性能を維持するためにはどのような工事が必要なのか長期的な視点で検討し、必要な費用を入居者から徴収する費用によって積立てていきます。マンションの規模や設備によっても修繕積立金の金額は異なるため一概には言えません。

修繕積立金は最初に提示された金額がずっと変わらないというわけではなく、管理組合で話し合う中で、修繕内容に合わせ適宜見直しが入ります。

修繕積立金はどのように使用されるか

では、実際に入居者から集められた修繕積立金というのはどのように使われているのでしょうか。修繕積立金の具体的な用途は以下の通りです。

  • 定期的に行われる計画的な修繕
  • 地震や台風などの自然災害や不測の事故によって必要となる修繕
  • 建物の建て替えなどに必要な調査
  • 敷地や共用部分の変更

マンションの管理はだれが行う?

「戸建て住宅と違って、マンションは管理が楽」と思っている方は多いですよね。でも実際には、マンションに住んでいる人は必ず「管理組合」に加入することが義務付けられています。管理組合というのは、マンションに関わる幅広い管理業務を行うための組織のことで、エレベーターやエントランスをはじめとする共用部分の清掃などの維持管理、管理費や修繕積立金の管理・運用などの大切な業務を行います。とはいえ、マンションの入居者たちでその業務を全て行うことは現実的に不可能でしょう。そこで登場するのが「管理会社」というわけです。管理会社は、管理組合から委託を受けて、入居者の代わりに管理業務を行います。

マンション管理会社への業務委託方式

マンション管理会社に維持・管理業務を委託する場合には、マンション管理に関わる業務の全てを一括して委託する「全部委託方式」と、管理費や修繕積立費の管理など一部の業務を委託して、清掃や設備点検などは管理組合が自ら専門業者へ発注する「一部委託方式」の2種類の方法があります。

管理費や修繕積立費は将来にわたって快適に過ごすために必要なものです。マンション選びの際には、管理費・修繕積立金の計画内容や金額を確認することも大切です。

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※2019年7月22日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。