マンションを購入・所有する場合は、住宅ローンの返済額や固定資産税等に加え、管理費と修繕積立金を継続して支払う必要があります。しかし、「将来どの程度増額されるのか」と疑問を持つ方もいるでしょう。
本記事では、国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」等をもとに、管理費と修繕積立金の違い、全国平均、増額される背景、戸建との費用負担の違いを解説します。
滞納した場合のリスクや、購入・売却時に確認する項目も紹介するため、資金計画を立てる際にお役立てください。
マンションの管理費と修繕積立金の違い

マンションの管理費と修繕積立金は、どちらも区分所有者が管理組合に支払う費用ですが、使い道が異なります。
管理費は、共用部分の日常的な維持管理に使われる費用です。管理員の人件費、共用部分の清掃費、水道光熱費、設備の点検費、管理会社への委託費等に充てられます。
修繕積立金は、外壁や屋上、給排水設備、エレベーター等の共用部分について、将来行う計画修繕や設備更新に備えて積み立てる費用です。専有部分のリフォームや設備交換には、原則として使用できません。
修繕積立金は管理費と区分して経理され、管理規約や長期修繕計画に基づいて使用されます。物件を選ぶ際は、毎月の合計額だけでなく、管理費と修繕積立金の内訳も確認することが重要です。
管理費・修繕積立金の金額はどのように決まる?

管理費と修繕積立金は、マンション全体で必要となる費用や各住戸の共有持分、長期修繕計画等をもとに設定されます。購入時の金額が将来も維持されるとは限らないため、算出方法と見直しの仕組みを確認しましょう。
本章では、以下の内容を解説します。
- 住戸ごとの負担額の決まり方
- 管理費の設定方法
- 修繕積立金の設定方法
住戸ごとの負担額は共有持分を基準にするのが一般的
国土交通省のマンション標準管理規約では、管理費と修繕積立金の額について、各区分所有者が持つ共用部分の共有持分に応じて算出する考え方が示されています。
共用部分の共有持分は、専有部分の床面積を基準として定められるのが一般的です。管理費と修繕積立金を共有持分に応じて算出するマンションでは、専有面積が広い住戸ほど月額負担も増えることになります。
ただし、住戸の位置や用途等に応じて別の算出方法が定められている場合もあります。購入前に管理規約等を確認し、対象住戸の負担額がどのように算出されているか把握しましょう。
管理費は日常の管理に必要な予算から決まる
管理費は、管理員の配置、清掃の頻度、共用設備の点検、共用部分の水道光熱費、損害保険料、管理会社への委託費等をもとに設定されます。
同じ戸数や築年数でも、24時間有人管理を採用している物件や、コンシェルジュサービスがある物件は管理費が高くなる傾向があります。管理費の金額を見る際は、提供されている管理サービスの内容も確認することが重要です。
修繕積立金は長期修繕計画をもとに決まる
修繕積立金は、長期修繕計画で見込まれる工事費、現在の積立残高、計画期間、駐車場使用料等からの繰入額をもとに設定されます。
国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、計画期間全体における修繕積立金の平均額について、地上20階未満では建築延床面積に応じて170~430円/㎡・月、地上20階以上では240~410円/㎡・月が目安として示されています。
この金額は計画期間全体の平均額であり、現在徴収されている月額や全国平均と単純に比較するものではありません。実際の妥当性は、長期修繕計画の工事内容や収支見込みを含めて判断しましょう。
参考:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」
参考:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
マンション管理費・修繕積立金の相場と平均

国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によると、1戸当たりの月額平均管理費は11,503円、月額平均修繕積立金は13,054円です。いずれも駐車場使用料等からの充当額を除いた金額で、合計すると月額平均約2万4,000円〜2万5,000円となります。
ただし、全国平均は個別のマンションにおける適正額を示すものではありません。建物の規模、築年数、共用設備、管理サービス、長期修繕計画等の内容によって必要額は異なります。全国平均との比較だけでなく、管理内容や将来の収支計画も確認しましょう。
参考:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」
|
築年数と修繕積立金の関係や積立方式の仕組みについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 >>マンションの修繕積立金とは?相場・適正額から値上げ理由まで徹底解説 |
|
新築マンションの購入をご検討中の場合は、阪急阪神の住まいブランド<ジオ>をぜひご覧ください。<ジオ>では、長期的な資産価値を意識した設計・仕様と、阪急阪神ホールディングスグループのネットワークを活かした周辺環境との調和を大切にしています。また、2026年オリコン顧客満足度®調査『新築分譲マンション 近畿』の総合ランキングで5年連続の第1位を獲得しました。まずは、気になる物件の情報収集から始めてみてください。 |
管理費・修繕積立金が負担になりやすいマンションの特徴

管理費と修繕積立金の負担額は、総戸数、建物の規模、共用設備、管理サービス等によって異なります。月額だけで良否を判断せず、費用が必要となる理由と提供される管理サービス内容を確認する必要があります。
本章では、以下の内容を解説します。
- 総戸数が少ないマンション
- 共用設備が充実したマンション
- 超高層・タワーマンション
総戸数が少ないマンション
総戸数が少ないマンションは、1戸当たりの管理費・修繕積立金の負担が大きくなりやすい傾向があります。清掃・点検・管理委託費等の固定費を少ない戸数で按分するため、1戸当たりの負担額が大きくなるからです。
30戸以下の小規模マンションでは、エレベーター保守や定期清掃の費用が、100戸規模のマンションと大きく変わらないにもかかわらず、それを少ない世帯数で分け合うことになります。
ただし、総戸数が少ないことだけを理由に、管理状態が良くないと判断することはできません。管理費の金額だけでなく、管理員の勤務形態、清掃や設備点検の頻度、管理組合の収支、総会の議事録等を確認してください。
共用設備が充実したマンション
ラウンジ、ゲストルーム、フィットネスジム、プール等の共用施設があるマンションでは、清掃、点検、修繕、設備更新等の費用が発生します。コンシェルジュや24時間有人管理等のサービスを採用している場合は、人件費や管理委託費も確認が必要です。
共用施設の維持費が管理費や修繕積立金にどの程度反映されるかは、施設の内容や利用料収入、管理組合の会計方針によって異なります。購入前に共用施設の利用状況と収支を確認し、月額負担に見合うサービスか検討しましょう。
将来の修繕対象となる設備が多い場合は、長期修繕計画に適切な更新時期と工事費が反映されているかも確認してください。
超高層・タワーマンション
地上20階以上の超高層マンションでは、高層階に対応したエレベーター、防災設備、非常用発電設備、外壁の点検・修繕設備等が設けられている場合があります。必要な維持管理費や修繕費はマンションごとに異なるため、管理費の月額だけでなく、設備の仕様と長期修繕計画をあらかじめ確認してください。
主な確認項目は以下のとおりです。
- 外壁の点検・修繕方法:ゴンドラや特殊な足場等を使用する予定があるか
- エレベーター設備:台数、停止階、更新予定時期、予定工事費
- 防災設備:非常用発電設備や防災センター等の点検・更新費
- 共用施設:ラウンジやコンシェルジュサービス等の運営費
購入前に、各設備の更新時期と予定工事費が長期修繕計画に反映されているか確認しましょう。
|
修繕積立金の不足がマンションの管理にどう影響するかについては、以下の記事も併せてご覧ください。 >>"いいマンション"がわかる、管理の評価制度 |
|
中古マンションの購入では、管理費や修繕積立金の月額だけでなく、長期修繕計画、積立残高、総会議事録等を確認する必要があります。『阪急阪神の仲介』では、購入をご検討中のお客様に、管理状況や長期修繕計画等を確認する際のポイントをご案内しています。物件選びについて不明な点がある場合は、お気軽にご相談ください。 |
管理費・修繕積立金が安すぎるマンションにも注意

管理費と修繕積立金等の月額負担が小さく、必要な管理業務や将来の修繕工事等に対して収入が不足していれば、将来的に増額や一時金徴収が行われる可能性があります。現在の金額だけでなく、管理内容と収支計画を確認する必要があります。
本章では、以下の内容を解説します。
- 管理費が安すぎる場合のリスク
- 修繕積立金が不足している場合のリスク
管理費が安すぎる場合のリスク
管理費が全国平均等と比べて少額である場合は、管理サービスの内容を区分所有者が保管する管理委託契約書等から確認してください。管理員の勤務時間、清掃回数、設備点検の範囲、管理会社への委託内容等が限定されている場合があります。
また、管理委託費や人件費が上昇しているにもかかわらず、長期間にわたって管理費が見直されていない場合は、今後の増額やサービス内容の変更が議題となる可能性もあります。
管理費の月額だけで判断せず、管理委託契約書、収支予算書、総会議事録等を確認しトータル的に判断しましょう。
修繕積立金が安すぎる場合のリスク
修繕積立金の収入が長期修繕計画等で必要とされる金額を下回っている場合、大規模修繕工事等を行おうとした際に資金不足が判明する可能性があります。資金が不足した際に管理組合が検討する主な対応は以下のとおりです。
- 修繕積立金の月額を増額する
- 区分所有者から修繕一時金を徴収する
- 管理組合が金融機関から借り入れる
- 修繕工事の時期や内容を見直す
修繕工事の延期や縮小を繰り返すと、建物や設備の不具合が解消されず、後の工事範囲が広がる可能性があります。購入前に、長期修繕計画上の予定積立残高、実際の積立残高、増額予定、一時金の徴収予定、借入金の有無等を確認してください。
管理組合総会議事録や長期修繕計画書では、資金不足、工事延期、増額、一時金徴収等に関する議論の有無も確認しましょう。
管理費・修繕積立金からみるマンションと戸建の維持費の違い

マンションと戸建では、建物を維持するための費用の支払い方が異なります。マンションでは管理費と修繕積立金を毎月支払い、管理組合が共用部分の管理や計画修繕を行います。一方、戸建では管理組合へ管理費や修繕積立金を支払うことはありませんが、所有者自身が修繕時期と予算を管理しなければなりません。
マンションと戸建の主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | マンション | 戸建 |
| 日常的な管理 | 管理費を支払い、管理組合や管理会社が共用部分を管理 | 所有者が建物と敷地を管理 |
| 計画的な修繕 | 修繕積立金を積み立て、管理組合が共用部分の修繕工事を実施 | 所有者が修繕時期と資金を準備 |
| 室内・設備の修繕 | 専有部分は所有者が別途負担 | 建物と設備や敷地の不具合(雑草除去や配管不具合)の修繕を所有者が負担 |
例えば、マンションで管理費と修繕積立金の合計が月額2万5,000円、金額が30年間変わらないと仮定した場合、支払総額は900万円です。ただし、実際には修繕積立金が増額される場合があり、専有部分の設備交換やリフォーム費用も別途発生します。
マンションと戸建を比較する際は、単純な支払総額ではなく、費用が発生する時期、管理する主体、修繕対象となる範囲を確認しましょう。
また、マンションと戸建のいずれも、台風や地震等の自然災害によって予定外の修繕費用が発生する可能性も考慮しておく必要があります。
|
マンションと戸建を生涯コストで比較したい方は、以下の記事も併せて参考にしてください。 >>賃貸と購入の比較完全版!生涯コストやメリット・デメリットまで徹底解説 |
マンション管理費・修繕積立金を滞納するリスク

管理費と修繕積立金は、区分所有者が管理組合へ支払う義務のある費用です。その費用の滞納を放置すると、遅延損害金の請求や法的手続きが行われる可能性があり、売却時にも影響が出ます。
本章では、以下の内容を解説します。
- 督促から法的手続きまでの流れ
- 差押えや競売の可能性
- 売却時に確認が必要となる滞納額
督促から法的手続きまでの流れ
管理費や修繕積立金等の支払いを滞納すると、管理組合または管理会社から電話や書面による督促が行われます。督促後も支払いがない場合は、内容証明郵便による請求や、支払督促、訴訟等の法的手続きが検討されます。
主な対応例は以下のとおりです。
- 電話や書面による支払いの案内
- 内容証明郵便等による請求
- 支払督促または訴訟
- 債務名義に基づく預金や給与等への強制執行
実際の対応手順は、滞納期間、滞納額、管理規約、管理組合や管理会社の方針によって異なります。管理費や修繕積立金等の支払いが難しくなった場合は放置せず、管理組合または管理会社へ早めに相談してください。
差押え・競売の可能性
滞納が長期化すると、管理規約で定められた遅延損害金や、督促・法的手続きにかかった費用を請求されることになります。適用される利率や費用はマンションの管理規約によって定められています。
支払督促や訴訟等を経て、裁判所に支払い義務が正式に認められた場合、管理組合が預金や給与等の差押えを申し立てる可能性があります。
売却時に確認が必要となる滞納額
区分所有法第8条により、管理組合は、前所有者が滞納した管理費や修繕積立金等を新しい区分所有者へ引き継ぐと定めています。そのため、マンションを購入する際は売買契約の前に、当該住戸における滞納の有無と金額を確認しておく必要があります。
滞納額の有無は、管理会社や管理者等が作成する「重要事項に係る調査報告書」等で確認します。売主は滞納がある場合、売却相談を行う段階で不動産会社へ申告し、売買代金からの精算方法等をあらかじめ相談しておいてください。
買主が滞納額を支払った後に売主へ請求できるかは、売買契約や個別の事情によって異なります。
|
不動産売却の全体的な流れや必要な手続きについては、以下の記事を参考にしてください。 >>不動産売却の流れ7ステップを完全網羅!必要書類や費用まで徹底解説 |
マンションの売却・住み替えをお考えなら『阪急阪神の仲介』

現在お住まいのマンションの売却や住み替えを検討されている方にとって、「今いくらで売れるのか」「管理費・修繕積立金等の状況が売却にどう影響するのか」は気になるポイントではないでしょうか。
『阪急阪神の仲介』は、100年以上にわたってまちづくりを続けてきた実績を持ち、地域密着の情報ネットワークと豊富な経験で住み替えをサポートします。2026年オリコン顧客満足度®調査「新築分譲マンション 近畿」の総合ランキングで5年連続の第1位を獲得。住み替えに伴うスケジュール調整や資金計画のご相談、買取保証等の選択肢もご提案します。
まずは無料査定で、現在のお住まいの価値を確認してみてはいかがでしょうか。
マンション管理費・修繕積立金に関するよくある質問

管理費と修繕積立金について、購入前や売却前に確認したい項目を整理します。
中古マンションでも修繕積立基金を支払う必要がありますか?
修繕積立基金は、新築マンションの購入時に、将来の修繕資金として一括で支払う費用です。毎月支払う修繕積立金とは異なり、購入時に一度だけ徴収されます。中古マンションの売買では、通常、新築分譲時と同じ修繕積立基金を改めて支払うことはありません。
ただし、購入前に既に管理組合で修繕一時金の徴収が決議されている場合は、中古マンションの購入後に一時金の支払いが必要となる可能性があります。購入を決断する前に総会議事録や重要事項に係る調査報告書を確認し、一時金の徴収予定や未払い金の有無を把握してください。
売却時に支払済みの修繕積立金は返金されますか?
売却時に、これまで支払った修繕積立金が売主へ返金されることはありません。修繕積立金は、将来の共用部分の修繕に備えて管理組合が管理する資金であり、個々の区分所有者の預金ではないためです。
修繕積立金の扱いはマンションごとの管理規約で定められています。売却前に管理規約を確認し、不明な点は管理会社または管理組合へ問い合わせてください。
管理費・修繕積立金を減額することはできますか?
管理費や修繕積立金の金額を変更するには、管理規約の定めや総会決議等、マンションごとに定められた手続きが必要です。必要な決議要件は、変更する費用の種類や管理規約の内容によって異なります。
管理費を減額する場合は、管理委託業務や共用設備の運用方法を見直し、必要な管理水準を維持できるか確認する必要があります。修繕積立金を減額する場合は、長期修繕計画で予定されている工事費を賄えるか検証しなければなりません。
月額負担だけを少なくすると、管理サービスの縮小や将来の修繕資金不足につながる可能性があります。減額の可否は、管理会社やマンション管理士等の専門家へ相談し、管理組合によって収支計画を確認したうえで検討することになります。
駐車場使用料は管理費に含まれますか?
駐車場使用料は、管理費や修繕積立金とは別に徴収されるのが一般的です。ただし、駐車場使用料の会計上の扱いはマンションごとに異なります。
徴収された駐車場使用料は、駐車場の維持管理費に充てられるほか、管理規約や総会決議に基づいて管理費会計や修繕積立金会計へ繰り入れられる場合があります。購入前に、管理規約、収支予算書、決算書等で使途を確認してください。
まとめ
この記事では、マンションにおける管理費や修繕積立金の違い、将来の増額リスクについて解説しました。
毎月支払う費用の内訳は以下の通りです。
- 管理費:日常の維持管理に充てる費用(清掃員の人件費、共用照明の電気代等)
- 修繕積立金:将来の計画的な工事に向けた貯蓄(十数年ごとの外壁塗装、エレベーターの更新等)
マンションの資産価値を保つためには長期的な視点での資金計画が欠かせないからこそ、購入の段階で物件の長期修繕計画や現在の積立残高を確認して将来の増額に備えると良いでしょう。
自身の収入に見合う無理のない資金計画を立てて、納得できる住まい探しを進めてください。
購入後の維持費まで含めて安心できる住まいをお探しなら、長期的な資産価値を意識した設計・仕様と管理体制にこだわった阪急阪神の住まいブランド<ジオ>を、ぜひご覧ください。阪急阪神ホールディングスグループのネットワークを活かした周辺環境との調和、そして2026年オリコン顧客満足度®調査『新築分譲マンション 近畿』の総合ランキングで5年連続の第1位という実績が、選ばれる理由です。販売中の物件情報の確認や資料請求は、以下から行えます。








