不動産購入でよく耳にする「手付金」。
重要な意味を持つものですが、どのようなものか詳しく知らない人も多いかもしれません。今回は、手付金の種類や性質、どのくらい支払うものなのか?といった基礎情報をチェックしていきましょう。
そもそも「手付金」にはどんな意味がある?
手付金と頭金は混同されることもありますが、違う意味のものです。また、手付金にはいくつかの種類があることも、押さえておきたいポイントです。
◎手付金と頭金の違いって?
手付金とは、家の売買契約時に、一部を先払いで支払う代金のことです。
契約が成立したことを示す証拠金という意味合いをもちますが、返還する手続きが煩雑になることから、結果的に頭金に充当する場合が多いので、同じものと誤解されがちです。
例えば、4,000万円の物件購入で、契約時に手付金として500万円を売主に支払ったときには、決済では500万円が頭金として計算され、残りの3,500万円を住宅ローンで支払うということになります。
一方、頭金は物件の費用の内、住宅ローンではなく現金で手配するお金のことであるため、金額の大小は人それぞれです。住宅ローン審査が通過できれば、頭金の額が少なくてもマイホーム購入はできます。
手付金は売買契約の締結のときに買主が必ず支払うものですが、頭金の有無や金額は人それぞれです。「頭金がないフルローン」でも、手付金は支払う必要があることに注意しましょう。
◎一般的な手付金の種類
手付金は、不動産購入以外の契約でも発生するものです。いくつかの種類があるので、見ていきましょう。
【解約手付】
契約を解約するとき、支払った手付金を放棄するのが「解約手付」です。手付金を支払った後に買主都合で「契約白紙」になるため、手付金は返ってこないことが一般的です。
【違約手付】
契約内容に違反があったときのためのものが「違約手付」です。買い手がなんらかの違反をした場合は、支払った手付金は返ってきません。
【証約手付】
契約をしたという証明を意味する手付金が「証約手付」です。
不動産購入の手付金は「解約手付」
いくつかの種類がある手付金ですが、一般的には不動産購入では「解約手付」となります。
◎契約を簡単に白紙にしないためのもの
不動産売買は、契約してからすぐに引き渡しができるわけではありません。その間に、売主、買主ともに、簡単に契約解除をしないために手付金があります。
◎手付金の額ってどのくらい?
上述したように、物件の代金は住宅ローンで後から支払えますが、手付金は始めに現金で準備しなければなりません。一体どのくらい準備をすればいいのかは気になりますよね。
手付金の相場は、物件価格の5~10%程度が一般的と言われています。上限額は物件価格の20%と定められているので、物件価格からおおよそのイメージが掴めるでしょう。
手付金で知っておきたい注意点
契約時点では「買いたい」と思っていても、何らかの事情で契約を解除しなければならないこともあるかもしれません。そんなときの「手付金」の流れは、注意点として知っておきたいところです。
◎買主都合の場合は手付金を放棄しなければいけない
他の物件を買いたい場合など、買主側の都合で契約をキャンセルするときは、支払った手付金を放棄すれば解約ができます。
ただし、所有権がすでに移転した後などに申し出ることはできないので、「いつまでなら手付金を放棄して解除できるか」という点は、まず始めに確認しておくべきです。売買契約書で確認することはもちろん、不安点はしっかりと担当者に聞いておくことが大事です。
なお、売主側の都合で解約となる場合は、買主が払った手付金を2倍の額にして返すことが定められています。
◎住宅ローン特約がついているかチェック
「買いたいけれど住宅ローンが通らなかった」など、買主の意思とは関係がない理由で解約しなければいけない場合も考えられます。売買契約のときに「住宅ローン特約」というものがあれば、審査に落ちたことが理由での契約白紙なので支払った手付金はそのまま返還されます。
まとめ
手付金は売買契約のときに必ず支払うものですが、手付金の額や解除期間、特例については、それぞれの契約内容によって違うので注意しましょう。
決して少なくないお金に関わる話のため、不明点のないようあらかじめ確認しておくことが大事です。
※2019年4月9日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。