マイホームを買う際には「マンションを買うのか、土地付き一戸建てを買うのか」という点で悩まれる方が非常に多いです。
一戸建て、マンションの双方にメリット・デメリットがあり、考えるほど家族みんなの意見がまとまらない...などということも。
そこで、マイホーム選びのひとつの基準としてチェックしておきたいのが「資産価値」です。
不動産を買うときには「資産価値」チェックは重要
マイホームの購入時点で"将来的にマイホームを手放す"ことを視野にいれていない人の方が多いかと思います。
しかし、生活していくうえで仕事やその他の事情などが絡み、家を売却したり、貸し出したりする可能性は、すべての人にあるものです。
また、家の資産価値が低いと「思うように売れない」「借り手がいない」と困ってしまうこともあり得ます。
立地が悪くて魅力を感じない...と思われないことが大事です。
マンション・土地付き一戸建ての資産価値の特徴
マンションと一戸建ての資産価値を考えるときに、ポイントとなってくる点をそれぞれ考えてみましょう。
◎マンション
・マンションの土地は区分所有
一戸建てとの大きな違いは、所有する土地の割合です。
土地上に建っているマンション内の戸数が多ければ、所有する土地の割合もその分低くなります。さらに、所有している土地は「専有」ではなく「共有」になります。
建物の劣化が進めば資産価値は大きく減少してしまいますが、構造が強固なマンションは、耐久性が高いです。イメージとしては、物件にもよりますが、緩やかに劣化していくので、資産価値は長くキープできる傾向にあります。
・将来的な売却も視野にいれてエリアを選ぶ
マンションの資産価値を高める要因のひとつとして、「魅力的な立地」があげられます。将来の売却の可能性があるなら、都心部のマンションなど、アクセスの良さを重視して選ぶといいでしょう。
◎一戸建て
・土地はすべて自分のもの
土地付き一戸建ては、土地の所有者が自分だけという点が、マンションと違うところです。仮に、建物がダメになり価値がゼロ...という状態でも、土地の資産価値は維持できます。建て替えで新しい住居を建てれば、価値は高まります。
・郊外でも立地の良さを重視した住まい選び
都心部や利便性の高い駅の周辺は、ビルや商業施設、マンションなどが多く建てられているのが一般的。そもそも土地代が高い都心部には、一戸建ては難しいものです。
結果的に、一戸建ては住宅地や郊外に建てられることが多く、マンションの利便性と比べると劣る傾向にあります。
ただ、郊外でも、駅までの距離の短さ、学校や公園、スーパーの近さなどを考え物件選びをすることで、「好立地」と判断されます。そうすれば、売却するときも魅力的な物件にうつり、売却しやすくなるでしょう。
資産価値ってどうやって分かるの?
資産価値を鑑定するときには、さまざまな観点から考えられます。
◎鑑定の方法とは
専門的な観点から資産価値を判定するときは、取引事例比較法や原価法、収益還元法などが用いられます。なにやら難しい専門用語な気がするかもしれませんが、分かりやすく説明していきましょう。
取引事例比較法は、過去に実際に取引されたときの価格例を参考にし、似ている条件の不動産を例に価格を算定していくものです。
原価法は、「この建物と同じものを再び建てるならどのくらいの費用がかかるか」を算出し、現在老朽化している分をマイナスして価格を考えてみる方法です。
また、収益性は「貸し出したらいくら儲かるのだろう?」と、家賃相場をもとに収益を考えて価値を考えていきます。
国家資格を持つ不動産鑑定士へ依頼すれば、こういった複雑な鑑定方法から不動産価格を算定してもらえます。
◎資産価値を自分で調べる方法は?
専門家への鑑定依頼の費用を抑えたいと思う場合は、自力である程度の予想をつけたいものです。そこで簡単に資産価値として参考にできる価格を知る方法を紹介していきます。
まずは、インターネットなどを通じ、築年数や間取り、面積、住所などが近い条件の不動産を探してみることです。おそらく、価格帯には幅があると思いますが、いくつかピックアップし平均値を見れば、おおよその資産価値の予想がついてくるかと思います。
また、収益性の観点から資産価値をはかるときも、同じように「条件の同じ不動産」をインターネットから探し、家賃相場を調べてみましょう。一般的にマンションは、自己所有以外でも賃貸のケースも多く、家賃相場のチェックもしやすいでしょう。
一方、一戸建ての場合、「貸し出すといくら?」という収益性から鑑定することはあまりありません。ただ、都心ではファミリー向けの一戸建ても賃貸で借りられることが多いので、収益の観点から資産価値をチェックするのも参考になるでしょう。
◎収益から見る価値
年間の収益の額に「還元利回り」を考慮することで、不動産の価格が求められます。
【収益÷還元利回り=不動産価格】で計算が可能です。
ただ、還元利回りの数値の求め方自体は複雑。条件の類似している物件を比較したり、不動産関連の会社のデータを例にしたりとさまざまです。一般的には、都心部が5%ほど、郊外で9%ほどが妥当な数値と考えておくといいでしょう。
例えば、家賃13万円の都心部のマンションは、13万円×12ヵ月で年間156万円の収益です。それに還元利回りで調整し、156万円÷5%=3120万円となります。
一方、家賃15万円の郊外の一戸建ては、15万円×12ヵ月で年間180万円の収益です。それに還元利回りで調整し、180万円÷9%=2000万円となります。
ただ、これらの算式で考えられた価値はあくまでも参考で資産価値チェックの"ひとつの目安"。利便性や立地、将来の発展性なども含めつつ、慎重に判断していきたいものです。
まとめ
「家族が快適な生活を過ごせるのは?」「予算にあった方法は?」とさまざまな観点でマンションと一戸建てを検討することになると思います。
さらに、将来的に売る・貸す可能性も含めつつ、「資産価値」も考慮にいれた物件探しをしてみましょう。
※2018年9月28日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。