買い替えや引越しなど、家を売却する理由は人それぞれですが、「高く売りたい」というのは共通の希望でもありますよね。
「大手の不動産会社に行けば売れるだろう」という考えを持つ人も多いかもしれませんが、「早く売れる、確実に売れる」と「高い価格で売れる」のは、実はイコールではありません。早く売れても価格的に不満に感じるケースもあるのです。それよりも地元に密着している会社の方が、満足度の高い売却をしてくれるかもしれません。
不動産売却は一般的に1~3ヶ月、長ければ1年近く期間がかかることもあります。不安を感じながら売却をするのではなく、「良きパートナー」となってくれる不動産会社を選ぶことが最も重要なポイントと言えます。
"不動産会社の賢い選び方"とは
ふだんはあまり接することのない不動産会社。どうやって「良い」「悪い」を見極めたらいいかは分からないものですよね。そこで不動産会社を賢く選ぶ方法としておススメなのが「複数の会社に査定をしてもらう」という方法です。
いくつかの不動産会社を次のような観点で比較してみましょう。
(1)査定額の"根拠"を比較
複数の不動産会社を比較すると言っても「そもそもどの不動産会社に...?」と悩むことでしょう。
最近では、インターネットを利用して一括査定サービスを受けることができます。売りたい不動産情報を入力するだけでOKという簡単な査定依頼です。自分の住むエリアの不動産会社がいくつも表示されるので、複数社を選び査定してもらうことができます。
ただし、一度に複数社に依頼できるメリットの反面、不動産会社からその後たくさんの連絡が来ることになります。
いくつかの不動産会社に絞り込んだら、実際に訪問してもらって査定をしてもらいましょう。査定方法は不動産会社によって違います。場合によっては、査定額の差が数百万円になることもあります。
数社を比較したときに、高く売りたいあまり「最も高い査定額の会社に売却依頼をしよう」と安易に考えるかもしれませんが、それは実にリスクのあること。これは「高い査定額を提示しておき媒介契約を結ぶ→実際には売却活動を開始した後で、価格を下げての売却を強く勧められる」ということも...。
これを防ぐには、高い査定額、低い査定額に関わらず、「どうしてこの査定額なのか?」という根拠を説明してもらうといいでしょう。「納得できる説明をしてもらえるか?」という不動産会社の対応をしっかりチェックすることが大事です。
(2)類似物件の売買実績や取引数を比較
不動産会社の過去の売買実績も重要な判断ポイントです。
例えば、今売ろうとしている不動産がマンションなら「マンションの売買が少ない」という不動産会社よりも「マンション売買の実績多数」という会社に依頼する方がいいでしょう。
その会社で「類似物件をたくさん扱っているか」「同じエリアでの取引が多いか」という経験の豊富さを比較してみてください。ホームページなどでは過去の実績が分かりにくいので、実際に質問してみるといいでしょう。
(3)地域の理解度を比較
実績や取引数のポイントを挙げましたが、同じように重要になるのが地域の理解度。
確かに大手の会社であれば、実績の多さで安心感があるかもしれません。しかし、全国に支社があり転勤等で移動になったばかりの人が担当者ですと、地域に疎い可能性があります。
交通アクセスはもちろん、周辺環境の利便性、学校などの教育施設、住環境などについて理解度がある担当者の方が、購入希望者の方へきちんとアピールポイントとして伝えられ、より納得度の高い売買ができると言えます。
(4)担当営業マンの人柄を比較
媒介依頼をすれば、担当営業マンとの電話や対面でのやり取りが多くなります。「話しにくい」「聞いても明確な答えが返ってこない」となれば、ストレスがたまっていきます。今後長い付き合いになるので、やる気が感じられる明るい人柄を見極めましょう。
内覧者に「買いたい 」と思わせるコツ
内覧者が「買いたい」と思わなければ、家が売れることはありません。つまり「買いたい」と思わせる工夫が売却のカギなのです。それでは、内覧者に好感を持ってもらえるコツについて紹介します。
(1)綺麗にしている
第一印象はとても大事。家の顔とも言える「玄関」は靴を片付けてすっきりとさせておきましょう。スリッパを準備し、心地よい雰囲気で購入検討者を出迎えてください。
住みながらの内覧の場合、どうしても生活感が出てしまうものです。それは仕方のないことですが、最低限「清潔感をアピールすること」を大事にしましょう。
日常的に掃除ができていれば問題ありませんが、カビや汚れが目立ちやすい、キッチンや浴室、トイレなどの水回りは特に念入りにしてください。頑固な汚れや、水回りなどはプロに依頼するハウスクリーニングが便利です。マンションの場合ですと室内全体で約8万~10万円くらいで依頼できるので検討してみてください。
また、案外「盲点」となるのが家に染みこんだニオイです。特に、タバコやペットのニオイが気になるという方も多いです。慣れてしまった家の主は気づきにくいものなので、内覧のときには換気を十分にするようにしましょう。
(2)明るく・すっきりとした部屋に
部屋がどんより暗いとそれだけで購入意欲が下がってしまいます。カーテンを開けて光を入れるのはもちろん、部屋の電気は昼でも点けておきましょう。荷物が乱雑にならないように整理整頓ができていても、荷物が多いと圧迫感が強まります。その結果、「狭い家だ」と勘違いされ、購入まで結びつかないことがあるので気をつけてください。
(3)売主が購入検討者にセールスをしすぎない
「家を売りたい」という思いから、売主が購入検討者に話しかけたくなるかもしれません。購入検討者は、落ち着いて内覧したいものなので「話しかけられ過ぎて買う意欲がなくなる」という結果になることもあります。必要以上に話しかけず、購入検討者から質問されたときにお答えする程度でもいいのかと思います。
(4)家具やレイアウトが良ければ、いいと思われやすい
オシャレな雰囲気の家具、テレビやソファのレイアウトなど、インテリアの工夫をすれば、「こんな家に住んでみたい」と感じられることもあります。また、お部屋に花や観葉植物などを飾るのも視覚から好印象に繋げることができます。
まとめ
家をできるだけ高く売りたい人は、不動産会社の選び方が重要なステップになります。査定額の高さだけで選ばず、過去の取引実績・地域性・担当営業マンの対応力を十分チェックしましょう。
また、内覧では好印象に結びつける工夫をすることが大事です。清潔感と明るさ、インテリアに気を配り、「素敵な家」が演出できれば購入意欲もグッと高まります。
内覧者を増やすために、不動産会社の広告に物件写真を多めに載せてもらい、多くの人の目に留まりやすくなる工夫も大事。そのような要望も気軽に伝えることができる、または提案してくれる親身になってくれる不動産会社に出会えることが「少しでも高く売る」ということに繋がります。
※2018年3月28日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。