ぐるり街めぐり〈兵庫・川西編〉
Hanamaru
「これ何の花?」というもの珍しさから、興味とイメージが広がる
阪急川西能勢口駅から徒歩5分ほど。医院や飲食店などが建ち並ぶ大通り沿いに、「カフェかな?」と思わせるような、気になる佇まいのお店があります。入ってみると、店内いっぱいに美しい花々や観葉植物が。ここは花好きの人たちに人気のフラワーショップ『hanamaru』です。
同店の公式Instagramには、美しい花々やフラワーアレンジメント、花束などの写真が多数投稿されています。まるでアートのようなそれらの写真を見て、地元だけでなく大阪市内などからも多くのお客さまが訪れるのだとか。来店の目的は、ほかにはない"特別感"を求めて。「"この花は何だろう?"という興味や刺激、発見とともに、お客さまに豊かな時間を提供できたらと個性的な花を揃えています」と3代目の金綱(かねつな)駿幸さん。
『hanamaru』が開業したのは1991年。金綱さんいわく、「当時は"昔ながらの花屋さん"で、冷蔵ショーケースを置いた店内」だったそうですが、2023年にリニューアル。「家で花を飾るイメージが広がるように」と、木目調の白壁にチェストやテーブルなどの家具を置いたり絵画を飾ったり。また、花を生ける花瓶も小ぶりなものを中心にしているといいます。
針刺しにたくさんの針が刺さったようなピンクッションや、ニワトリのとさかのようなケイトウ、カンガルーの前足みたいなカンガルーポーなど、季節ごとの珍しい和花・洋花が常時80種類ほども。「あれは何という花だろう?」「あの人に贈るなら」「家に飾るなら」と、どんどん興味が広がっていきます。
洗練されたおしゃれな花束なのに、素朴なあたたかさに心やすらぐ
自宅に飾る花や大切な人への贈り物のほか、入社や退職を祝う花束、カフェやサロンなどに飾る花の依頼も多いという同店。大半が「お任せで」というオーダーだそうで、この店の花のデザインがお客さまから信頼されていることの証しといえるでしょう。
存在感が強い花の組み合わせなのに、互いを引き立て合う絶妙なバランス感。1本1本の花の個性を見極め、全体が"映える"配置。「花農家の方々が育ててくださった花そのものが、とてもよいものなので。私たちはほんの少し手を加えるだけなんです」と金綱さんは話します。
花をデザインするセンスや技術に加え、3代続く店だからこその花農家さんとのつながりも、ここの花が人々の心を惹きつける理由なのです。
『hanamaru』の花は、一見すると豪華でも、どこかナチュラルで優しい雰囲気が漂っています。その根底にあるのは、花と花農家の方々への愛情とリスペクト。その思いの表れとして、1本も無駄にしないためにオリジナルポプリをつくっています。
「ポプリは家でガラス容器に入れて飾ったり、お皿にのせて香りを楽しんだりしてもらえたら」と金綱さん。販売できない状態になった花を乾燥させて、エッセンシャルオイルやアロマオイルで香りづけ。香りづけのために混ぜているウッドチップは、近隣の材木店の木くずを再利用しているそうです。そんな一つひとつの思いや行動がこの店の花に宿っているから、訪れる私たちも優しい気持ちになるのでしょう。
【この街が好き/STAFF VOICE】
自然の身近さと暮らしの便利さとのバランスがちょうどいいんです
川西は花や植木の産地が多いエリアで、自然が身近です。それなのに、公共交通機関はもちろん自動車でも大阪や京都、西宮、神戸に移動しやすい。自然豊かな場所へも、都心へも出かけやすく、日々の生活に欠かせないスーパーや専門店、商業施設、公園も近くにあるから、住み心地がいいんですよね。
3代目店主・金綱駿幸さん(写真左)
母の佳世さん(写真中央) 、2代目・邦臣さん
●hanamaru
営業時間/月曜~土曜9:00~19:00、日曜9:00~18:00
定休日/不定休
電話/072-757-8505
川西市栄町1-13
https://www.instagram.com/hanamaru.078/
※休業日等については、インスタグラムでご確認、または電話でお問い合わせください。
◇記載しています営業データ・商品・価格等は2024年11月1日時点の情報です。
◇時期によってはメニュー内容や商品が変更になっている場合があります。
◇表示価格はすべて税込です。