生豆をその場で自家焙煎。新鮮な香りとコクを愉しむ

京都市内最大級の『西院公園テニスコート』すぐそばにある、自家焙煎コーヒー豆販売店。小さなお店のまわりには、いつもコーヒーのよい香りが漂っています。「鮮度の高い、スペシャルティコーヒーを味わってほしい」と、すべて生豆で管理し、注文ごとに焙煎して販売するオーダーメイドスタイル。一般的に焙煎後は寝かせたほうがガスが抜けてよいとも言われますが、「焙煎したばかりの新鮮な状態だからこその味わいがあるんです」と店主の山下洋祐さん。味がイキイキとして若々しく、特有の渋みも挽きたてならではの魅力。何より、ハンドドリップ時の粉の膨らみ方が格別で、新鮮であればあるほどモコモコと粉が盛り上がって香りが立つので、飲む前から幸せな気分に包まれるのです。

写真2 — 店内にはイギリス製の小型焙煎機が3台設置されており、店主の山下さんが焙煎してくれる。焙煎時間は約10分。細挽き・中挽き・粗挽き、ペーパードリップ用、フレンチプレス用など好みや用途にも対応。カウンター席で淹れたてのコーヒーを味わうこともできる。

写真3 — 『RFブレンドコーヒー』300円（写真左）と、『本日のスペシャルティコーヒー』350円

コーヒー豆を買いに行くこと自体が、楽しみに

コーヒー豆はとてもデリケートで、酸化してしまわないように注意が必要です。その点、「この店では少量の豆でも焙煎してくれるから」と、必要な分の豆だけを定期的に購入する地元のお客さんもいらっしゃるとか。

個人店だからこその魅力はほかにも。チェーン店等には流通しにくい希少な小規模農園のコーヒー豆が揃っており、店頭にはコロンビア、ブラジルなどのほかに、ペルー、タイ、インドネシアなどの厳選した豆が24種類。「苦味が強いコーヒーが好き」「ミルクに合うコーヒー豆は？」など好みや質問を伝えれば、丁寧におすすめを紹介してくれます。

さらに、カウンター席では試飲やコーヒーメニューのほか、思わず注文したくなるドリンクも充実
〈ドリンクメニュー〉
●バーテンダーの本気レスカ　350円
●クラフト・ジンジャエール　400円
●季節のクリームソーダ　500円
●上方風ミックスジュース　400円

元バーテンダーという経歴を持つ山下さん。その場で出会った人同士が自然とつながる雰囲気づくりもお得意。購入ついでにドリンクを一杯飲んで、会話を楽しんで帰る人も多いそう。

写真4 — 各瓶には、豆の名称と概要、特長、コク・果実味・苦味・甘味・香りのレーダーチャート、おすすめの焙煎度を記載したタグをつけている。一番人気は『バウー農園トミオフクダドライオンツリー』100g650円。

写真5 — 店内はインダストリアルをイメージした内装で、山下さんが自身でデザイン・設計。基礎工事以外はご自分で作り上げたという。

【この街が好き／STAFF VOICE】

地域のつながりが、アットホームな雰囲気の街です

保育園帰りの子が「コーヒー屋さんだ！」と声をかけてくれたり、通学途中の小学生やおでかけ中のおばあちゃん、おじいちゃんが手を振って挨拶をしてくれたり。それを見てうちの常連さんが一緒に手を振り返すなど、そういう風景が日常的です（笑）。見守り見守られる関係性が根づいているからこその、安心感がある街ですね。
西院 ROASTING FACTORY　店主　山下洋祐さん