阪急阪神と暮らす街

2024.08.05

《京都・西院》

大きなテーブルを囲み、おいしさも空間も共有する創作料理店

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ぐるり街めぐり〈京都・西院編〉
Maker

個性的であたたかな店内。会話が弾むごちそう時間を愉しんで

西院の街並みにしっかりとなじみながら、独特の存在感を放つレストラン「Maker」。この店は吉岡さん夫妻が営む、京丹後の無農薬野菜とスパイス&ハーブなどの創作料理店です。築70年ほどの質屋をリノベーションした店内へ足を踏み入れると、木や籠など天然素材の物と無骨なインダストリアル製品が組み合わさった、不思議な世界が広がります。まず目につくのは大きなテーブル。「私がひとりで造ったんですよ」と少し自慢げなご主人の慶さん。別々のお客様であっても、この同じテーブルを囲むことであたたかさを共有してもらえたら...と、一枚板の欅で製作。完成まで3年もかかったという店内は、大学で立体造形芸術を学んだご主人ならではのこだわりが詰まっています。一席ごとに異なるテーブルセッティング、調理風景が間近で眺められるオープンキッチン、くつろぎの空間を演出するアンティーク...食事までの時間もワクワクするアイデアが満載です。

写真1
かつて質屋の蔵だったスペースで、吉岡さん夫妻が蚤の市などで集めた器や鍋、ケトル、花びんといった古道具を販売。部屋に置きたくなる雰囲気のあるものばかり。個室としての利用も可能。

野菜とスパイス&ハーブで、"驚き"のある一品一品を

写真2
ディナーコース『旬の無農薬野菜を使用した前菜5皿、メインデッシュ、天然酵母パン、食後のドリンク』6,600 円の前菜の一皿。この日は、スナップエンドウとソラマメ、エンドウマメをメインに、ラディッシュ、レモンピール、スイートマジョラム、そしてヨーグルトカルダモンソースをかけて。

この店のおすすめ料理は、慶さんが担当する事前予約制のディナーコース。基本は家族や友人たちと一緒に楽しめる、大皿から取り分けるスタイルです。なかでも人気なのが、旬の無農薬野菜を使用した前菜5皿。慶さんのお母さんが作った京丹後産の野菜からインスピレーションを受け、その日のメニューを決めるのだそう。素材そのものを生かすため、手を加え過ぎずに、スパイスやハーブでアクセント。食材の切り方や独創的な盛り付けが、味に変化をもたらしてくれます。たとえば、レモンピールやスイートマジョラムなどのハーブが香り立ち、イチゴとニンジン葉の組み合わせでやわらかさと硬さ、甘さと苦さといった食感や味覚の楽しさを引き出す...、というように。風合いのあるアンティーク皿に盛り付けられた料理たちは、まるで絵画のようです。

写真3
アンティークのアフガニスタン製大鉢に盛り付けられた前菜。イチゴとニンジン葉をベースに、ルッコラ、フェタチーズ、アクセントとしてフェンネルシードオイルとヒマワリのハチミツを合わせて。赤がひと際美しいイチゴは、宝交早生(ほうこうわせ)という品種。甘みが強く、果肉がやわらかい。
写真4
奥様の麻美さんお手製の焼菓子も販売。米粉を使ったグルテンフリーの『有機レモンとタイムのケーキ』520円(1ピース)のほか、『有機キャロットケーキ ローズマリークリームチーズ』550円(1カット)、『有機ラベンダーの濃厚プリン』400円など。

【この街が好き/STAFF VOICE】

オーナー写真

好奇心をくすぐられる個性的なお店が増えていますね

西院といえば昔ながらの下町の雰囲気が残る場所もありますが、最近は駅から少し離れたところに面白いお店が増えてきました。和菓子店、ワインも楽しめるカフェ、ビアスタンド、中華料理店、焼き鳥店など、ジャンルも多彩ですね。私たちも予想外の食体験を楽しみに、よく出かけています。
Maker オーナー 吉岡慶さん・麻美さん


外観写真

●Maker
【ランチ】平日12:00~14:00 ※売切れ次第終了、土曜12:00~(最終入店13:00)
【ディナー】平日19:00~(最終入店20:00)、土曜・祝日18:00~(最終入店20:00)、日曜18:00~(最終入店19:00)
※ディナーと土曜のランチはすべて予約制です。時間等につきましては予約時にお店にご確認ください。
定休日/月曜・火曜
電話/075-950-0081
京都市右京区西院三蔵町49
https://www.instagram.com/makerkyoto/

◇記載しています営業データ・商品・価格等は2024年7月1日時点の情報です。
◇時期によってはメニュー内容や商品が変更になっている場合があります。
◇表示価格はすべて税込です。