マイホームの購入や新築を検討する中で、「長く安心して住める家にしたい」「税制優遇や補助金を活用して家を建てたい」とお考えの方は多いのではないでしょうか。その際によく耳にする「長期優良住宅」ですが、実際にどのような基準を満たせば認定されるのか、複雑で分かりにくいと感じることもあるでしょう。
本記事では、長期優良住宅の条件について、新築戸建を中心に分かりやすく解説します。構造・設備の性能から、具体的な申請の流れ、税制上のメリットや注意点まで詳しくまとめました。
2025年4月に改正された木造の長期優良住宅の認定基準に関する最新情報も網羅していますので、後悔のない理想の住まいづくりの参考にしてください。
長期優良住宅の認定条件は5つ

本章では、長期優良住宅の認定に必要な5つの条件を、新築戸建を中心に解説します。
- 長期に使用するための構造・設備を有している
- 良好な居住環境等へ配慮している
- 一定以上の住戸面積を有している
- 維持保全の期間と方法を定めている
- 自然災害へ配慮している
長期に使用するための構造・設備を有している
長期優良住宅には、構造躯体を長期間使用できることに加え、耐震性や省エネルギー性に配慮した性能が求められます。
新築戸建で確認される項目は、以下の4つです。
- 劣化対策
- 耐震性
- 維持管理・更新の容易性
- 省エネルギー性
劣化対策等級3に加えて点検しやすい構造にする
劣化対策では、数世代にわたり住宅の構造躯体を使用できるよう、住宅性能表示制度の劣化対策等級3に適合する必要があります。
木造住宅では、劣化対策等級3に加えて、主に以下の措置が求められます。
- 床下空間の有効高さを原則330mm以上確保する
- 区分された床下空間ごとに点検口を設置する
- 区分された小屋裏空間ごとに点検口を設置する
- 外壁や土台、地盤等に防腐・防蟻措置等を講じる
- 基礎、浴室及び脱衣室に防水上有効な措置を講じる
- 床下や小屋裏の換気・防湿対策を行う
鉄骨造や鉄筋コンクリート造では、鋼材の厚さ区分に応じた防錆措置やコンクリートの水セメント比、かぶり厚さ等が確認されます。
劣化対策等級3への適合は、一定期間の耐久性を保証するものではありません。適切な維持管理を前提として、構造躯体を長く使用するための対策を評価する基準です。
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住宅性能表示制度の評価項目や等級については、以下の記事も参考にしてください。 >>国が定めた住宅の品質基準「住宅性能表示制度」とは?評価対象や等級について解説 |
耐震等級2以上等、所定の耐震性能を確保する
認定を受けるには、一定以上の耐震性能を備えた住宅にする必要があります。代表的な方法は、住宅性能表示制度における「耐震等級2以上」を取得することです。品確法に基づく免震建築物とする方法等も認められています。
耐震等級は、地震に対する建物の強さを3段階で示したものです。
- 耐震等級1:建築基準法で定められた最低限の耐震性能
- 耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の地震力に耐えられる性能
- 耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられる性能
耐震等級を確認する計算方法には、壁の量や配置をもとに判断する「壁量計算」や、柱・梁などにかかる力を詳しく計算する「許容応力度計算」等があります。建物の階数や構造、選択する計算方法によって、設計内容や必要書類が変わります。
2025年4月以降は、壁量計算の方法が見直され、屋根や外壁などの仕様を含む建物の実際の重さを反映して計算するルールになりました。壁量計算を採用する場合も、認定を受けるには耐震等級2以上を満たす必要があります。
必要な耐震性能を確保できるよう、設計を始める段階で、採用する計算方法と取得予定の耐震等級を建築事業者に確認しましょう。
維持管理対策等級(専用配管)3に適合させる
認定を受けるには、給排水管などを点検・清掃・修理・交換しやすい構造にする必要があります。新築戸建てでは、原則として「維持管理対策等級(専用配管)3」への適合が求められます。
専用配管とは、戸建住宅内にある給水管・排水管・給湯管などの配管です。これらの配管は、柱や梁などの構造部分よりも早く劣化する可能性があります。そのため、住宅を大きく壊さなくても、維持管理できる設計にしておくことが重要です。
具体的には、主に以下の点が確認されます。
- コンクリート内埋込配管がないこと
- 地中埋設管上にコンクリートを打設しないこと
- 配管等の内面仕様、たわみ、抜け防止
- 排水管の清掃措置、掃除口の点検措置
- 主要接合部等の点検措置
給湯器やキッチン、浴室、洗面台などの住宅設備も、建物の構造部分より早く交換時期を迎えることがあります。設備本体の性能だけでなく、将来の点検や交換を無理なく行える設計になっているか、建築事業者へ確認しましょう。
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住宅設備の寿命や交換時期については、以下の記事も参考にしてください。 >>住宅設備・家電製品の寿命と買い替え時期とは? |
断熱等性能等級5・一次エネルギー消費量等級6を満たす
認定を受けるには、住宅の断熱性能と設備の省エネルギー性能について、以下の両方を満たす必要があります。
- 断熱等性能等級5
- 一次エネルギー消費量等級6
断熱等性能等級5は、外壁・屋根・床・窓・玄関ドアなどから、室内の熱が逃げたり外の熱が入ったりするのを抑える基準です。断熱性能を高めることで、夏は外の暑さが伝わりにくく、冬は室内の暖かさが逃げにくい住宅になります。
一次エネルギー消費量等級6は、エアコンなどの冷暖房設備、換気設備、給湯設備、照明設備で使用するエネルギーを、省エネ基準より20%以上削減する水準です。太陽光発電などでつくったエネルギーによる削減分は含めず、住宅や設備そのものの省エネ性能で判定します。
つまり、断熱性の高い外壁や窓を採用するだけでは不十分です。高効率なエアコンや給湯器などを組み合わせ、ZEH水準の省エネルギー性能を確保する必要があります。
ただし、長期優良住宅の認定を受けるために、太陽光発電設備を必ず設置しなければならないわけではありません。設計段階で、断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6の両方を満たしているか、建築事業者へ確認しましょう。
良好な居住環境へ配慮している
長期優良住宅は、建物単体の性能だけでなく、周辺のまち並みや居住環境との調和も求められます。
建築予定地が以下の区域内にある場合は、建築計画を定められた内容に適合させなければなりません。
- 地区計画
- 景観計画
- 条例によるまち並みの計画
- 建築協定
- 景観協定
建物の高さ、外壁の色、屋根の形状、敷地の緑化等について、地域独自の制限が設けられている場合があります。
また、自治体によっては、建築予定地が都市計画施設の区域内にある場合、長期優良住宅の認定対象とならないことがあります。
適用される計画や協定は土地ごとに異なります。土地の購入前または設計の初期段階で、自治体や建築事業者へ確認してください。
一定以上の住戸面積を有している
新築戸建では、原則として以下の面積基準を満たす必要があります。
- 一戸建ての住宅75㎡以上、共同住宅等40㎡以上
- 少なくとも1つの階の床面積が40㎡以上
1つの階の床面積を判定する際は、階段部分を除きます。
地域の実情に応じて、所管行政庁が別の面積基準を定めている場合があります。75㎡以上を全国一律の基準と捉えず、申請先となる自治体の基準を確認してください。
長期優良住宅の認定基準で使う床面積と、住宅ローン減税や補助金で使う床面積の要件は別です。認定を受けた住宅でも、税制や補助制度の面積要件を満たさない場合があります。
維持保全の期間と方法を定めている
認定申請時には、建築後の点検や補修に関する維持保全計画を作成します。
維持保全計画の対象は、主に以下の部分です。
- 柱、梁、基礎等の構造耐力上主要な部分
- 屋根、外壁、開口部等の雨水の浸入を防止する部分
- 給水・排水・換気のための設備
新築住宅では、維持保全の期間を30年以上に設定します。定期点検の間隔は10年以内です。
地震や台風等が発生した場合は、計画上の時期にかかわらず臨時点検が必要になることもあります。点検で劣化や不具合が見つかった場合は、調査、修繕又は改良を行い、実施内容を記録します。
認定後も実行できるよう、点検時期や担当者だけでなく、将来の補修費用も考慮して計画を作成してください。
自然災害へ配慮している
自然災害への配慮では、災害発生のリスクがある地域に住宅を建築する場合、所管行政庁が定める基準に適合する必要があります。
確認の対象となり得る区域には、以下のようなものがあります。
- 土砂災害特別警戒区域
- 地すべり防止区域
- 急傾斜地崩壊危険区域
- 災害危険区域
- 浸水被害防止区域
災害リスクが高い区域では、原則として認定を受けられない場合があります。所管行政庁の定めにより、必要な対策を講じることで認定対象となるケースもあります。
ハザードマップで示された災害リスクへの対策を行っても、必ず認定されるわけではありません。土地探しの段階でハザードマップを確認し、所管行政庁の災害配慮基準も調べる必要があります。
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不動産購入時に確認する項目については、以下の記事も参考にしてください。 >>不動産購入の完全ステップ解説!初心者が知るべき流れと注意点 |
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既存住宅でも長期優良住宅の認定を受けられる

本章では、既存住宅が長期優良住宅の認定を受ける2つの方法を解説します。増築・改築を伴う場合と、建築行為を伴わない場合では、適用される基準や必要書類が異なるため、住宅の建築時期や工事履歴に応じた確認が必要です。
- 増築・改築を伴う既存住宅の認定
- 建築行為を伴わない既存住宅の認定
増築・改築を伴う既存住宅の認定
既存一戸建て住宅の増築・改築を行う場合は、工事後の住宅が増築・改築向けの認定基準へ適合するよう計画します。
主な確認項目は以下のとおりです。
- 構造躯体等の劣化対策
- 耐震性
- 配管等の維持管理・更新の容易性
- 省エネルギー性
- 居住環境
- 住戸面積
- 維持保全計画
- 自然災害への配慮
既存住宅の状態によっては、耐震補強、断熱改修、配管経路の変更等が必要です。認定取得のための工事範囲が広くなれば、費用も増加することになります。
工事内容を決めた後ではなく、増築・改築計画の初期段階で登録住宅性能評価機関や建築事業者へ相談してください。
建築行為を伴わない既存住宅の認定
2022年10月からは、増築や改築を行わない既存住宅も、長期優良住宅の認定対象になりました。一戸建て・共同住宅を問わず、中古住宅を購入した場合や、現在住んでいる住宅についても、一定の基準を満たせば認定を申請できます。
建築工事を行わずに認定を受ける場合は、現在の住宅が認定基準を満たしているかを調べます。ただし、適用される基準は一律ではありません。住宅が建てられた時期や、過去に増築・改築等を行ったかによって、確認項目が変わります。
申請時には、設計図面などの書類に加えて、専門家による現況検査や住宅性能評価が必要になる場合があります。現況検査とは、住宅の劣化や不具合、耐震性などを実際に確認する調査です。
調査の結果、雨漏りや構造部分の劣化、必要な性能の不足などが見つかった場合は、そのままでは認定を受けられません。申請前に補修や改修等を行い、認定基準を満たす必要があります。
また、長期優良住宅の認定を受けただけで、住宅ローン減税などの優遇制度が自動的に適用されるわけではありません。入居時期、床面積、所得、住宅ローンの借入期間など、各制度で定められた条件を別に満たす必要があります。
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一戸建て長期優良住宅の条件に関する2025年4月改正のポイント

2025年4月1日の法改正により、木造住宅の耐震性を確認する「壁量計算」が見直されました。壁量計算とは、地震や強風に耐えるために必要な耐力壁の量を求める方法です。
改正前は、2階建て以下の木造住宅で壁量計算を用いる場合、暫定的に耐震等級3が求められていました。
改正後は、屋根や外壁、断熱材、太陽光発電設備などを含む建物の重量に応じて、必要な耐力壁の量を計算します。現在は、壁量計算を採用する場合も耐震等級2以上が認定基準です。
旧基準を利用できる経過措置は2026年3月31日に終了しました。2026年4月以降に新たに申請する住宅は、改正後の基準に沿って設計する必要があります。
参考:国土交通省「改正建築物省エネ法・建築基準法の3年目施行について」
一戸建て長期優良住宅の認定申請の流れ

長期優良住宅の認定申請は、原則として着工前に進めます。設計後では仕様変更が必要になる場合があるため、早い段階で建築事業者へ相談しましょう。
認定申請の主な流れは以下のとおりです。
- 建築事業者へ認定取得の希望を伝える
- 登録住宅性能評価機関の技術的確認を受ける
- 着工前に所管行政庁へ認定申請を行う
- 通知書の認定計画に沿って工事を行う
- 認定後の点検・補修記録を保存する
①建築事業者へ認定取得の希望を伝える
注文住宅では、設計を始める前に認定取得を希望する旨を伝えます。設計後に申し出ると、耐震性や断熱性、配管、床面積などの見直しが必要になる場合があります。
建売住宅を購入する場合は、以下の書類や情報を確認しましょう。
- 長期優良住宅の認定を受けているか
- 認定通知書
- 維持保全計画
- 住宅性能評価書
- 購入者決定後に必要な変更認定の手続き等
②登録住宅性能評価機関の技術的確認を受ける
設計内容が認定基準を満たしているか、登録住宅性能評価機関の確認を受けます。
主な提出書類は、以下のとおりです。
- 平面図、立面図、矩計図等の設計図書
- 構造計算に関する書類
- 断熱性能や一次エネルギー消費量の計算書
- 維持保全計画書
- 設計内容説明書等
認定基準への適合が確認されると、確認書または設計住宅性能評価書が交付されます。申請手続きは、建築事業者や設計事務所が代行するケースが一般的です。
③着工前に所管行政庁へ認定申請を行う
登録住宅性能評価機関から交付された確認書などを添え、所管行政庁へ申請します。
認定通知を受け取る前に着工できる場合もあります。ただし、申請した計画が認定されなければ、着工後に設計変更が必要になります。認定通知を確認してから着工するほうが安全です。
審査期間や提出書類、手数料は所轄行政庁(自治体)によって異なるため、着工予定日から逆算して準備しましょう。
④認定通知書の計画に沿って工事を行う
認定後は、認定された設計や維持保全計画に沿って工事を進めます。
工事中に構造や断熱仕様、設備などを変更する場合は、変更認定が必要になります。変更前に建築事業者や所管行政庁へ確認してください。
工事完了後は、所轄行政庁(自治体)の定めに従って工事完了報告書を提出します。
⑤認定後の点検・補修記録を保存する
完成後は、維持保全計画に沿って点検や修繕を行い、記録を保存します。
主に保存する書類は、以下のとおりです。
- 認定申請書
- 認定通知書
- 設計図書
- 工事完了報告書
- 定期点検の記録
- 修繕・改良の記録
- 設備交換の記録
所轄行政庁(自治体)から維持保全状況の報告を求められた場合は、保存した記録をもとに回答します。適切な維持保全や報告が出来ない場合は、罰金や認定取消しの対象になる可能性があります。
住宅を売却または相続するときは、認定を引き継ぐための承認手続きが必要となるので注意してください。
長期優良住宅の認定申請にかかる費用

長期優良住宅の認定申請にかかる費用は、全国一律ではありません。所轄行政庁(自治体)や住宅の規模、申請方法、建築事業者へ依頼する業務の範囲によって変わります。
主な費用は、以下のとおりです。
| 費用項目 | 主な内容 |
| 所管行政庁の認定申請手数料 | 所轄行政庁(自治体)へ認定申請を行う際に支払う費用 |
| 登録住宅性能評価機関の審査料 | 住宅が認定基準を満たしているか、技術的な確認を受ける費用 |
| 設計図書・計算書の作成費用 | 構造計算書や省エネルギー計算書などを作成する費用 |
| 申請代行費用 | 建築事業者や設計事務所へ書類作成や申請を依頼する費用 |
| 変更認定などの費用 | 認定後に設計や維持保全計画を変更する場合にかかる費用 |
所轄行政庁(自治体)へ支払う申請手数料だけで、必要な費用総額を判断してはいけません。技術審査や計算書の作成、申請代行を含めると、合計で数十万円になる場合があります。
見積もりでは、以下の費用を分けて提示してもらいましょう。
- 認定申請の手続きにかかる費用
- 耐震性や断熱性を高めるための工事費用
- 住宅性能評価などを同時に取得する費用
- 認定後の定期点検にかかる費用
新築一戸建てでは、長期優良住宅に対応した標準仕様を採用している建築会社であれば、性能を高めるための追加工事を抑えられる場合があります。ただし、認定申請の費用まで住宅価格に含まれているとは限りません。
契約前に、認定取得にかかる総額、追加費用が発生する時期や条件、認定を受けられなかった場合の取り扱い等を必ず確認しておいてください。
長期優良住宅の認定を受けるメリット

一戸建て・共同住宅ともに、長期優良住宅の認定を受けると、税金や住宅ローン、保険料などの優遇を受けられる場合があります。
主なメリットは、以下のとおりです。
- 住宅ローン減税の借入限度額が引き上げられる
- 不動産取得税や登録免許税等が軽減される
- 【フラット35】の金利引下げを利用できる
- 耐震性能に応じて地震保険料が割引される
- みらいエコ住宅2026事業の補助対象になる
認定を受けるだけで、自動的に優遇が適用されるわけではありません。制度ごとの対象条件や申請手続きをあらかじめ確認しておきましょう。
住宅ローン減税の借入限度額が引き上げられる
2026年から2030年までに新築の認定長期優良住宅へ入居する場合、住宅ローン減税の借入限度額は以下のとおりです。
| 世帯区分 | 借入限度額 |
| 一般世帯 | 4,500万円 |
| 子育て世帯等 | 5,000万円 |
子育て世帯等とは、入居した年の12月31日時点で、以下のいずれかに該当する世帯です。
- 19歳未満の扶養親族がいる
- 夫婦のいずれかが40歳未満である
控除率は年末の住宅ローン残高の0.7%で、新築住宅の控除期間は13年間です。所得や床面積、借入期間などの条件もあるため、認定だけで適用されるわけではありません。
参考:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」
不動産取得税・登録免許税・固定資産税が軽減される
新築の認定長期優良住宅では、以下の税制上の特例を利用できる場合があります。
| 税目 | 一般住宅の特例 | 長期優良住宅の特例 |
| 不動産取得税 | 課税標準から1,200万円控除 | 課税標準から1,300万円控除 |
| 登録免許税・所有権保存登記 | 税率0.15% | 税率0.1% |
| 登録免許税・戸建ての所有権移転登記 | 税率0.3% | 税率0.2% |
| 固定資産税・戸建て | 2分の1減額を3年間 | 2分の1減額を5年間 |
登録免許税の特例は、2027年3月31日までに取得した住宅が対象です。不動産取得税と固定資産税の特例は、2031年3月31日までに新築された住宅が対象となります。
床面積や申告期限等の条件もあります。適用の可否は、税務署や都道府県税事務所、市区町村などへ確認してください。
【フラット35】の金利引下げを利用できる
認定長期優良住宅は、【フラット35】維持保全型や【フラット35】Sなどの金利引下げ制度の対象になる場合があります。
適用される金利の引下げ幅や期間は、住宅性能や利用する制度の組み合わせによって異なります。申込時点の条件を、住宅金融支援機構や取扱金融機関へ確認しましょう。
※融資実行時の金利が適用されます。借入可能額は審査結果によって異なります。
参考:住宅金融支援機構「【フラット35】」
耐震性能に応じて地震保険料が割引される
地震保険では、住宅の耐震性能に応じて以下の割引を受けられます。
- 耐震等級2:30%
- 耐震等級3:50%
- 免震建築物:50%
長期優良住宅の認定だけで、割引が自動的に適用されるわけではありません。住宅性能評価書など、耐震性能を証明できる書類を損害保険会社へ提出する必要があります。
必要書類は契約内容によって異なるため、加入予定の損害保険会社へ確認してください。
みらいエコ住宅2026事業の補助を受けられる
みらいエコ住宅2026事業では、一戸建て・共同住宅ともに、一定の条件を満たす長期優良住宅の新築が補助対象です。補助額は、省エネルギー基準の地域区分によって異なります。
| 地域区分 | 補助額 | 古家を除却する場合 |
| 1~4地域 | 80万円 | 最大100万円 |
| 5~8地域 | 75万円 | 最大95万円 |
お住まいの地域がどの区分に該当するかは、みらいエコ住宅2026事業の「地域区分検索」で確認できます。
参考:国土交通省・環境省「みらいエコ住宅2026事業 地域区分検索」
注文住宅や新築分譲住宅では、原則として以下のいずれかに該当する世帯が対象です。
- 子育て世帯
- 夫婦のいずれかが39歳以下の若者夫婦世帯
子どもや夫婦の年齢を判定する基準日は、工事の着手時期によって異なります。床面積や建設地、工事時期などの条件も満たさなければなりません。
申請は、登録された建築事業者や販売事業者が行います。受付が2026年12月31日までで、かつ予算上限に達すると受付が終了するため、契約前に事業者登録の有無と対象条件を確認してください。
引用:国土交通省・環境省「みらいエコ住宅2026事業」
※補助制度の対象条件、申請期間、予算の執行状況は変更される場合があります。最新情報は、みらいエコ住宅2026事業の公式サイトまたは事務局に必ずご確認ください。
長期優良住宅の認定を受ける際の注意点

本章では、一戸建て・共同住宅ともに、長期優良住宅の認定を検討する際に確認したい費用、申請時期、認定後の維持保全、税制・補助制度の適用条件を解説します。取得時の負担だけでなく、30年以上の維持管理に必要な費用も含めて判断してください。
- 建築費の負担が増える
- 着工前の申請が必要になる
- 認定後も点検・補修を続ける必要がある
- 税制優遇や補助金が必ず利用できるわけではない
建築費の負担が増える
長期優良住宅は、耐震性、断熱性能、劣化対策等について、一般的な住宅より高い水準が求められます。
主に以下の費用が増える可能性があります。
- 構造計算や省エネルギー計算の費用
- 断熱材や高断熱窓の費用
- 耐震性能を高める構造材や金物の費用
- 点検口や配管等の仕様変更費用
- 認定申請や住宅性能評価の費用
建築会社の標準仕様が認定基準を満たしている場合は、追加費用を抑えられることがあります。
見積もりを比較する際は、認定を取得しない場合との差額と、税制・融資・補助制度によるメリットを分けて確認してください。
着工前の申請が必要になる
新築や増築・改築で認定を受けるには、着工前に申請しなければなりません。
設計がほぼ完成した後に認定取得を希望すると、構造、断熱、配管、床面積等の変更が必要になる場合があります。設計変更によって、工期や費用が増える可能性もあります。
土地や建物の契約前に、長期優良住宅の認定取得の有無または対応可否、申請者、要する時間と費用の見込みを確認してください。
認定後も点検・補修を続ける必要がある
認定取得後は、維持保全計画に沿って点検や補修を続け、記録を保存します。
点検、外壁や屋根の補修、設備交換等の費用は、原則として所有者の負担です。
税制優遇や補助金を受けた後も、維持保全義務は続きます。認定取得時だけでなく、30年以上の修繕費用を含めて資金計画を立てる必要があります。
税制優遇や補助金が必ず利用できるわけではない
長期優良住宅の認定条件と、住宅ローン減税や補助金の適用条件は同じではありません。
認定を受けていても、以下の要件を満たさなければ対象外となる場合があります。
- 入居時期
- 床面積
- 所得
- 世帯構成
- 住宅ローンの借入期間
- 工事の着手時期
- 事業者登録
- 住宅の立地
認定取得によるメリットを資金計画に組み込む場合は、利用予定の制度ごとに条件を確認してください。
長期優良住宅の条件を満たす新築戸建をお探しなら<ジオガーデン>

長期優良住宅を選ぶ際は、耐震性や省エネルギー性だけでなく、将来の点検や修繕を行いやすい設計になっているかを確認することが大切です。建物の性能に加え、周辺環境や街並み、入居後の暮らしやすさも含めて比較しましょう。
阪急阪神の戸建ブランド<ジオガーデン>は、一邸一邸こだわりを尽くした上質な住空間の創造と美しいまちの景観形成をひとつのストーリーで描きながら、末永く安心・快適・満足を実感いただける邸宅思想の住まいをお届けしてまいります。
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長期優良住宅の条件に関するよくある質問

本章では、一戸建て・共同住宅に関する長期優良住宅の年齢条件、完成後の認定、耐震等級、リフォーム時の手続き、中古マンション、ZEH水準住宅との違いを解説します。個別の認定可否や手続きは、所管行政庁等への確認が必要です。
- 長期優良住宅の認定に年齢条件はありますか?
- 建築後に長期優良住宅の認定を取得できますか?
- 耐震等級2と3のどちらが認定条件ですか?
- 認定後にリフォームをすると再申請が必要ですか?
- 中古マンションでも長期優良住宅の認定を受けられますか?
- 長期優良住宅とZEH水準住宅の違いは何ですか?
長期優良住宅の認定に年齢条件はありますか?
長期優良住宅の認定自体に、申請者や購入者の年齢条件はありません。
ただし、住宅ローン減税の借入限度額の上乗せや、みらいエコ住宅2026事業には、子どもの年齢や夫婦の年齢に関する条件があります。
長期優良住宅の認定条件と、税制・補助制度の対象条件は分けて確認してください。
建築後に長期優良住宅の認定を取得できますか?
すでに完成している住宅でも、建築行為を伴わない既存住宅の認定制度を利用できる場合があります。
住宅の現況が、建築時期や増築・改築履歴に応じた認定基準に適合している必要があります。設計図書や現況検査の結果によっては、補修や性能向上工事を求められる可能性があります。
新築住宅として認定を受ける場合は、着工前の申請が必要です。
耐震等級2と3のどちらが認定条件ですか?
代表的な認定基準は、耐震等級2以上です。耐震等級3は必須条件ではありません。
ただし、耐震等級3は耐震等級2より高い耐震性能を示します。地震保険の耐震等級割引も、等級2は30%、等級3は50%です。
予算や設計条件を踏まえ、取得する等級を建築事業者と相談してください。
認定後にリフォームをすると再申請が必要ですか?
認定計画の内容に影響するリフォームを行う場合は、変更認定が必要になることがあります。
軽微な変更として扱われる場合もありますが、所有者だけで判断してはいけません。工事契約前に、所管行政庁または登録住宅性能評価機関へ確認してください。
マンションの場合は、長期優良住宅の手続きとは別に、管理規約に基づく管理組合の承認が必要です。
中古マンションでも長期優良住宅の認定を受けられますか?
共同住宅等も、建築行為を伴わない既存住宅の認定対象です。
ただし、マンションでは住戸単位ではなく、住棟全体の構造や維持保全計画が関係します。区分所有者個人だけで手続きを進めることは難しく、管理組合や管理会社等との調整が必要です。
購入を検討しているマンションの認定状況は、事前に売主、不動産会社、管理組合等へ確認してください。
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中古マンションの確認事項については、以下の記事も参考にしてください。 >>中古マンション購入の注意点|後悔しない物件選び・資金計画・契約の全知識 |
長期優良住宅とZEH水準住宅の違いは何ですか?
ZEH水準住宅は、主に断熱性能と一次エネルギー消費量に着目した住宅です。
長期優良住宅はZEH水準の省エネルギー性能に加え、以下の条件も満たします。
- 劣化対策
- 耐震性
- 維持管理・更新の容易性
- 居住環境への配慮
- 住戸面積
- 維持保全計画
- 自然災害への配慮
長期優良住宅は、省エネルギー性能だけでなく、住宅を長期間使用し続けるための条件を総合的に審査する制度です。
まとめ
この記事では、長期優良住宅の認定基準や具体的な申請手続き、税制優遇などのメリットについて解説しました。
減税や最大100万円の補助金といった恩恵を受けられるからこそ、理想の住まいづくりに向けて要件をしっかり確認して計画的に進めると良いでしょう。
押さえておきたい認定基準のポイントは以下の通りです。
- 劣化対策や耐震等級2以上等の構造性能
- 良好な景観など居住環境への配慮
- 新築戸建で75㎡以上の住戸面積
- 30年以上にわたる維持保全計画の策定
- ハザードマップ等による自然災害への対策
着工後の申請は認められないため事前の準備が欠かせません。耐震性や断熱性を高める設計変更を見据えて、まずは実績のある建築会社へ相談して、後悔のないマイホーム計画をスタートしてください。








