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2026.05.08

マンションの耐用年数は47年?過ぎたらどうなる?寿命との違いを徹底解説

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「マンションの耐用年数は47年」と聞いて、「築後47年で住めなくなるのでは」と不安を感じた方もいるかもしれません。

結論からお伝えすると、47年という数字は国税庁が財務省令で定めた税務上の「法定耐用年数」であり、建物の寿命そのものではありません

本記事では、法定耐用年数・物理的耐用年数・経済的耐用年数の3つの違いや、構造別・設備別の耐用年数一覧、耐用年数を過ぎた場合の影響まで、マンションの耐用年数にまつわる疑問を網羅的に解説します。

マンションの耐用年数は3種類

マンションの耐用年数は3種類

マンションの耐用年数には、用途の異なる3つの概念があります。混同すると物件の評価や資金計画に誤りが生じるため、それぞれの違いを押さえておきましょう。

本章では、以下の内容を解説します。

  • 法定耐用年数
  • 物理的耐用年数
  • 経済的耐用年数

法定耐用年数

法定耐用年数とは、減価償却費を算出するために国税庁が財務省令で定めた「減価償却資産の耐用年数」であり「会計上の使用期間」です。鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の住宅用建物は47年とされており、建物の価値を毎年一定額ずつ減少させる計算の基礎となっています。

法定耐用年数は「建物が安全に使用できる期間」を定めたものではありません。あくまで税務上の基準であるため、47年が経過した後も居住は可能です。

賃貸経営や投資目的でマンションを所有する場合には、法定耐用年数を基に減価償却費を計上し、税務申告に反映させます。

参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表

賃貸経営における減価償却費の具体的な計上方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

>> アパート・マンション経営の必要経費!どんなものが計上できる?

物理的耐用年数

物理的耐用年数とは、建物の構造体(躯体)等が物理的に使用に耐えられる期間です。コンクリートの中性化や鉄筋の腐食等、素材の劣化が進行し安全性を維持できなくなるまでの年数が目安となります。

2013年国土交通省の「中古住宅流通促進・活用に関する研究会 報告書 取りまとめ後の取組紹介」によると、鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命を117年と推定した調査結果が紹介されています。また、同資料では、構造体としての鉄筋コンクリートの効用持続年数として、鉄筋コンクリート部材の効用持続年数は適切な維持管理があれば、一般建物(住宅も含まれる)で120年、外装仕上により延命した場合は150年とする研究も紹介されており、法定耐用年数の47年を大幅に上回ります。ただし、適切な維持管理が前提条件です。

参考:国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について

経済的耐用年数

経済的耐用年数とは、建物が不動産市場で経済的価値を維持できる期間です。物理的にはまだ使用可能でも、間取りや設備仕様が市場ニーズに合わなくなる、維持管理コストが経済的合理性を失った時点で終了と判断されます。

マンションの経済的耐用年数は40〜50年程度とされることが多いですが、立地条件が良く管理状態が優れたマンションでは築後50年を過ぎても高い需要を維持するケースがあります。

経済的耐用年数は立地・管理状態・市場動向等の複合的な要因で変動します。

【構造別】住宅用マンションの法定耐用年数一覧

【構造別】住宅用マンションの法定耐用年数一覧

マンションの法定耐用年数は、建物の構造によって異なります。国税庁が公表している「主な減価償却資産の耐用年数表」に基づく住宅用建物の法定耐用年数は、以下のとおりです。

構造 法定耐用年数(住宅用のもの)
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) 47年
鉄筋コンクリート造(RC造) 47年
金属造(骨格材の肉厚4mm超) 34年
金属造(骨格材の肉厚3mm超4mm以下) 27年
金属造(骨格材の肉厚3mm以下) 19年
れんが造・石造・ブロック造 38年
木造・合成樹脂造 22年

分譲マンションの多くはRC造またはSRC造であり、この構造で建築されたマンションの法定耐用年数は47年となります。鉄骨造の場合は骨格材の肉厚によって19年〜34年と幅があるため、購入や売却の際には構造を正確に把握しておく必要があります。

※税金の計算は個々の状況により異なり、法改正により変更される場合があります。詳細は税務署または税理士に必ずご確認ください。

【設備別】マンションの耐用年数一覧

【設備別】マンションの耐用年数一覧

マンションは建物本体(躯体)だけでなく、建物附属設備にもそれぞれ国税庁が財務省令で定めた法定耐用年数があります。設備の法定耐用年数は躯体より短いため、建物自体がまだ使える段階でも設備の更新が必要になることがあります。

設備の種類 法定耐用年数
給排水・衛生設備、ガス設備 15年
電気設備(蓄電池電源設備) 6年
電気設備(その他) 15年
エレベーター 17年
消火・排煙・災害報知設備、格納式避難設備 8年
アーケード・日よけ設備(主として金属製) 15年

物件の購入を検討する際は、築年数だけでなく設備の更新履歴や長期修繕計画の内容も確認しましょう。ただし、設備の更新履歴や修繕計画の妥当性を個人で判断するのは、簡単ではないかもしれません。

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共用部分の設備更新に備えた修繕積立金の適正額の考え方は、以下の記事で詳しく解説しています。

>> マンションの修繕積立金とは?相場・適正額から値上げ理由まで徹底解説

マンションの耐用年数を左右する要因

マンションの耐用年数を左右する要因

同じRC造のマンションでも、耐用年数には差が生じます。その差を分ける主な要因を2つ取り上げます。

  • 旧耐震基準か新耐震基準か
  • 立地環境による影響を受けないか

旧耐震基準か新耐震基準か

1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準に該当し、「震度6強〜7程度の地震でも倒壊しない水準」が求められています。一方、旧耐震基準の建物は「震度5強程度の中規模地震でほとんど損傷を生じない水準」で設計されており、大規模地震(震度6強〜7程度)に対する倒壊防止の基準は設けられていないため、地震時の安全性に差があります。

旧耐震基準のマンションは、構造上の脆弱性が物理的耐用年数を短くする可能性があるほか、以下のような面で経済的耐用年数にも影響を及ぼします。

  • 住宅ローン審査:融資条件で不利になるケースがある
  • 税制優遇:各種優遇措置を受けにくいケースがある

2026年4月1日施行の改正区分所有法では、耐震性不足等の客観的事由があるマンションの建て替え決議要件が、従来の区分所有者数および議決権の各5分の4以上から各4分の3以上の賛成に緩和されました。

参考:法務省「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について

立地環境による影響を受けないか

海岸線近くに立地するマンションでは、塩分を含んだ潮風によりコンクリート内部に塩化物イオンが浸透し、鉄筋の腐食(塩害)が進行しやすくなることがあります

また、大気中のCO2によるコンクリートの中性化が進むと、塩害との複合によって鉄筋腐食がさらに加速することも考えられます。

こうした立地による影響は管理の工夫で緩和できます。たとえば、塩害対策として外壁塗装の塗り替え頻度を増加させたり防錆塗料を使用したりすることで、躯体への影響を抑えられます。物件を検討する際は、立地環境に応じた修繕履歴があるかも確認しましょう。

マンションの耐用年数を過ぎたらどうなる?

法定耐用年数の47年を過ぎたとき、生活面や資金面にどのような影響が出るのかを解説します。

  • 住宅ローンが組みにくくなる
  • 減価償却期間が短くなる
  • 固定資産税はゼロにならない

住宅ローンが組みにくくなる

法定耐用年数を過ぎたマンションの購入では、住宅ローンの借入条件が厳しくなる可能性があります。金融機関は融資審査で建物の残存耐用年数をローン借入期間の上限を判断する際の参考にする場合があり、耐用年数を超過した物件では以下のような影響が出るケースがあるためです。

  • 借入期間の短縮:ローン借入期間が短く設定され、月々の返済額が増加する
  • 融資額の抑制:希望額に対して融資額が低く抑えられる

借入期間が短くなると月々の返済額が増え、資金計画に影響が出ます。購入を検討している方は、早い段階で複数の金融機関に必ずご相談ください。

とはいえ、融資条件の比較に加えて物件選びや売却のタイミングまで並行して考えるのは、負担が大きいと感じる方もいるのではないでしょうか。

『阪急阪神の仲介』では、独自の情報ネットワークを活かし、購入・売却の両面からお客様の意向に沿ったご提案をしています。「物件によって最適な住宅ローンの選び方」「今の住まいを売却して住み替えるべきか」等、些細な疑問でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

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減価償却期間が短くなる

法定耐用年数を過ぎた中古マンションを取得した場合、減価償却の耐用年数は「簡便法」(かんべんほう)で算出されます。

国税庁の規定では、法定耐用年数の全部を経過した資産は「法定耐用年数×20%」で計算します。RC造(法定耐用年数47年)の場合、47年×20%=9.4年、端数切捨てで9年です。

減価償却期間が短いと、1年あたりの償却費が大きくなります。投資用マンションとして取得する場合、短期間で多額の経費を計上できる反面、償却期間終了後は計上できる経費が減り、所得税の負担が増加します。

なお、自宅として居住する場合、減価償却は確定申告で経費計上するものではないため、日常の税負担に直接影響することは基本的にありません。ただし、将来その住宅を売却する際には、取得費から減価償却相当額を差し引いて譲渡所得を計算するため、減価償却期間の短さが結果的に譲渡所得を大きくし、譲渡所得税の負担が増える可能性があります。

参考:国税庁「No.5404 中古資産の耐用年数

※税金の計算は個々の状況により異なり、法改正により変更される場合があります。詳細は税務署または税理士に必ずご確認ください。

固定資産税等はゼロにならない

法定耐用年数を過ぎても毎年課税される固定資産税等はなくなりません。固定資産税等の評価額算定に用いる「経年減点補正率」には下限値があり、建物の構造を問わず0.2(20%)が最低限度です。どれだけ築年数が経過しても、建物の固定資産税評価額は再建築費評点数の20%を下回ることはなく、固定資産税等は継続して課税されます。

建物が存在する限り税負担は発生し続けるため、維持費の一部として長期的な資金計画に組み込んでおきましょう。

参考:総務省「固定資産評価のしくみについて(家屋評価)

※税金の計算は個々の状況により異なり、法改正により変更される場合があります。詳細は税務署または税理士に必ずご確認ください。

固定資産税等を含むマンション保有にかかる費用の全体像については、以下の記事で詳しく解説しています。

>> 不動産購入の諸費用はいくら?内訳とシミュレーションを分かりやすく解説

マンションが寿命を迎えたときの3つの方法

マンションが寿命を迎えたときの3つの方法

物理的・経済的にマンションの維持が困難になった場合、区分所有者が取り得る主な方法は3つです。

  • マンションを建て替える
  • 敷地を一括売却する
  • 大規模修繕を行い住み続ける

マンションを建て替える

マンションの建て替えには、区分所有法に基づき区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成による決議が必要です。2026年4月1日施行の改正区分所有法では、以下いずれかの客観的事由がある場合に限り、決議要件が4分の3以上に緩和されます。

  • 耐震性の不足:地震に対する安全性に係る建築基準法等の基準に適合していない
  • 火災安全性の不足:火災に対する安全性に係る建築基準法等の基準に適合していない
  • 外壁等の剝落危険:外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剝離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがある
  • 給排水管等の劣化:給水、排水その他の配管設備の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがある
  • バリアフリー基準への不適合:建築物移動等円滑化基準に準ずる基準に適合していない

建て替えが実現すれば住環境は一新されますが、建て替え期間中の仮住まい確保や追加の費用負担が生じるため、住民間の合意形成は容易ではありません。全国のマンション建て替え実績は累計323件(2025年3月31日時点、国土交通省調べ)にとどまっており、ハードルの高さがうかがえます。

参考:国土交通省「マンション建替え等の実施状況

※具体的な契約内容については、依頼しようとする不動産会社の宅地建物取引士または弁護士に必ずご相談ください。

敷地を一括売却する

マンションの再生等の円滑化に関する法律(旧:マンションの建替え等の円滑化に関する法律)に基づく「マンション敷地売却制度」を利用すれば、マンションおよび敷地をデベロッパー等の買受人に一括売却できます。対象は、以下いずれかに該当し、特定行政庁(自治体)から特定要除却認定を受けたマンションです。

  • 耐震性不足:現行の耐震基準を満たしていない
  • 火災安全性の不足:火災に対する安全性が確保されていない
  • 外壁等の剥落危険性:外壁等の剥落により周辺に危害を生ずるおそれがある

敷地売却の決議には区分所有者、議決権および敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の賛成が必要ですが、建て替えと異なり住民自身が費用を負担して新築する必要がないため、資金面の障壁が比較的低い方法です。売却代金は区分所有者間で分配され、住み替え資金に充てられます。

なお、2026年4月1日施行の改正区分所有法では、特定要除却認定がなくても区分所有者、議決権および敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数決で建物・敷地の一括売却が可能となる「建物敷地売却決議」制度が新設されています。

大規模修繕を行い住み続ける

建て替えや敷地売却に踏み切れない場合、大規模修繕で建物の寿命を延ばし住み続けるという判断もあり得ます。以下のような修繕を計画的に行えば、物理的寿命の延長が可能です。

  • 外壁補修:ひび割れやタイルの浮きを修復し、雨水浸入を防止する
  • 屋上防水:防水層を更新し、建物内部への漏水を防ぐ
  • 給排水管の更新:管材の劣化による漏水トラブルを未然に防ぐ

ただし、修繕を重ねるほど費用面での負担が大きくなっていきます。修繕積立金の値上げや一時金の徴収が必要になるケースもあるため、長期修繕計画の見直しと合わせて、建て替えや売却との比較検討を行うことが望ましいでしょう。

※ただし、管理規約による制限の内容を遵守してください。

マンションの売却・住み替えをお考えなら『阪急阪神の仲介』へ

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築年数が経過したマンションの将来が気になり始めたとき、「今の住まいがいくらで売れるのか」を把握しておくことは、次の一歩を踏み出す判断材料になります。売却するか住み続けるか、結論を急ぐ必要はありませんが、現在の資産価値を知っておくだけで将来の計画は立てやすくなるのではないでしょうか。

『阪急阪神の仲介』では、独自の情報ネットワークを活かし、適正な価格でのご売却をサポートしています。

ご売却だけでなく、住み替え先のご購入までワンストップで取り組ませていただくことが可能であり、スケジュール調整のご負担も軽減することができます。まずは現在のお住まいの価値を確認してみてはいかがでしょうか。

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マンションの耐用年数に関するよくある質問

マンションの耐用年数に関するよくある質問

本章では、以下の内容を解説します。

  • 耐用年数を過ぎたマンションの火災保険はどうなりますか?
  • 鉄筋コンクリート造と鉄骨造で耐用年数は変わりますか?
  • 分譲マンションと賃貸マンションで耐用年数は変わりますか?
  • 築40年以上のマンションは日本に何戸ありますか?
  • 旧耐震基準のマンションは耐用年数が短いですか?
  • 耐用年数を過ぎたマンションは売却できますか?
  • リノベーションをすれば法定耐用年数は延びますか?
  • マンションの給排水管の耐用年数は何年ですか?
  • 「管理計画認定制度」は耐用年数や資産価値に関係がありますか?
  • 耐用年数を過ぎると建物の価値はゼロになるのですか?

耐用年数を過ぎたマンションの火災保険はどうなりますか?

法定耐用年数を過ぎたマンションでも火災保険への加入は可能です。ただし、築年数が古くなるほど損害リスクが高いと評価されるため、保険料が割高になる傾向があります。

2024年10月からは火災保険の参考純率(保険料率算出団体が算出する純保険料率のこと)における築年数別料率体系が改定され、築年数が増加するにつれて最大50年まで保険料が高くなる体系となり、区分も従来の5年刻みから1年刻みに変更されました。築古物件ほど保険料への影響が大きくなっています。

加えて、保険会社によっては築40〜50年以上の物件に対して物件状態の写真提出を求めたり、免責金額の引き上げや補償の制限を設けたりするケースもあります。

加入を検討する際は複数の保険会社から見積もりを取り、補償内容と保険料を比較することが重要です。

鉄筋コンクリート造と鉄骨造で耐用年数は変わりますか?

RC造の住宅用建物は法定耐用年数が47年であるのに対し、鉄骨造は骨格材の肉厚により19年〜34年と異なります

法定耐用年数の違いは減価償却の計算に直接影響し、耐用年数が短いほど1年あたりの償却費が大きくなります。また、金融機関が住宅ローンの融資期間を判断する際にも法定耐用年数が考慮されるケースがあり、耐用年数が短い構造ほど借入可能期間が短くなる可能性があります。

分譲マンションと賃貸マンションで耐用年数は変わりますか?

法定耐用年数は「建物の構造と用途」によって定められており、分譲か賃貸かによる違いはありません。RC造の住宅用建物であれば、分譲でも賃貸でも法定耐用年数は47年です。

築後40年以上のマンションは日本に何戸ありますか?

国土交通省の資料によると、2024年末時点で築後40年以上の分譲マンションは約148万戸です。2034年末には約293万戸(約2.0倍)、2044年末には約483万戸(約3.3倍)に増加する見込みです。

引用:国土交通省「築40年以上のマンションストック数の推移

旧耐震基準のマンションは耐用年数が短いですか?

法定耐用年数は構造と用途で決まるため、旧耐震基準であっても法定耐用年数そのものが短くなるわけではありません。ただし、旧耐震基準の建物は地震に対する安全性が新耐震基準より劣る可能性があり、物理的耐用年数や経済的耐用年数に影響を及ぼすことがあります。

耐用年数を過ぎたマンションは売却できますか?

法定耐用年数を過ぎたマンションでも売却は可能です。ただし、買主が住宅ローンを利用する場合に融資条件が厳しくなるケースがあるため、物件の管理状況や修繕履歴を整理しておくことで、買主の安心材料を増やせます。

リノベーションをすれば法定耐用年数は延びますか?

リノベーションを行っても、建物全体の法定耐用年数が延長されることはありません。法定耐用年数はあくまで建物の構造と用途によって一律に定められた税務上の基準であるため、どれほど大規模な改修を施しても47年(RC造の場合)という数字自体は変わりません。

ただし、リノベーション費用が「資本的支出」に該当する場合は、その支出分を建物本体の残存耐用年数(または建物附属設備の法定耐用年数)に応じて別途減価償却できます。

一方、物理的な寿命の面では、外壁補修や給排水管の更新等の適切な改修を行うことで建物の劣化進行を抑え、結果として居住可能な期間を延ばす効果が期待できます。

マンションの給排水管の耐用年数は何年ですか?

法定耐用年数(建物附属設備としての給排水・衛生設備)は15年です。実際の使用可能期間は管材の種類等により異なり、硬質塩化ビニルライニング鋼管で20〜25年程度とされています。

「管理計画認定制度」は耐用年数や資産価値に関係がありますか?

管理計画認定制度は、マンションの管理計画が一定の基準を満たしている場合に地方公共団体が認定を行う制度で、2022年4月にスタートしました

認定を受けることで法定耐用年数が変わるわけではありませんが、管理状態の良さが公的に証明されるため、経済的耐用年数にプラスの影響を及ぼすと考えられています。

認定マンションには具体的な優遇措置もあります。たとえば、住宅金融支援機構の【フラット35】維持保全型では金利引下げポイント(1ポイント=年0.25%)が付与され、当初5年間の金利が引き下げられます。

また、一定の要件を満たしたマンションでは大規模修繕工事後に固定資産税が減額される「マンション長寿命化促進税制」(適用期限:2027年3月31日まで)の対象にもなります。

耐用年数を過ぎると建物の価値はゼロになるのですか?

税務上の減価償却では、法定耐用年数の経過後に建物の帳簿価額が備忘価額(1円)まで償却されるため、「会計上の価値はほぼゼロ」になります

一方、不動産市場における売却価格がゼロになるわけではありません。マンションの売買価格は建物部分だけでなく土地(敷地権)の持分価格も含んでいます。土地は減価償却資産に該当しないため経年で価値が減少するものではなく、立地条件が良ければ築年数が経過しても一定の資産価値を保ちます。

さらに、管理状態が良好で修繕履歴が整っている物件は、帳簿上の価値とは関係なく市場で評価されるケースも少なくありません。

まとめ

マンションの「耐用年数47年」は、あくまで税法上の減価償却に用いる法定耐用年数であり、建物の寿命ではありません。鉄筋コンクリート造の物理的寿命は120年以上とする研究もあり、適切な維持管理を行えば47年を大幅に超えて居住し続けることが可能です。

押さえておきたいポイントは、法定耐用年数・物理的耐用年数・経済的耐用年数の3つの違いを正しく理解することです。そのうえで、マンションの寿命を左右するのは築年数だけではなく、以下のような複合的な要因である点も意識しておきましょう。

  • 長期修繕計画の実行状況:計画的な修繕が実施され、積立金が計画的に積み立てられているか
  • 耐震基準への該当性:新耐震基準・旧耐震基準のどちらに該当するか
  • 立地環境:塩害や湿度等、建材の劣化に対応した修繕計画が策定され、修繕が行われているか

法定耐用年数を過ぎたマンションでも、住宅ローンの条件面での影響や固定資産税等の継続課税はあるものの、住み続けることは十分に可能です。将来の住み替えやご売却を検討する場合は、まず現在の資産価値を把握し、長期的な視点で最善の判断を行いましょう。

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