こんにちは、阪急阪神不動産のリノベーション担当・SOBAです。
最近はお越しいただくお客様の中に『シェアハウスに住んでいます』とか『ルームシェアしています』みたいな方が増えたり、前衛的なデザイナーズの賃貸マンションにお住まいの方が増えたり、住環境も多様化しているなー、と感じます。
実際にYouTuberの方でも変わった物件を紹介するチャンネルが人気を博したりしていますよね。(実際に私も見ます)
また、コロナ以降は、WEB会議、在宅ワークみたいな働き方の改革も変わり、副業、シェアオフィス、みたいに様々な環境が変わってきていますね。
『中古を買ってリノベーション』という住宅取得の方法もスタンダードになってきて10年前後の選択肢。『都市部では新築より中古を買う方がスタンダード』になってから5年超。ライフスタイルが凄い速さで変わっていってるなーと思います。
さて、我々は『Reno-Bloom』という事業の中で『お客様にあった中古物件探しから資金計画、設計施工までワンストップでリノベーションを』というサービスをしております。
なので、最初はだいたい『資金計画と物件探し』から始まりますが、その中で『面白い物件を紹介して欲しい』『海外にはこういう凄いデザインのマンションがあるのに、日本のマンションは何でみんな同じような感じなの?』というようなお話になることがございます。
確かに日本は海外と比べると、デザイナーズの物件が少し少ないかもしれません。
でも、『本当にないの?』『そもそもオススメなの?』『注意点ってあるの?』みたいなことは意外と聞けることが少ないかもしれないので、今回はそういったお話です。
『①日本にちょっと変わったマンションが少ない理由』、
『②日本にもあるおもしろいマンション』、
『③さすが海外、面白いマンション』
と複数回に分けて発信します。
①日本にちょっと変わったマンションが少ない理由
というわけで、第一回の今回はこちらの内容を。
日本にも素敵な物件、おもしろい物件はあるのに、確かに少な目。でも、なんで少ないのか。
これはちょっと語弊がありますが、海外も面白い物件ばかりではないのです。普通のマンションもたくさんあります。
デザイン文化の起点や住まいに関する考え方のちょっとした違いが理由で、どうしても『面白い物件の情報が強く発信されるから、海外の家はみんなオシャレだと思う』というのはあるので、そのあたりはまずご注意くださいませ。
理由1:土地が高い。
日本の国土世界的に見たら上から数えた方が早く、決して小さくは無いのです。
でも、人口が多い。
また、山林が多く平地が少ないので都市集約型になりやすく、人口密度が高い。
その結果、人が集まるところになると、かなり土地が高いです。
家を買う為のコストが他の国と同じだとすると、その多くを土地に結構持って行かれてしまうので、建築費に掛けられる予算が減ってしまいます。
という理由です。
面白い物を作ろうと思うと、どうしてもちょっと高くなります。『たくさん生産されているものを使って、シンプルに作る』という方が、簡単だしコストは掛からないので、コストパフォーマンスを考えるとシンプルで同じような家が増える、ということになります。
理由2:ビジネス的な理由
日本は欧米諸国と比べて少し思想が保守的、ということもありますが、基本的に分譲マンションはコーポラティブハウス等と違い、企業が土地を仕入れ、どういう商品(マンション)を作るか考えて建てます。
その中で『あまり派手にしたら好き嫌いが出てしまうからシンプルにしよう』とか、『土地のサイズ的にコンパクトな作りにした方が部屋数をたくさん作れてその分売れるので、極力コンパクトにしよう』とか、『駅から遠めで立地以外の魅力が欲しいから、広めの部屋を多く作ってペットOKにして、敷地内に公園とかBBQスペースも作って、お子様が複数人いるファミリー向けのマンションにしよう』とかそういう議論がいろいろかわされます。
このように『誰が買ってくれるかわからない中で何十戸とお部屋を作るので、できるだけ多くの人に受け入れられやすい建物にしよう』というバイアスが掛かるので、どうしても個性を出しにくいのです。
理由3:お金(維持費)が掛かる
少し変わった外観にするために特殊な建材を多く作ったり、特殊な加工にしたり、共用部を充実させすぎたりすると、その維持費は住民になった際に自分たちのお金で維持管理していく必要があります。
凝った仕様になると当然維持費も高くなりやすくなるので、購入する方からすると良いことばかりではありません。
そんなこんなで、『ちゃんと安心感がある管理のしっかりした中古マンションを買って、それを自由にリノベーションしたい』と思った時に、『なかなか、ひと味違う面白いマンションに出会えない』となるのは、そういう背景があるからなのです。
とはいえ、もちろん『ちょっとかわったヴィンテージマンション』というのは日本にもちゃんとありますし、オススメかどうかはさておき、特徴的な物件はたくさんあります。
次回はそういった情報をご紹介していきます。