こんにちは、阪急阪神不動産のリノベーション担当・SOBAです。
今回は、中古マンションの見極め方の基準のひとつ、マンションの戸数についての比較です。
世の中には、大規模なマンションも小規模なマンションもあります。
みなさんはどちらが良いと思われますか??
この2つ、明確な定義は無いのですが、『100戸以上のマンションを大規模マンション』と呼び、『30戸以下を小規模マンション』と言い、その間を『中規模マンション』と呼ぶことが多いようです。
いざ、物件を選ぶ際に、『多いか少ないか、どちらかがダメ!』ということは無いのですが、傾向や特徴はわりと顕著に出るので、ご紹介します。
①大規模マンションについて
■メリット
大規模マンションのメリットとしてあげられるのが、管理面の優位性です。
20人で管理人さんのお給料を払うのと、100人で払うのは当然違いますし、エレベーターの維持や電気代も同様です。
同程度の管理レベルなら、当然ながら管理費や修繕積立金は安くなります。
ただ、大規模マンションに多い『共用部が豪華すぎるマンション』は別です。
・ちょっと駅から遠いけど直通バスがあるよ →誰が運転手さんの給料を払うの?バスの維持費は?
・キッズスペースや図書スペース、パーティルームやジムもあるよ →当然みんなでお金の出し合いで本やDVDを常に刷新。
みたいに、過度な共用部の設備は将来的に、みなさんが払う管理費や修繕積立金になって跳ね返ってきます。
他には、そのマンションが欲しいなーと思った時に球数が多かったり、過去にリノベーションやリフォームの経験が豊富で、大規模な工事に理解が得られやすかったり、面倒な役員や理事がなかなか回ってこなかったり、と他にもいろいろとメリットがあります。
棟内に建築に詳しい人や、マンション管理に詳しい人がいたりする率も上がりますしね。
■デメリット
戸数が多いということは、いろんな人がいる、ということ。
事故物件が棟内に発生するリスクも上がりますし、理事会の意見をまとめるのもひと苦労。
コミュニティも複数に分散するので、よく知らない人がたくさん住んでいる、ということも言えますよね。
タワータイプと多棟タイプでも話は違いますが、区分所有権の持ち分があまり大きくなかったりも、デメリットに入るでしょうか。
また、大規模な敷地が必要な大規模マンションはもともとそこが何だったのか、というのも少し気になるポイントです。
元工場や、農業用水の池を埋め立てた、とか少し心配になりそうな情報が隠れていることもあります。
②小規模マンションについて
■メリット
小規模ということは1フロアにあるお部屋が少ないということ。
エレベーターから近い、とかはもちろんですが、『1フロア2住戸のみ』みたいなマンションだと、気を遣う相手も少なくなりますし、何より角部屋の率が上がります。風通しや日当たりが良いお部屋を手に入れられる可能性も自然と上がるわけです。
資産云々ではなく、居住性という意味では、小規模マンションの方が面白い部屋や角部屋などの魅力的なお部屋の率が高いでしょう。
しかも、小規模ならではの『住民はみんな顔見知り感』も安心できますよね。
他には、理事会などで、マンションの意見をまとめたり、住民のコミュニティ成熟に向けたイベントなんかも実施しやすかったりしますし、良い意味で小回りの利く組織が形成されやすいので、ここがうまくできているマンションは本当に良い感じのヴィンテージマンションになっているものも多くあります。
あとは、一人当たりの土地の持ち分も大きくなったりもしますよね。
■デメリット
小規模マンションのデメリットは、やはり戸数の少なさに起因します。
少ない人数でマンションの設備や管理人さんのお給料を持つので、管理費や修繕積立金は高くなる傾向があります。
実際に、1戸あたりが負担する『大規模修繕に必要な積立額』も大規模マンションの1.5倍程度必要な試算も発表されていたりします。
また、管理費があがることについていけない人が増えてくると、マンション全体の管理状況が悪化の一途をたどる傾向があります。
例えば、滞納する人が1人、2人と出てくると、そのインパクトは大規模マンションに与える影響よりも大きくなりますよね。
あとは、意見をまとめたり、コミュニティを盛り上げたりもしやすい代わりに、役員や理事の順番は頻繁に回ってきます。
③まとめ
こんな感じで、大規模マンションと小規模マンションには、それぞれメリットとデメリットがあります。
自分が何を追うのか。ランニングコストはどれくらいまで許容できるのか。
居住性か資産性か。はたまた管理面かコミュニティか。
楽しくリノベーションして生活をスタートしていただくうえで、大事なハコ選び。
すべてのマンションが上の特徴にあてはまるということは、もちろんないですが、戸数は大きなポイントです。
マンション選びの参考にしていただければ幸いです。