先日、この春に着工予定の物件の現地調査に行ってきました。
リノベーションの現地調査がどのようなものなのか、簡単にご紹介します。
最近立て続け(7件連続)に宝塚の物件を担当していますが、今回の物件は!・・・
宝塚です。
宝塚人気ですね。
さて、現地調査なのですが、一番最初に出向くのは物件の室内ではなく、マンションの管理事務所。
管理事務所ではリフォーム工事に関する規約等(フローリングの遮音等級や工事時間帯)を確認します。
また、竣工図書と呼ばれる大きな図面が確認できる場合は管理人さんへ相談の上閲覧させてもらいます。
竣工図書では平面上、または高さなどの詳細な寸法を始め、解体時に撤去することができない壁の有無
なども確認することができます。
また、配管の経路なども図示されているので可能であれば是非とも確認しておきたいところです。
今回の場合は、工事発注者立会のもとでなければ閲覧させてもらえないとのことで断念しました。。
管理事務所で確認することとして、上記のことの他には、共用部の養生の必要箇所や搬入経路、工事車両
の敷地内駐車可否等も忘れずに確認しておきます。
さて、管理事務所で一通り確認した後、物件の室内へ入ります。
今回についてはお客様と間取の打合せをして予めラフプランを作成していましたので、そのプランが成立
するかどうかの検証をしていきます。
現地調査をする際に持参している道具たちです。
現状の間取り図、プラン図と調査シート、あとは比較的大きな寸法を測るレーザー測定器、コンベックス、
段差などを測る小型の指矩(さしがね)、点検口を開けたりするのに便利なドライバー付万能ナイフ、
カメラ、ペンです。
必要に応じて持っていく道具は変わりますが、だいたいはこの道具たちで対応ができています。
ほとんどが「スケルトン」と言われる専有部内は全て解体して新たに間取をつくる工事を担当しているため、
実際に現地調査で知りたいことは、1)コンクリートの躯体間寸法と、2)配管経路 の二つです。
もちろん他にも確認すべきことはありますが、基本的には上記2点を集中的に確認していきます。
1)は間取りを作成するのに室内の広さや家具の配置等に大きく影響します。
また、天井高を設定するために床のコンクリートスラブから、天井のコンクリートスラブまでの距離も重要です。
2)は配管は基本的に全てやり替えるので既存の経路自体はさほど重要なわけではありませんが、
最終、排水はPS(パイプシャフト)などの共用縦管に接続されている接続高さや方向などは間取りにも影響してく
ることがあり確認しておきたいところです。
現状の室内の幅、奥行きを確認すると同時にコンクリートの壁となる外壁面などはコンセントカバーを外して
室内壁からコンクリートまでの距離も確認しておきます。
また、コンセントカバーを外して中を覗き見することで断熱材の種類や、厚みなども確認することもできます。
次に高さ関係。
天井のコンクリートの確認は点検口があればそこから、今回は床面までの距離も同時に測りやすい場所で
ダウンライトを外してコンクリートから天井までの距離を確認しました。
床のコンクリートが確認できるところは。。
今回の物件では床面に点検口がどこにもなく、諦めてトイレの排水などを確認していたところ、
不思議な配管カバーが。
排水勾配は規定を大きく超える勾配が取られていたり、無理矢理感がとても気になりましたが
解体して新たにきちんと施工するので今回は気にしません。
開けてみるとコンクリートの床までの距離が確認できました!
次に、解体してみなければ全体の把握は難しいですが、コンクリートの躯体の施工の質やクラックの有無なども
念のため目視で確認しておきましょう。
だいたいはユニットバスの天井に点検口が付いているのでそこから確認します。
こちらの物件はコンクリートの表面もスベスベで、確認できる範囲でクラック等も見当たりませんでした。
躯体状況と合わせて、キッチンやユニットバスの排気の経路なども確認できるので、現地調査の際にはほぼ毎回
ユニットバスの点検口に頭を突っ込んで確認しています。
あとはエアコン配管のスリーブと言われる室内と室外を結ぶ孔の位置を確認したり、
外のメーターボックスを開けて、電気容量や今付いている給湯器の品番、設置方法、室内への配管方法など
を確認しました。
他にも細かい部分を確認し、あとは事務所に持ち帰って躯体図を描いていきます。
中古物件購入+リノベーションの場合は、販売スケジュールの都合などで現地調査が難しい場合もありますが、
現地調査をしっかりしておくことで解体後のプラン変更や見積金額の変更などのリスクを減らせるとともに、
実際の施工に近い図面が作成できるので、現場もスムーズに進みます。
今回も点検口に頭を、配線孔に手を、キッチンの床に寝そべり採寸!と、全身がホコリまみれになりました。
帰りの電車で自分の髪の毛の中から小さな蜘蛛が降りてくることもある現地調査。
“現地調査”
なかなか大変な作業ではありますが、大切な作業です。
プランナーの多田でした。