すまいのスタディ

2024.10.28

収納から考える住まい選び

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新規分譲マンションの価格上昇は、土地や施工費、人件費、設備などを起因とし、購入する住まいの専有面積に少なからず影響しています。
希望するエリアや購入予算を考えれば、広さやプランを妥協して住まいを選ぶという方も少なくないことでしょう。
新しい住まいでは、モデルルームで見たようなスッキリとした空間での暮らしがしたい。そう考えるなら、居住空間を有効に使うために、住まいの収納を重視して選ぶということも大事な視点です。

片づけ上手な方々が、口をそろえて言うことは、
『モノには、指定席、居場所、帰る場所を作ってあげる』ということ。
モノの置き場所を決めやすい"収納"は、片づけやすい。つまり、スッキリした暮らしが実現しやすい住まいだといえるでしょう。

今回は、住まいの"収納"のお話です。新築のマンション選びや、リフォームのアイデアとして、ぜひ、参考にしてみてください。

行動から考える、モノの置き場所

はじめに、片づけ上手になるための基本をおさらいしましょう。
モノの置き場所を決めるには、"どこで何をするのか"自分と家族の行動を思い出しながら考えることが大切です。
部屋には、キッチンやリビング、洗面室など用途が決まった場所があります。モノは、使いやすい場所に定位置を設けてあげることで片づけやすくなります。モノの置き場所を決める上でポイントになることを抑えてみましょう。

部屋の用途に縛られすぎない

例えば、キッチン。収納には、食器類のほか調理家電や備蓄食品、お掃除グッズなどキッチンで使うものだけを収めると思い込んでいませんか。洗面台には、ドライヤーにデンタルケア製品、化粧品といったモノだけを収めていませんか。
キッチンは、ダイニングとつながる場所です。
"ダイニングで書き物をすることが多い"という場合には、
事務仕事をするための筆記用具や書類ケースの置き場所を作ってもいいでしょう。
"出かける前に鏡の前でイヤリングをつける"ことが多いならば、
洗面台の収納には、アクセサリーやメガネのような鏡を見て合わせたいモノを置くこともできます。
固定概念に縛られ過ぎず、その場所で何をするかから考えればモノの置き場所を決めやすくなり、室内での移動もシンプルになります。

人が動くと、モノが動く

例えば、仕事帰りに夕食の買い物をして家に帰る。そのままキッチンへ向かい、つい、カバンをダイニングに置いたままにということはありませんか。
カバンはクロゼットにと決めるのではなく、リビングやダイニングに置き場所を作れば、夕食の準備をしている途中で"カバンをしまわなきゃ"という動きにはなりません。
モノは、人が動かさなければ動きません。使いやすい適所がどこかは人の動きで決められるのです。
玄関回りなら、外出時に必要な鍵や、忘れずに持ち歩きたいエコバック、受け取った宅配便を開ける道具などの置き場所があると望ましいのではないでしょうか。

置き場所を決めやすい収納とは?

モノの大きさや形はさまざまです。収納場所を見てみると、上部空間にスペースがあったり、棚に隙間がある場所はありませんか。モノの大きさや形が考えられた収納なら、タテ・ヨコ空間のデッドスペースを減らし、より多くのモノが納められます。

例えば、下足箱の場合。靴は、男性用・女性用・子ども用とではサイズも形もいろいろあります。ランダムに下足箱に入れていると、隙間ができやすいだけでなく、履きたいときにお目当ての靴が探しにくいということにもなります。
下足箱は玄関サイズに合わせ棚幅を設けているものも多いはずです。下足箱の棚幅を工夫し、男性用の靴が2足並ぶ48㎝幅と、女性用の靴が2足並ぶ36㎝幅に分けると、棚のデッドスペースを減らすとともに収納量が増えます。
家族それぞれの靴の定位置も決めやすくなり、出し入れで迷うことなく、下足箱を整理する際も、それぞれで片づけが分担できます。

カスタマイズしやすい収納を選ぶ

住む方それぞれで、収納するモノの種類や量は異なります。クロゼットや納戸では、カスタマイズのしやすさにぜひ注目してください。
クロゼットには、棚板が設けられていますが、固定式と可動式とに分かれています。可動式の棚板が多ければ、収めたいモノに合わせ高さを変えて収納ロスを減らすことができます。
例えば、ハンガーを吊るすバーの場合。コートやワンピースなど長い服が多ければ、上部位置にバー取り付けます。スーツやシャツなどの長さの服を多く吊り下げたいなら、上部と中間に分けてバーを取り付けます。たたんで収納したい服が多ければ、上部位置にバーを取り付け、下部に引き出しの収納を設けます。
納戸の場合も、使い勝手を自分流にカスタマイズしやすいかをチェックしましょう。
住み続けていると、モノは増え、服の好みや量も変わってくるでしょう。カスタマイズしやすい可動式の収納があれば、変化にも対応しやすいはずです。

▶詳細は、こちらをご覧ください。
【公式】いつも - 収納|〈ジオ〉の商品企画プロジェクト (8984.jp)

モノを集めることで、迷わない収納

ここまで、モノを使う場所の近くに収納があることをおすすめしてきました。
スッキリとした空間での暮らしを望むなら、使う場所に近い便利さだけでなく、使う人がルールを作って使いこなす収納もひとつの選択肢になるでしょう。
その一例が、集める収納です。

写真のオーク材を使用した扉に見える部分は、間取りの中央部分に位置する大きなハコ型収納です。
寝室とリビングダイニングには収納を設けていません。ハコ型収納にウォークインクロゼット、バルコニー側には書棚、リビングダイニング側はテレビやPCなどを収められる棚が設けられています。

リフォームでハコ型収納(THE BOX)を設けたプラン

ハコ型収納を中心に回廊になっており、玄関、廊下、リビングダイニングの行き来が自在です。リビングダイニングの引き戸は、収納の扉の役割も担っていて、テレビなど生活感のあるものは引き戸を開けると見えなくなる仕掛けになっています。
中間にあるハコ型収納は家族のモノが集められた共用場所。モノを集めることで、探し場所や収める場所に迷わない、機能性の高い収納になります。
家族みんなで"ルールを作り、守ること"でモノの迷子を減らせるでしょう。

▶詳細は、こちらをご覧ください。
THE BOX | 阪急阪神のリフォーム (8984.jp)

まとめ

近年、ロボット掃除機やスティック掃除機に対応し、形を変えたり、収納内に充電用コンセントを設けるなど住宅設備としての収納はアイデアにあふれています。
収納量を増やすというよりも、モノを適所に置けるようにすることで、より機能的、効率的な収納ができるように工夫を凝らしているといえます。

住まいにおいて、シンデレラフィットする収納はないかもしれません。しかし、デベロッパー各社は、お客様の声や社員の意見などを集めて商品を企画し検討するほか、メーカーとも協力して、より快適で便利な暮らしが送れるよう商品開発を行っています。

収納は、時代とともに変化する生活様式にも対応できるよう進化を続けています。
住まい選びでは、収納にもっと注目してみるのも一考ではないでしょうか。

不動産に関するお悩みやお困りごとは、『阪急阪神不動産』にぜひご相談ください。

※2024年10月10日時点の情報になり、今後内容が変更となる可能性がございます。