天王寺をライフターミナルにする人は、きっと活動的でエネルギッシュで、繊細。
そんな思いで地上38階のこの空間を眺めてみた。
眺望が素敵だ。眼下の都市には暮らしに必要な機能も整っている。
忙しく外世界を飛び回り、ここに戻ったときは普段の日常に戻れる。
ほっとするような心地よさが理想だと考えた。
特に大幅なリ・デザインは施さない。
それよりも一つ一つの素材が、その時々のオーナーの心に沁みるような空間でありたい。
色彩のトーン、ブロンズのガラスやタイル、石の壁、それらを丁寧に吟味しながら、
照明のコントラストも含めて日常の上質で落ち着いたシーンを思い描いていく。
インテリアデザイナーとして、オーナーの心に寄り添うことが、私の役割だ。
オンタイムの直後で心がどんなにハイトーンになっていても
リビングにたどり着いたら当たり前のように普段に戻れる。
そんな包容力がしっかりと描けただろうか。