空間に、オーナーを刺激する「想像力の柔軟性」を与えました。

最近、住まいのリノベーションをお手伝いする機会が多くなりました。すでに完成した新築のお住まいに魅力を感じない人が増えているからかもしれません。何度かマイホームを持つと、均一化された空間レイアウトや素材感、機能に満足できなくなるからでしょうか。「こんな空間に暮らしたい」「自分のライフスタイルに合わせた空間を創造したい」。そんな住まいへの思いがリノベーションへの人気につながっているのだと思います。
ただ、今回私がお手伝いさせていただいたこの住まいは、少々勝手が違います。阪急阪神不動産が目利きをした物件にリノベーション工事をした上で、気に入った方にご購入いただくというスタイル。インテリアデザイナーの私としても「要望に応える・寄り添う」という本来の役割をさらに進めて、オーナー様の意見や好みを想定しながら提案力を高めていかなければなりません。そこで、オーナー様の想像領域を空間に埋め込むことにしました。オーナー様がご自身でインテリアの一部を整えたり、シンプルな壁面を飾ったり、ご自身のセンスで思い通りに変化させられる寛容性を持たせた空間創造です。そんな思いで、この地上38階の一室をご覧ください。